過払い金請求事件

2008年8月17日

昨日は、朝一番に玉島簡易裁判所に過払い金請求事件についての2回目の弁論期日にでかけた。車を運転し、高速道路を使ってであった。訴額はわずか18万円ほどである。消費者金融会社を相手とする利息制限法を超える利息を支払ったことに対する過払い請求事件である。多くの事務所が休日となっているこの日に、簡易裁判所のしかも訴額の低い出張事件であるから、事務所的にはとうてい採算ががとれる事件ではない。しかし、違法な収益を相手に残し、消費者を経済的に困窮させてきた責任を、採算がとれなく、面倒な事件あるからといってこれを放置しておくわけにはいかない。また、不採算な事件であるからといって、15日に指定された事件を先延ばしするのも嫌であった。この事件は、昨日の法廷で和解となった。当方の請求金額の元金を10月末までに一括して支払うといくものであった。

過払い金請求事件は、負債整理の事件を依頼を受けると何件か提起しなければならなくなる。数年間、業者の約定金利を支払っていれば、利息制限法の範囲で再計算すると、たいてい既に元金は消滅して、過払い状態となっていることが多いからである。中には既に数百万円も過払いになっていた事例もある。過払い金の返還請求をまずは書面ですると、その段階で交渉によって解決することもある。最近は、和解の場合のかなりの減額を提示してきたり、ずいぶんと先の支払期日の提案などがあり、この場合は訴訟を提起することにしている。訴訟手続きにはいれば、特殊の事情がない限り、たいていは勝訴する。しかし、勝訴判決がなされてもなかなか彼らは支払うとしない。判決書でわかっている銀行口座を押さえても、たいていは、口座残高がなくて空振りになる。そんな状況にしておきながら、まだ金融業を営み、コマーシャルをして顧客を集めている。

消費者金融会社の株式会社ライフは、いったんは破綻して、会社更生法適用申請がなされた。この会社をアイフルが買収し、業務を引き継いだ。そして、昨年、認可決定がなされた。この認可決定後、1年を経過したが、当初計画通りに「低収益事業の縮小」と「高収益事業の拡大」を推進し、この上期に早くも経常利益15億円を計上していて、通期でも、経常利益24億円を実現できる見込みのようである。相変わらずの高収益をあげ続けている。しかし、こうした利益が、過去に不法に得られた収益を、被害者に誠実に返還することなくして生まれたものであるとすれば、社会の不正義をそのまま認めることになりはしないだろうか。

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