裁判員裁判の準備

2006年6月6日

新しい市民が裁判に参加する裁判員裁判が3年後には始まる。まだまだ市民には理解が得られていない状況であるが、われわれ法曹もいままで経験したことがない制度であり、その手続きについてはいまからいろいろと協議しながら、学んでいる段階である。rnrnこうしたことから、今日から法廷が終わった時間帯で、実際の法廷を使って、模擬裁判が始まった。今日の手続きは、裁判員に負担が大きくならないようにあらかじめ争点を絞り、証拠を厳選して集中審理がなされるための検察官、弁護人の主張、証拠の整理を行う公判前整理手続きという手続きがなされた。模擬裁判とはいえ、実際の検事と弁護人が現実の裁判と同じように激しくやりとりをするのである。裁判官も新しい制度に戸惑いながらもこの手続きで互いの交通整理をしていく。新しい法律に従ってすすめるものの、現実の事件への適用となると思わぬ問題もでてくる。これからまだまだ判決に至るまでに何度もこうした手続きが為される予定である。私たちもこうして裁判員制度が国民参加の司法として市民の皆さんが積極的に参加していただけるよう研鑽を重ねている。rnrn裁判員制度の手続きを見据えての公判前整理手続きなのであるが、証拠調べ手続きだけ一部の事件について先行的にこの手続きが適用されて実施されている。5月現在で全国的には230件ほどであるが、岡山ではまだ1件だけである。ホリエモンの事件は適用されている。おそらく今日逮捕された村上ファンドの村上さんの事件も適用されるのではないか。経済活動の実態を伴わないで株式価値を動かし、インサイダー取引という不公正な市場で多額の利益をあげてきた村上さんの「金をもうけてなぜ悪い」との開き直りの意見にはどうしても同意しがたい。そしてこれを良しとする風潮をつくってきたのが今の政治ではないかと思う。

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