奇妙な相談

2009年5月8日

5月5日の休日のことである。私は事務所にでていた。午前10時過ぎ電話がなった。中年と思われる女性の声で「娘がお世話になっています○○です。娘は元気にしてますでしょうか」と親しげに最初から直接的な用件に入ってくる。何のことかさっぱりわからない。私の担当事案ではないと思い,私ではわからないので,休日開けに担当している他の弁護士に聞いてもらうよう伝えた。すると事務所のトップなのに知らないのかと詰問調になったので,「事件はそれぞれ分担しながらやってますので,申し訳ありません」と答えたが,なんだか変だなと感じた。さらに「事件ねえ〜」と言って電話を切ったので余計におかしな電話だと思った。

今朝一番に○○氏の事件の有無を確認したが,全く存在しない。そして,今日の昼ごろ事務所に5日に電話した者だと夫婦で突然にやってきて,娘はどこにいるかというのである。事情を聞いてもなかなか内容については話さない。どうも最近,娘が家出をしたらしい。その娘さんの話によると私の指示によって動いていて,「拉致・監禁」されていると伝えられたとのことである。私のところにいるのではないかと警察にも相談したらしい。全く関わりのないことであり,突然現れて横柄にいろいろと主張されても困惑するばかりである。

今回のことでその背景事情に推測がつくことがある。状況の説明のなかに「拉致・監禁」という言葉があったことだ。この言葉は,統一協会からの脱会カウセリングを子どもの脱会を願う両親などがしているときに,統一協会側からそのことを非難する時に使用される言葉である。娘の写真をみせられたが,韓国の民族服のようなものを着ていた。自宅前で撮影したものであるとのことであった。私の名前がでたのは,カルト被害相談,特に統一協会の被害相談をよく受けている弁護士ということで,いなくなったら私が犯人の一人であるとでも話していたのかも知れない。いずれにしても背景事情については何も話さなかった。統一協会がらみではないかと疑わせる奇妙な相談であった。

今朝も福岡で統一協会関連団体に強制捜査がはいった。ひとり逮捕されたようである。全国的に霊感商法に対して追究がなされてきていると思われるできごとが続いている。今回のできごとはこうした大きな動きのなかで何かがおきていることなのだろうか。不思議な嫌な感じの出来事であった。

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