花粉症景気?

2009年3月12日

被疑者援助制度を使い,被疑者の段階から弁護人につき,起訴されてからも国選弁護人として関与した覚醒剤事犯の判決があった。執行猶予中で別の刑事裁判を受けている間の新たな事件であり,「規範意識に著しく欠ける悪質である」との検察官,裁判官の指摘はもっともである。かなり重くなっても仕方のない事案であった。しかし,判決は求刑の6割程度であった。抗ガン剤投与の苦しいなか,覚醒剤に手をだしてしまったというものであり,その苦しみのなかで覚醒剤の誘惑に耐えられなかったことへの同情と刑を受けて今後もガンとの戦いを生き抜く決意に裁判官はこの被告人の更生にかけたものと思う。指導担当の司法修習生が弁論要旨の起案をしていた。

午後からは岡山市の法律相談担当で,表町の商店街を歩いて向かった。薬店の前をとおり過ぎようとしたところ,眼のかゆさを突然に覚え,目薬を買いに立ち寄った。中にはかなりのスペースをつかった花粉症のコーナーが作られていた。もどかしいような気持ちで目薬を探し,レジにむかったところレジにはやはり花粉症の薬を買っている人が並んでいた。薬を入手すると一時でもはやく薬をさしてすっきりしたい気持ちに駆られてくる。もしかするとこの気持ちは,覚醒剤を止められなかった人と同じような気持ちなのかもしれない。目的地に到着してすぐに薬の箱を空け,眼にさした。すーっとしてとても気持ち良くなった。効く。実はこの日,妻も花粉症(これはかなり重症)のため,耳鼻科,眼科と廻ったそうである。眼科では2時間待ちであったとか。ほとんどの人が花粉症のようであったとか。花粉が飛び交うのもひょっとして大きな景気対策?なのかもしれない。

その法律相談はバラエティに富んでいた。法律相談の緊張するところでもある。投資問題,離婚問題,養育費の問題,相続の問題,リフォームの問題と次々と種類の違った相談である。持ち込まれるすべての問題について常に正確に法的知識をもって答えられるわけではないが,法律相談でその人の人生をみてしまう。その人の視点にたって,どういう見方をすれば問題解決につながるのか,そんな観点からアドバイスをするという役割が弁護士なのかなと思えてくる。

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