なんかおかしい洞爺湖サミット

2008年7月10日

洞爺湖サミットでは,いつのときか,二酸化炭素の排出量を減らすことは必要だという程度の合意,そして原子力を使って二酸化炭素の発生を抑制しようということが明言されたそうだ。

地球が危ないという認識がまるでない。しかも,もっと悪いのは原子力をつかってどんどんエネルギーを発生させようという発想である。何のために洞爺湖サミットを開催したのだろう。スリーマイル島の事故の記憶はもう薄らいでしまっているのだろうか。限られた資源を有効に活用し,地球温暖化を進ませないように永続的な発展を確保するにはどうしたらいいのかが議論されなければならなかった。原子力発電所をどんどんつくり,それで作られた電気エネルギーで大量に生産し,大量に消費し,大量に廃棄していく今までの社会と何も変わらない世界しかみえていない。

しかも,原子力発電は二酸化炭素をださないクリーンなエネルギーであることが前提の議論だ。原子力発電を行えば,プルトニュームを含む高レベル放射性物質が生まれる。核のゴミである。この核のゴミに関しては未だに安全な処理方法が確立されていない。とりあえず,人の目に見える状況下で保管をしているのが現状である。だから原発のことをトイレのないマンションなどと例えたりする。建設,解体には莫大な費用を伴う。いかなる意味でも決して安全なものとは言えないのである。

岡山は,日本ではじめて原発の燃料の原料となるウラン鉱石が見つかった人形峠がある。燃料加工するほどの純度のないウラン鉱石でいまはもう採掘はしていない。わずかの期間採掘した後は,放射線を発するウラン残土の存在が問題となった。燃料に加工できなくても人が被爆するには十分に危険性のあるものだ。そうしたものさえ,完全に管理できない状況にあって,高レベル廃棄物の管理などできるわけがない。数億年単位で管理を保証することができるのだろうか。かつて,この人形峠が高レベル放射性廃棄物の処分場候補地になったことがあった。今でもその有力な検討地であることには間違いない。ここも高齢化,過疎化の進む弱い地域である。産廃処分場同様に,適地にではなく弱い地域にできるのである。もっとも,活断層が縦横無尽に走る日本列島には安心して数億年も安全に保管できるところなどどこもない。

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