現代日本の貧困と生存権補償

2006年10月5日

昨日の東京から今日は釧路にきている。日弁連最大の年間行事である人権大会が開催されているからである。rnrn今日は、2つのシンポが開かれたが、私は標記の第2分科会に出た。rn暉峻淑子さんの記念講演から始まる5時間30分の長時間にわたるものであったが、いかに今の日本が貧しいかということを思い知らされるものであった。rn例え、多重債務が解決されたとしても、働く場はなく、あってもきびしい条件でとうてい生活が成り立たないものでしかない。母子家庭で生活保護家庭の母親の3割は中卒という実体は、格差の連鎖をよんでいる。rnrnしかも、生活保護要件を充足する家庭の20パーセント程度しか、実は救済されていない。ドイツ、イギリスでは70ないし80パーセントは補足されて救済されているという。日本の行政の窓口では水際作戦と言われていかに生活保護をしないようにするかに力が注がれている。その結果、体が不自由で通院用に使って20年近く乗っている車両を生活保護を受ける者が車を持っているのはけしからんと申請を受け付けなかったりする事件が発生している。rnrnこんな状況にあるなか、格差社会の是正、再チャレンジの機会を保障する「美しい国、日本」と叫ばれても虚しい気がする。貧困そのものの原因を取り除き、一人一人が人としての尊厳をもって生存できる環境があって、そのなかにおいて経済戦争に負けた人たちの再チャレンジの機会の保障が問題になるのである。経済の自由を唱えても人間の自由と尊厳を忘れた今の政治の議論のありかたはこの意味において虚しいのである。

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