裁判官からの電話

2008年8月15日

今日は,事務所としては休日である。私の他誰もでてきていない。ブラインドは,私の机の近くを開けただけで,しかも自然光のみで仕事をしていた。ある会社から契約書にチェックを依頼されていて,これをチェックしていた。これを終えて2つの準備書面を書けば,今日の予定の仕事は終わる。事務所にも電話は架かってこない。しかし,午後2時を廻ったころから,いろいろと電話が架かってきた。盆であるからと言って,みんなが休んでいるわけではない。

と思っていたら,裁判官からの直接の電話である。岡山家裁への事件の移送申立をしている事件に関してであった。ばたばたとしていたとき,まずは直感でこれは当然移送決定がだされて当然だと感じ,さらっと条文を確認して,移送申立書書いていた。今日の電話は,それに記載した申立の根拠条文が違うのではないかとの指摘が裁判官から直接あったのである。そのように指摘された時,ばたばたと処理していて,確認しようと思いながら,まあいいやと頭をかすめた疑問をそのままに理由を書いたことの記憶が甦った。やはり,きちんと疑問を残さないで,正確に論じておくべきであったと,今回の指摘に恥じた。裁判官は,決定書を出すにあたっては,決して法の適用を誤ってはならないのでこの種のことにはとても慎重であり,当方の主張も正確にしておくべきだとのことからの指摘である。電話の際に参考文献などの指摘も受け,慎重に調べ直して根拠条文を訂正し,理由の補正書を起案した。もう一つ裁判官から直接電話をいただいた。欠陥住宅事件の鑑定事項とその鑑定費用の問題についての相談であった。

こうして,多くの人々が休暇を取っているこの時期に,裁判官が直接,書記官を通さないで代理人のところに電話を掛けてくるのは,きっと裁判官もじっくりと記録に取り組める時間的余裕ができていたからではないか。予定の準備書面は1通しか完成しなかった。明日も簡易裁判所で,消費者金融会社に対する不当利得返還請求事件がはいっている。「盆」の休暇を理由に法廷を断らなかったからだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Links

Calendar

  • 2024年4月
    « 5月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930