病気は平等にかかるものではない

2008年11月28日

またまた,首相の失言である。「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と朝の散歩をして健康管理ができていることを例に挙げ,高齢者や障害者が病気になって治療にいくことを批判している。この考えは,富める者が好きなように自分のためにお金を使えばいいのであって,社会的,経済的弱者に対して配慮は要らぬかのように聞こえる。病気は怠け者のところにしかやってこないような言い方でもある。「福祉」とは何かにまったく思いを寄せていない。失言と言うより,本質がそのままでた言葉である。

病気は誰でもが平等にかかるものではない。インフルエンザが流行しても,平等に罹患するわけではない。おそらく首相が一番罹患しにくいであろう。きちんと栄養管理され,あたたかい布団でゆったりと睡眠をとって朝は散歩と健康管理がなされ,口に入れるものは高級品ばかりであれば体の抵抗力は強く,感染する機会も少ない。しかし,朝早くから夜遅くまで働き,十分な給与をもらえず,疲労したまま寒いベッドに横たわり,カップラーメンなどで食事を済まさなければならないような生活であれば,確実に感染して,その症状も重い。病気もこうした社会的条件によって罹患の可能性が異なるのである。健康管理がきちんとできている人が,できていない人の治療費を負担するのはおかしいなどと言い切る政治家はいったいどんな思考方法なのだろうか。首相の資格のみならず,政治家として失格である。

きょうは,法科大学院を卒業し,司法試験に合格した人たちの修習歓迎会があった。全部で48名であった。合格していきなりの実務修習である。岡山ではこの新司法試験合格組の司法修習を担当するのは,今回が初めてである。どの程度のものが習得できているのか,状況をみながら手探りで修習方法を考えなければならないと思っている。とりあえず,来年1月末からの指導担当となった。

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