いよいよ歴史的瞬間に出会う

2009年1月21日

国会では,麻生首相の漢字テストがあったみたいだ。国会でこんなことをやる質問者もどうかと思うが,それに応じて答えている様は,小学生のいじめの世界である。国のあり方が問われているとき,こんな様でほんとうにいいのだろうか。未曾有の経済危機であり,これを乗り越えるための国のあり方が問われているときに,この程度の議論しかできないことが哀しい。

あと2時間あまりで,オバマ氏が第44代アメリカ大統領に就任する。イギリスからの移住者と原住民との戦い,建国のために多くの奴隷を生みその差別を色濃く残し,複雑な多民族社会でいつも困難な課題を持ちつつも,その建国の精神はどこかで生きてこの経済不況のさなかにも新たな希望を持とうとしている強さをみることができる。リンカーン像の前にたつオバマ氏にはゲッティスバーグでのリンカーンの「人民の人民による人民のための政治」との名演説,キング牧師の[I have a dream ]のあの有名な演説,ケネディ大統領の力強く「いまやたいまつの火は我々に引き継がれた。,,,,,国家が何をしてくれるかではなく,国家に何ができるかを問え」と新しい時代の到来を訴えた演説と並び称される演説がなされることが期待されている。いや,演説はなくてもアメリカにとっては,黒人が大統領になったそのことだけで,歴史的な一瞬を迎えたといっていい。この歴史的なことにリンカーンの時代だけは知らないがその後のことは私も生きている間のことだ。

前にあげた3人はいずれも暗殺されている。オバマ氏にその悲劇を起こしてはならない。ケネディ大統領の時は,はっきりと憶えている。私が高校1年生のとき,11月3日未明のことであった。日米をつなぐ衛星放送がはじめてなされた日であった。そのアメリカからの衛星放送の一報がケネディ大統領暗殺のニュースであった。きょうは,衛星中継の画面でこの就任式をみようと思っている。少し,ミーハーなのかもしれないが,オバマの演説集を買った。車には「Yes I did 」のオバマへの寄付金を示すシールを貼った。ノートパソコンには「Yes We Can」のキャンペーンシールを貼っている。今日の演説のいくつかのフレーズは憶えておきたい。オバマがすべてを解決できるわけでもなく,すべてが正しいというわけでもない。しかし,アメリカの民意を反映する厳しい大統領選挙を戦った結果の歴史的事実のなかで語られる言葉である。麻生首相の言葉とは重みが違う。歴史の教科書に記されるその出来事に同時代に立ち会える興奮を憶えている。

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