医療仲裁

2009年6月15日

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岡山弁護士会で医療仲裁センターの立ち上げを準備している。その医療仲裁をどんなものになるか模擬仲裁を公開でやった。医療関係者,特に岡山医師会などは強く反対の意向を示されていて,医療関係者の理解がなければ成り立たない制度であるだけに今日の模擬仲裁に参加される方がどのくらい確保できるか,今後の行方に大きく影響を与えるのではないかと心配な開催であった。しかし,厚労省からも参加していただき,注目している旨の会場発言があったし,医療関係者の参加も100名を越えた。さらに一般参加者もたくさんの方が参加され,注目を集めていることが伺われまずは成功であったといえるだろう。

医療トラブルはかつては信頼関係のあった医師と患者との間が,結果によってその信頼関係が崩れて対立関係になったという事案である。しかも,医師は誰でもが患者のためにと考えて治療にあたっているはずである。真剣に医療に取り組み,結果的に満足しない結果が生じたとき,医療水準はどこにあったか,そのことを前提に医師の過失の有無が厳しく問われてくる。ギリギリの微妙な問題を過失があったかなかったかという判断で責任の有無が判断される。時として,問題解決の不毛な議論と感じることもある。今日の模擬仲裁は,そんな不幸な関係となったことにおいて,どのように互いを理解しあって,問題解決の方向が見いだせるかという方向性を見いだせたのではないかと感じた。中には徹底的に過失の有無が問われなければならない事案もある。しかし,ほとんどの場合,こうした仲裁による解決が良い結果をうむのではないかと私には思えた。

今日の仲裁の患者役は,かつて弁護士会が裁判劇に協力をいただいた劇団の方にお願いした。仲裁にはシナリオがなかった。予定した筋書きとは違った方向となって,今日では結論がでないで終わった。シナリオがなかっただけに,それぞれが真剣勝負であって,現実もこうなるのだろうと思わされ,納得したものだ。それにしても医師会が反対するという理由が理解できない。

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