企業献金

2009年6月29日

きょうは,明日にでも提出しておくべき準備書面を起案していた。既に尋問を終えてしばらく時間を経過していたので,なかなかまとまらず,資料をチェックするだけで午前中を使ってしまった。午後から書き始めたが,できたのは午後5時を廻っていた。訴状1件,労働審判申立書1件,調停申立書1件,告訴状1件が今週前半に仕上げておきたい残された仕事である。

今日,書いていた準備書面は商品先物取引被害に関するものであった。この種の事件は,現実に被害に遭った人でなければ,その深刻さがなかなか伝わらない。裁判所からみれば,どうせあなたも儲けようと思ってやったことでしょうなどと冷たくみられてしまう。しかし,被害にあって,具体的に取引を検討して実態をみれば,皆さんがどうしてこんな詐欺同然の取引が国の認可のなかで行われているのだと怒りを露わにしてくる。顧客保護のための多くの法律,規則,ガイドライン,自主規制規則などが整備されているがほとんど無視されているのが実態である。平和で平穏な生活を送っている家庭に,突然訪問したり,電話での勧誘で悲劇が始まる。こうした取引を呼びもしないのに勧誘するのは本来赦されるべきではないと不招請勧誘を禁止するなど,より規制を強化する商品取引所法の改正案が現在参議院にかかっている。私がこの種の取引被害の救済を手がけるようになって20年以上経過するが,被害の多発に法規制が強化される一方である。それでもほとんど改善されることなく被害を出し続けているのがこの業界である。

そんな業界から,自民党の有力な議員が迂回献金を受けていたことが先ほど報道されていた。当該議員は何の便宜も図ったことはないと言っているが,常に国会,行政の場で問題とされ続けていた業界である。なんらの意図がなかったことは決していない。現に,現在関連の法案が国会で審議されている。企業献金は,企業の役にたつからなされるわけであり,なんらの役にも立たないのに営利を目的とする団体が出費するはずがない。審議会の段階から業界の抵抗はかなり強い。こうして,民主主義がゆがめられている。

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