久しぶりの瀬戸大橋線

2009年2月6日

数年間続いた愛媛での事件に最終決着があってからしばらく四国に渡ることはなかった。今日は,高松地裁丸亀支部に出かけために久しぶりに瀬戸大橋線に乗った。少しもやいでいてうららかな日差しのなか,静かな海の上をわたった。いつものことであるが,瀬戸大橋の上を通るときはいろんなことが思い出される。

小学校にあがったばかりのころだったろうか。夏に母親に連れられて連絡船に乗り,四国にわたって屋島にでかけたこと,その時の塩田の風景,ドラの音,瀬戸大橋が開通した時にいち早く利用し,混雑で自宅から瀬戸大橋を渡るまでに6時間以上の時間を要したこと,そのときトイレに大変苦労したこと,この開通記念のマラソン大会にでたこと,水島コンビナート石油タンクから油が漏出し,すぐに見えている坂出までその油が漂着したことなどなどが次々と思い出される。

丸亀支部ははじめてであった。裁判所の弁護士控え室にはいると古き良き時代の弁護士会の雰囲気が残っていた。法廷が終わってくつろいでいる弁護士が数名いた。私生活のことや,同僚弁護士のことを話題にしながら和やかな会話が続いていた。そして,その部屋にはコーヒーサーバーが置かれていたり,弁護士会の資料なども置かれていてサロンのような雰囲気である。弁護士会の事務員も常駐しているようであった。かつて,どこの裁判所の弁護士控え室はこのようなものであり,弁護士会の事務所を兼ねていた。これが当然の形であると考えていたが,そのような利用においては,弁護士会の活動が裁判所の司法行政の監督下にはいることになってしまうこと,弁護士会が最高裁の管理する建物のなかにあることは国の施設を私的団体が無償で使用していることになるとの指摘がなされるようになり,各地において弁護士会館を建築し,独自に事務所を持つことになっていった。岡山地方裁判所内には弁護士控え室があるが,まさに控え室であり,待機用の椅子と机があるだけある。丸亀支部のようなサロン的な雰囲気は味わうべくもない。しかし,今の若い弁護士たちは,厳しい財政状況のなか,大激論を闘わせながら弁護士自治のシンボルとしての弁護士会館を建てたことなどしりうべきもないだろう。

さて,せっかくの四国である。帰りには寄り道をしてさぬきうどんを食べて帰った。

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