訴訟とマスコミ

2007年9月1日

訴訟は本来こっそりと秘密にする。多くの場合,訴訟の当事者のプライバシーに属することが多く,あえて公にすることは差し控えられる。しかし,いったん訴訟になれば,その手続きは公開される。裁判の公開はこれまた憲法の要請だからだ。闇で司法が動くようなことはあってはならないし,いったん訴訟になれば,それはもはや完全なプライバシーの問題であるとも言えなくなるからである。

裁判の中には,積極的にこれをアピールしていくものもある。裁判自体が社会に与える影響が大きく,そのことを多くの人に知って頂くことが必要な場合や,多くの支援の声をあげてもらって裁判がいい結果になるように世論を形成したいと願う場合などである。こういうときは訴訟提起する方が社会的な弱者である場合が多い。

きょうは,有害物質で汚染された分譲地で生活する住民3名が,その分譲地を販売した会社を相手に裁判を起こし,これをマスコミに公表した。これは,住民の被害の実態をできるだけ大くの人に知ってもらって,宅地分譲者の責任を追及していくなかで,被害回復を図りたいという個人的な思いと,こうした責任を明確にすることによって,土壌汚染の問題点を明らかにし,今後の被害を発生させない対策をとらせていくという社会的な意義も考えてのことである。こうした裁判を起こすと被告ら大企業からはいろいろと嫌がらせを受けることがある。そんなことに負けないで訴訟を遂行していくためには社会の監視の目を必要とする。そんなこともあり,今回の訴訟提起はマスコミに発表し,公にした。こうした動きに被告側も機敏に動き,事前のあるテレビ局の調査報道が中止となったりもした。

この訴訟提起の公表は,訴状やその他の資料を添えて司法記者クラブで説明し,その後個別に問い合わせなどに回答する。今回の場合は,訴訟提起の日を事前に知らせ,原告と一緒に裁判所に持参することにした。こうすることによってテレビの報道として必要な映像が確保されることになる。そしてあらかじめ通知していた時間帯に原告といっしょに裁判所にでかける。それを裁判所の前でテレビカメラが待ちかまえていて撮影するということになるのである。裁判所にはいっていくまでのところは撮影は自由であるが,なぜか裁判所は中にはテレビカメラがはいることを許さない。そして,提出が終わった後に原告のインタビューがなされたがこれは裁判所の敷地内ではすることが許されていない。裁判所を背景にして敷地外の外の歩道のところでなされる。裁判は公開されているというもののこうした規制は厳しいのである。こうして,今日の提訴行動を終えた。それまでにいろいろと準備があったが,今日のニュースには流れたのだろうか。明日は新聞報道があるのだろうか。取材があっても記事にならないことも良くあることである。これから大変な厳しい裁判が始まることになった。

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