事件のライブ感覚

2008年10月5日

木曜日,金曜日は,富山にでかけていたので,完全に事務所を離れていた。ヨーロッパを旅行していた時も同様であったが,どんなに遠く離れていても携帯電話は通じるし,メールのやりとりをしながら事件処理をすることは可能である。この留守の間にも裁判所への幾つかの書面提出,新しい展開に備えての依頼者への連絡,裁判所からの決定書の受領などが続いていた。しかし,こうした動きは,特にメールを使って事務からの連絡がはいり,指示を出す。すべて,事務所にいるときと同じように事件は処理された。事務所からたとえ,海外であたとしても,離れていることが仕事の支障になることはあまりない。

しかし,今朝,事務所にでかけるとずいぶんと長い期間,事務所を離れていたような感覚に襲われた。事務所で改めて記録に目を通すと,依頼者の顔が目に浮かび,その人の気持ちがライブ感をもって伝わってくる。文字で報告されるメールを読むのとは違った感覚なのである。やはり,どんなに通信手段が発達して,意思伝達が容易になったとしても,その伝えられることのライブ感覚には大きな違いがあるのではないかと思わされる。そして,人と人との意思の疎通がうまくいくのは,このライブ感覚こそが大切なのではないかと思う。

午後からは,弁護士過疎地域の法律相談にでかけた。兄弟間の遺産分割をめぐるきびしい争い,医療過誤訴訟に踏み切るか否かの相談など,法律判断としていずれも困難な選択を迫られる問題の相談であった。

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