高金利、過剰貸付と厳しい取り立てで多額の利益をあげている貸金業界である。多重債務者をつくりあげて、生命保険をかけて激しく自殺までに追い込み、その死亡保険金で回収するという仕組みも明らかになってきた。政府・自民党はグレーゾーンの存在を実質的に否定した最高裁判決を無視し、いったんはグレーゾーン廃止の方針をだしながら、3年間は存続させ、さらに特例措置をその後2年間継続する方針を固めた。法理論上は利息制限法を超える部分は違法、無効という判断が確定しているのであり、貸金業法ではこれと整合性のない規定をおいて、一定条件のもと回収ができるとした。まさに被害の実情を無視した業者保護の法律なのである。まだまだ国会での審議も残されている。大きな世論の動きがあれば、グレーゾーン廃止の実現は可能であると思っている。rnrn先日、岡山弁護士会ではグレーゾーンを残すことについて緊急の反対の会長声明をだした。その発表直前に貸金業協会の幹部の人たちが弁護士会を訪問した。グレーゾーンの存続について理解をという趣旨であったようだ。グレーゾーンがなくなると貸金業者あいての不当利得返還請求事件がなくなり、弁護士も困るだろうという言いぐさであったとのこと。弁護士がこのようにグレーゾーン廃止の運動をしているのは自らの利益のためでなく、実務に携わる弁護士としてあるべき法制度を追及するためであり、こうした社会的責任を果たすことがまさに弁護士の仕事なのだということが理解できないらしい。このように何でもお金に換算でき、弁護士も同じだという思考方法にはあきれてしまう。rnrn夕方には、「バッハの学校」最終コンサートがあり、聴きに行った。アムステルダムで演奏活動を続けているヴィオラ・デ・ホークさんによるバロックチェロの演奏であり、音色が深く、色彩的であり、やさしい深みのある音であった。近代のチェロと弾き比べもしてみせてくれた。CDを聴くのと真空管のアンプでLPを聴くのと同じような違いと言う感覚である。バッハが聞き、弾いたその音色なのだ。バッハがライプチッヒのトーマス教会で毎週新しい曲を作曲し、それぞれの曲は1度演奏されたら2度と演奏されることがなかったのが通常であったとのことでそのことも驚きであった。帰り際に演奏者のCDを購入し、サインをしてもらった。ライプチッヒに行く計画のあることを伝えると「とても美しい街ですよ。トーマス教会に是非どうぞ」と言ってもらった。そのつもりである。18世紀の音を充分に堪能した。
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- カルト被害を考える会 に 田所眞紀 より
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グレーゾーンは残った
2006年9月14日
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