株価暴落とサラ金文化

2008年10月8日

今日は,日経平均が1万円割れしたと号外まででたそうだ。そしてそのあとノーベル賞3名の受賞者で,また号外とか。私には,株価が上がろうが,下がろうが直接の影響は全くない。幸か不幸か,一株も保有していないからだ。少しぐらい持っていてもいいとは思うが,そんな余裕はなかったというのが実情である。

サラ金は,高金利,過剰貸し付け,厳しい取り立てで,多くの自殺者を産む経済構造まで作り上げてきた。利息制限法に違反する違法な利息を取り立てることを容認する法律的には不整合な矛盾した法律を成立させてまで政府はこの業界を後押ししてきていた。その結果,平成15年には年間24万人もの人が自己破産の申立をするようになっていた。サラ金の貸し付け資金の調達は銀行からであった。銀行は中小企業への貸し渋りをする一方,サラ金にはたくさんの融資を行い,銀行が違法な高金利で稼ぐサラ金から上前をはねていたといいうのが構造であった。犠牲にされたのは,サラ金から金を借りなくてはならなくなった庶民である。

アメリカの今回の株価下落もちょうど日本と同じような構造を持っている。家が誰でも簡単に手に入ると低所得者層に高金利で貸し付け,その債権を高利回り商品としてばらまいた。高金利のつけはやがて支払えなくなって家の購入者に直接に降りかかってくる。家を手放し,多額の借金だけが購入者に残ることになる。うまく回っていた短期間の間には,低所得者層から,多額の利息収入を得て,その高利回りの債権を取引することによって多額の利益をえてきていた集団がいた。持てるものが持たざるものから収奪し,さらに持てるものになっていく構造が見えていた。今回,この構図が崩れ去り,投資家に大きな損害を与えている。その結果のこの株安である。誰の犠牲のなかで,高金利の恩恵を受ける人が生まれてきていたのか,日本のサラ金地獄の構図とよく似ている。

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