残念なことだが,意気込みだけでは

2009年3月4日

昨日,約10年ほど前から,私の事務所になにかと相談に来ていた人から,経済的に行き詰まって自己破産宣告の申立をせざるを得ないとの相談があった。もともと岡山の人ではなかった。岡山の地で私財を投じて,障害者の介護などの業務を始めた。その懸命な姿はマスコミを通じて報道されることも何回かあった。障害者の方々やその家族の人たちのニーズに応えるその業務内容は自然と拡大していく一方であった。NPO法人も立ち上げた。しかし,補助金交付を中止される事態となり,その後も業務を係属すべくぎりぎりまで頑張ってきていたが,ついに矢が折れた。こうした施設の運営は,今の経済状況において非常に難しい。元気な人である。きっとしっかりと立ち直って再び夢を追いかけることができるようになって欲しい。この負債整理を受任した。なんとなく悲しいことであった。

今日は,医療観察法による付添人業務として,裁判所で第1回のカンファレンスがあった。重大事件の刑事事件について付される手続きではあるが,普通の刑事事件と全くその雰囲気が異なる。検察官も含め,参加している人がすべてが,対象者の今後の生活をどのように確立することができるか,治療等の必要性があるのか,あるとすればどのような治療がもっとも適しているのか,親族・地域の協力体制がどのように確立されるかなどをそれぞれの立場で意見をだしあい,環境調整もしながら,裁判所が審判を下すと言う手続きである。同じ方向をに向かって,検討するとはいうものの,付添人は場合によっては強制的な治療も考えられる結果がありうるので,人権の侵害にならないかチェックしていくことが期待されている。通常の刑事事件における法廷で検察官と鋭く対立的なやりとりが行われる場合とは全く異なる雰囲気が,なぜか私を心地良くさせてくれた。

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