新司法修習

2009年2月20日

昨日は,新司法修習生(法科大学院卒)の弁護士会の歓迎会があった。現在新修習生の修習を担当している。私のころの司法修習は2年間で岡山配属は12名であった。現在は1年間で岡山配属は48名,4班に別れていていて,そのうちの第2班の修習期間となっている。今の司法修習は,前期,後期の合同修習がなくいきなりの実務修習である。しかも,初めての新司法修習生の受け入れとあって,どのような内容にしたらいいのか少しのとまどいがある。我々のころの前期,後期の合同修習のかなりの部分を法科大学院で済ませていることになっているのだろう。

私たちのころとの制度の違いは,法科大学院,司法修習とその養成課程に大きく法律実務家が関わり,とりわけ在野法曹の関与が格段に多くなったことであろう。かつての司法修習は,弁護士会の関わりがあるにはあったが,その関与の割合は非常に少ないものであった。官僚的な法曹教育から自由を基盤とする人権感覚豊かな法曹を育てることを可能とするシステムになってきているとは言える。しかし,現実はやはり司法試験合格率が競われ,受験予備校化の危険を内包している。さらに法曹としての質の問題も問われている。法科大学院の定員が過剰となっている現実と,70パーセント程度の合格率を予定した制度であったことのギャップが顕在化した結果であろう。

ことし,新しく我が事務所のスタッフとなった弁護士は,法科大学院卒業生である。事務所で修習している司法修習生とともに現在身近に新司法修習経験者がいる。しかし,なんら違和感なく一緒に過ごしている。昨日の歓迎会ではイタリア料理のシェフの経験者がいた。脱サラ出身の人もいた。この多様性は,法曹にとっては是非必要なところである。この多様性が維持できるよう法科大学院の制度,司法修習制度が整えられていなければならないと思う。法曹人口論とも関わりの深い問題であり,まだまだ検討,改革を必要としている分野である。

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