クレサラ相談担当であった。全７コマの相談のうち６コマが予約で埋まっていた。６人のうち，４人の相談を受任した。法テラスへの紹介案件もあった。派遣社員の収入の激減，自動車部品工場の仕事がなくなって借金をしてしまったという相談，社会の抱えている問題がそのままこれらの人を経済的苦境に陥れている。負債をこの人の断面を切り取るがごとく，その場を解決したとしても，この人たちの生活を継続的に立て直していくことはできないであろう。社会が生活再建へのプログラムを提供できるようにならなければ，「貧困」問題はこれからも繰り返される。２００万人以上の人たちが多重債務者と言われている。破産予備軍である。その破産宣告の申立は年間１３人程度である。ピークを超したといわれるこの種事件はまだまだ根深く存在しているといわなければならない。
夜は，弁護士会で長い間親しくつきあいをしてきているグループの懇談会があった。１０人のグループであるが，年２度ほど集まって話をしている。若者ばかりが集まって，仕事のこと，弁護士会のことなどざっくばらんに意見交換してきた人たちであるが，いつの間にか「長老」の集まりと化している。古きよき時代の弁護士像を持っている世代だと思うが，今の就職難と言われている弁護士の状況には，マインドが消え，食うことが建前となってきてる気配を感じ，いつまで誇りをもって仕事ができるかと心配する議論がなされた。