弁護人も求刑,,,,

2009年8月10日

初めての裁判員裁判をめぐっていろいろな感想,意見がだされている。概ね積極的な評価である。そのなかで,検察官だけなく弁護人も求刑があってもいいのではないかの意見があった。今の裁判では検察官が求刑をいうと弁護人としては,執行猶予が相応しい場合はその旨を明確にいい,量刑の部分については検察官の求刑が重すぎる旨の意見に留めていることが多い。量刑は法的判断として検察官の求刑とそれに対する弁護人の意見を斟酌して裁判官が決めるものだという構造であり,弁護人から具体的に何年が妥当かということはいままでは特にしてこなかった。

しかし,裁判員裁判においては弁護人は,量刑の判断についても明確にその主張をすべきなのかもしれない。検察官とは異なる観点から,弁護人の考える具体的な量刑基準を示すことが裁判員に裁判を考えやすくするのではないかと思える。そうなると,弁護人の量刑基準もかなり責任のあるものとなり,このことは十分に研究が必要であると思われる。重罰化傾向のある現実の裁判のなかで,あるべき量刑を探ることは実はそう簡単ではない。だから,いままで,ほとんど具体的な弁護人からの求刑判断がされてきていなかったのだと思う。

裁判がわかりやすくなったというが,裁判員裁判の積極評価の意見の中心である。現実的には,裁判官が調書を裁判の場ではなく,裁判官の部屋のなかでじっくりと読んで判断していたのと異なり,法廷という場ですべてが審理されることになり,傍聴していてもわかりやすくなったのは事実である。調書裁判の弊害とされていたことがなくなっていくわけである。

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