法曹協議会

2009年6月23日

年2回開催される恒例の行事である。法曹三者が日頃の事件処理のなかで生じる問題点を議題として協議する会である。他の地域では,無駄なことだなどという意見もあり,開催されていないところもあるが,岡山では私が弁護士になった当時から開催されていた。激しく対立する場面があったりして,検事正が開催の必要はないなどと発言することなどもあったが,法曹三者がよりよい司法を形成していこうと協議の場を持つ必要性について共通の認識があり,継続してきた。地裁所長,検事正,家裁所長,高裁支部長らひな壇に上がる人々はすべて後輩ばかりとなった。岡山ではポスト的にみて,私より先輩が正面に並ぶことはない。そんな年になったかと思いながら,正面の席に並んでいる人々をみていた。

岡山の法曹協議会は,かつては激しい議論の場であった。時にエキサイトすることもあって,裁判所側や検察庁側から法曹協議会には参加しないなどということが言われたことがあったぐらいだ。こうしたことも「岡山は難しいところだ」などという噂が流れる原因となっていたかもしれない。今日の議題は,裁判員制度をめぐり,裁判員の安全をいかに確保すべきか,被害者の傍聴参加について配慮すべきことなど冷静にまた的確な議論と協議がなされた。しかし,妙に遠慮した態度で臨んだ議題があった。最近の高裁支部において抗告に対する判断が遅いのではないかとの議題が弁護士会側から高裁支部あてにだされたが,単にどのくらいが平均的なのかを尋ねるものであった。抗告審の判断が遅いというのは日頃,私の周りでも弁護士が話していたことである。高裁側からは6ヶ月ぐらいが平均的かといわんばかりの答弁がなされていたが,弁護士会側からは何の意見もだされなかった。議長であった地裁所長が,そのことを聞いて違和感があったのか下級審としてはできるだけ早く判断して欲しいと6ヶ月もかかっていることに不快感をあらわにしていた。さらに,東京高裁を経験してきた家裁所長からは,東京高裁では1ヶ月を目処に処理してきた経験が伝えられた。高裁支部では,異常に遅い状況となっているのではないかと思わされた。弁護士会のとった態度はあまりにも物わかりがよすぎたのではないかと思われた。岡山は「やりやすいところだ」と評価されるようになっていくのではないか。

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