第九

2008年12月26日

今日の午後は倉敷簡易裁判所に弁論期日にでかけた。神戸の友人弁護士を通じての紹介で引き受けた事件である。法テラスの援助を受けている事件である。往復の道路は渋滞が激しいところもあり,余裕をもってでたつもりではあったが,法廷には指定時間ちょうどにやっと間に合うことができた。年末であり,「ゴットウビ」にあたる日でもあるからであろう。

年末が近づいてきていることを再認識させられる。この慌ただしさから,あと数日すると新しい年が始まることになる。この道路も新しい透明感と期待をもった感覚で通ることになるのだろう。年末には第九と決して私はこれを聴いているわけではないが,日本では定着している。
1989年12月24日,25日と壁の崩壊した東西ベルリンでバーンスタインの指揮による第九の演奏会があったとのことである。フロイデ(歓喜)をフライハイト(自由)と置き換えての合唱であったようだ。ライプチヒのニコライ教会での集会の力など,血の流されることのなく実現された壁の崩壊であった。プラハの春を包囲した戦車は,市民の命を賭けた兵士への説得で撤退せざるをえなかった。このプラハ,ライプチヒ,ベルリンと旅をしたことがある。この街の民主主義の原点である市民の力を感じることのできる場所であった。今年は,モーツアルトが育ち,カラヤンが生まれたザルツブルグにでかけた。音楽は,人であることの喜びをを心の底から感じさせてくれる。1989年の12月25日の「フライハイト」の合唱は本当に歓喜に満ちたものであったに違いない。

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