マンション管理組合の紛争に和解

2008年11月18日

知人の入居しているマンションの権利能力のない管理組合が分譲業者から訴えを起こされていた訴訟案件で和解が成立した。このマンションには,同業者も入居している。元裁判官もいる。火中の栗を拾おうとするものがなかったのか私のところに依頼がきた。区分所有法の度重なる改正によって,建物と敷地は一体となって登記上表示されるようになった。建物の区分所有割合が当然その敷地の区分所有割合になり,建物と一体となってその運命を一緒にする。しかし,いったん土地だけ別の区分所有の登記がなされ,新たに敷地が増加することになればどのように処理すべきか,法のパズルを解くような気分にさせられる。

この事案は,和解ができなければ,どこまで紛争が深まるかわからない状況であった。どんなに時間がかかっても,当方には大きな影響はない事案ではあった。しかし,いろんな法的手続きを際限なくしていくことになるような事案であった。分譲業者が和解をいったん拒否した段階で,この泥沼に陥っていくっことは覚悟していた。再び和解の意向を業者側が示したときから,裁判官の強いリーダーシップのなか和解へと突き進み,本日和解となった。当初から落ち着くところはこんなところだろうと当方側は考えていた範囲内の絶妙な内容であり,業者側の要求を当初から明確に抑えての調整が和解成立につながった。裁判官には時としてこのような強いリーダーシップが必要である。

同じ裁判官が関与する別の事件の弁論準備手続きがあった。県内有数のいや随一といって良い企業を相手方とする事件である。これも進行方法がなかなか難しい。このまま当方が突っ走れば,完全に敗訴することはなさそうであるとの感触は得た。しかし,それは最低限の相手方の責任の範囲で納まる。責任だけを認めさせてあとは交渉でその盛夏を勝ち取るほどの力が当方にあるのであればそれでもいいと思われる。しかし,その力がない以上,丁寧に現状の正確な把握のための手続きを進め,一定の段階における裁判官の強いリーダーシップによる解決を望むしかない。今少し我慢の訴訟進行をしていくしかないと思う。これは,私にとってもまだ方針が定まらない。

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