やはり,1年のけじめ?

2008年12月5日

「弁護士さんは12月がやはり忙しいのですか」と聞かれることがある。トラブルは片づけて新年を迎えたい,今年中にきりをつけておきたいなどと特にこだわる人はそんなに多くないのではないかと思っている。だからこの質問には,忙しいのはいつもと特に変わらないと答えている。しかし,現実はやはり12月になるとあわただしさが増していると思われる。連日,裁判所への書面の提出が重なり,新たな相談がつぎつぎと持ち込まれる。セクハラを種に脅されている人,月末の手形の決済の目処がたたなくなってその法的処理の可能性,係属事件の年内処理の予定などなど空いていると思われる日程がその当日になってみると埋まってしまっている。

6時過ぎまで約1時間の相談を終えて,シンフォニーホールにかけつけた。バッハのコンサートがあったからだ。バッハの音楽を好きだと知っているモーツアルト好きの事務所のスタッフの方がプレゼントしてくれたチケットである。今から約300年近くも前に作曲された荘厳な音楽を聴くことができた。バッハは,ライプチヒのトーマス教会のオルガニストとして働き,牧師の説教のテーマを音楽によって表現した人である。毎週の礼拝ごとに作曲した音楽で説教をしていたとも言える。毎週,バッハのライブコンサートが教会で行われていたことになる。今,読んでいる本の著者小塩節先生がバッハとモーツアルトの音楽の特色を一言でいうとどうなりますかの質問に「バッハは建物で表現するとゴシック建築の教会のようなもの,モーツアルトは天の恵みをいっぱいに受けてそれをぱーっと発散している感じ」と表現された。今日の演目のひとつは,12月の第1週の礼拝の時に歌われたカウンタータであった。ちょうど2年前のあちこちでグリューワインの香りの漂っているころ,ライプチヒのトーマス教会に行った。その時の思い出を重ね合わせながら,ゴシック建築と表現された荘厳な魂を揺さぶる音楽をしばし楽しんだ。

忙しさの中にもこうした機会を持てることが,平穏な心の均衡を与えてくれる。さあ,これから眠るのもバッハのおきまりのCDをかける。

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