当番弁護士

2009年7月5日

5月21日から裁判員制度が始まった。これと時期を同じくして被疑者国選制度も始まった。新制度になって初めての当番弁護士であった。基本的には被疑者国選対象外の事件について当番弁護士の出動要請となる。しかし,,ソウでない場合も皆無ではない。また,法テラスから直接依頼の連絡がはいることもある。今回はシステム上,責任の軽い当番弁護士であり,幾分気分は軽かった。

当番弁護士の待機終了時間である午後4時ごろ,同じ当番弁護士から出動の要請電話があった。ほぼ,今日のお役目は無事終わったと思った直後の電話であっただけに,なかなか楽にはしてもらえないことを実感した。県警本部の留置施設に接見にでかけた。話していると普通かなと思いながらいろいろと聞いているうちに眼が左右に揺れていて,話しもちぐはぐになる。話していることがどうも要領をえなかった。その被疑者からは,弁護人は不要との明確な意思表示があったので,ほっとしたのだが,これからこの人に対してどのような調べがなされるのだろうかと思うと複雑な思いがした。帰りがけに担当留置官も意思疎通が大変だったでしょうと声をかけられ,やはりそうだったのかと思わされた。今日のところは弁護人としては何もできない。しかし,これが公判請求となれば,責任能力から問題となるのではないかと心配であった。

土曜日であったが,突然の相談がはいり,破産宣告申立事件を受任することになった。いつも面倒な事件をあわただしく紹介してくる市会議員の紹介事案である。費用がないとのことであったので,法テラスの利用について説明したが,法テラスが何かについての知識はその市会議員も依頼者もないようであった。私の事務所の下の階が法テラスの事務所である。それにしてもまだ認知度は低いようである。裁判の援助制度であるが,これに拠出される国の予算は諸外国と比べれば桁違いに少ない。法テラスが知られていないのはやむをえないのかもしれない。

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