続く労働仮処分事件

2006年11月25日

朝一番に、今日が提出期限となっている書面を高等裁判所に提出、労働仮処分事件の第3弾を本訴と併せて提出。これらの準備は昨日のうちにほぼ完了していたのだが、会社側から組合事務所を組合つぶしのために作った第2組合のために明け渡すよう請求してきたことが報告されてきたので、この事実を付け加えて提訴した。rnrnこの会社の経営者は、経営感覚も人権感覚もゼロの人たちである。業界のなかでも業績低迷している原因は、この経営者たちの無能にあると言って良い。まず、労働組合員をねらい打ちして、その職務が会社にとって不可欠な地位にいる従業員6人をその職務からはずした。この処分を争う仮処分の審理が進み、裁判所はかなり明確に会社側の処分は違法であることをいうようになると、その従業員に会社の業務にない営業活動を担当させておいて調査会社よる尾行をつけ、営業活動の状況をビデオテープに撮影して職務怠慢であるとあらたな処分をしようとする。裁判所が紛争を解決するために会社側に最後の説得をしているが、紛争を拡大する行動が続く。これが、第1弾の事件である。第2弾は、同じ会社で働く委員長の妻を強引に退職したものと処理したので、その行為の効力を争って仮処分手続きをした。これは、全く会社側に勝ち目がないことを裁判官も明言し、会社側は裁判官の強い説得でその審理の過程で解決の合意をすることができた。今日の第3弾は、組合委員長を8年前の出来事で処分し、社内で中枢的責任ある業務についているにも関わらず、その職を解任し、給与を一挙に10数万円減給してきたことを争うために本日の提訴となったのである。本来業務を行うについてなんらの責められるべき行為はないのに、単にどうやら組合がきらいというだけのことで動いているようだ。会社は誰のためにあるのか、岩波新書の新刊で同じ様な題名の本がでているが、よく考えてもらいたいと思う。第1弾の事件では来週裁判所が日程調整がなかなかつかないために異例の午前8時から審理をいれた。その裁判官の熱意も会社側には伝わらないようだ。本日の組合事務所を明け渡せとの新たな挑発に、解決の道は遠いことを感じた。私も怒りを覚える出来事であった。rnrnこんな事件を担当して血圧はあがる一方である。午前中はDVで離婚をしたが、離婚後もDVが続く事件の調停手続きがあった。事前の予測では相手方は出てこないということであったが、出頭してきて昼過ぎまでの調停手続きとなった。そのため、別の予定の法律相談は後日となったが、解決に向けての一歩となってよかったと思っている。さらに外国人の妻との離婚調停を受任し、この準備をした。国際結婚は、言葉も文化も違う難しさが一般的にあるが、特に東南アジア地区の人との婚姻は単に永住資格を取得するためだけになされている例もあり、問題は複雑である。この事件はどのように今後解決の方向に向かうか、検討すべき事情は多い。そして、高校生が担任との関係がうまくいかず、悩んでいるとの相談が入った。人権的観点からのアドバイスが欲しいとのことである。実は1年前にも母親から相談があった。学校現場での自殺の報道がいくつもなされていることを考えると、この相談の重みを感じる。もう1件、家事事件の相談があった。別居中であるが、夫はどうしても子供の親権者でありたく、離婚訴訟をしないで面接交渉の機会を確実に確保していく方法を選択している。妻側からも離婚の訴訟は起きないおかしな関係である。今後どう動くべきか孫の心配をする夫の母親とともに話を聞いた。こうしてマチベンの一日は種々雑多の事件が飛び交い、あわただしく過ぎていく。そしてきょうはスタッフたちへの給与の支払日でもあった。

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