クレサラ相談担当

2008年11月13日

弁護士会の法律相談担当日であった。しかもクレサラ問題限定である。自己破産宣告の申立や過払い請求などの相談で,弁護士会は無料でこの相談を受けている。

昨日,私の事務所に多重債務問題であるとのことで相談予約がはいっていたが,直前にキャンセルになった人がいた。今日の弁護士会での相談者の一人がキャンセルしたその人であった。相談者自身がそのことを私に告げたが,私は,全くきづいていなかった。弁護士会で相談を受ければ無料であり,私の事務所であればいくらかの相談料の負担がかかり,その費用負担が気になってキャンセルし,今日の無料相談にきたらしい。弁護士会にきてみたら,また私に出会ったというのである。よほど,縁があったのかも知れない。結婚前から抱えていたサラ金からの借り入れを支払い続けていた。やがて,結婚をし,子どもができ,その支払いが楽になるはずはない。誰にも話せないうちに借り入れは増え,支払額も増えてきていた。ついに1ヶ月の給与の支払額にまでその額は膨らんだ。もはや,内緒にしておける状況ではなく,その苦しみを妻や友人に相談して,私のところにくることとなったのである。誰にも相談できなかった日々の精神的苦しみによって,仕事もうわの空であったとか。厳しい手続きの開始ではあるが,やっと精神的な落ち着きをとりもどしたに違いない。小さい子どもが持ち歩くかわいいバッグにボールペンなどをいれていた。家での子煩悩な父親の姿が目に浮かんだ。

多重債務者に陥るきっかけとなったのは,「パチンコ攻略本」の購入であったという相談者がいた。これも典型的な詐欺被害である。多重債務に陥るきっかけではあるが,ギャンブルにてをだして,そのことがきっかけとなっているということなので,免責については問題になりうる事情である。こういう人は,自分では負債の内容を正確に整理して理解できない人が
おおいので要注意である。この人も相談に付き添ったのは相談者の弟であり,しっかりと本人に代わって質問をしていた。

利息制限法を越える高金利を払い続けていた人,ちゃんと働いても10万円程度の月収しかえられず,それでもその金額のほとんどを懸命に支払っていた人,日本の「貧困」とその実態の縮図が,今日の相談になかにも見える。

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