オリンピックと盆と

2008年8月11日

北京オリンピックの開幕式は,圧巻であった。会場で繰り広げられた統制のとれた大勢の人の演技は,見事であった。人間がデジタルの一つ一つの画素として動き,最新鋭技術に裏付けられたデジタルシステムによる表現を,人力によるアナログの表現で行うというなんともそのギャップがおもしろい。

ただ,あの人数であれだけの統制がとれていることが,逆におそろしさを感じた。北朝鮮のマスゲームをみる感じである。演者の自然な笑顔をどれほどみることができただろうか。会場外ではミサイルまで使って防御されるなど厳戒態勢で警備がなされている。人々は家でテレビをみるようにとの指示がでていたようだ。北京の少し路地をはいっていくと,そこにはスラムと化した街が覆い隠されている。テロの恐怖におびえながらの開催であった。現実に政治問題を抱えているウイグル地区ではテロ事件がおきて死者まででている。こうした矛盾を覆い隠してのオリンピックである。おそらく,主催国自身が,その事実を一番よく認識したのではないだろうか。世界との違い,国内政治の矛盾,そんな矛盾をこれから解決していかなければならない必要性を痛いほど感じただろう。オリンピック以後の中国政府の変化を期待したい。

それでも,オリンピックは,人類の歴史ある4年に1度の「平和の祭典」である。そこで,繰り広げられる競技は,まさに人類が限界に挑む最高峰のレベルが競われる。それぞれが超人的と言われるレベルの戦いなのである。その競技を見ることは結構楽しませてくれる。今週は,旧盆の時が含まれている。裁判官が順次,休暇をとっていていて,法廷も少ない。事務所の休暇を13日から15日としたものの,いずれの日も法廷がはいってしまった。つい,休暇でない裁判官の事件の日程を受けてしまったのである。しかし,打ち合わせの件数は少なく,法廷の件数もいつもの週よりは少ない。溜まってきている仕事をこの1週間でいっきょに処理できたらと思っている。野球,体操,水泳など注目の競技もある。これらを楽しみながら1週間を過ごしたい。盛り上げるテレビ番組の裏で,暑さと大気汚染による最悪の環境,厳しい警備と緊張感の漂うなかで,北京で仕事をしている次女のことも気になりながら,,,,。

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