それぞれの負債整理

2006年9月28日

今日は一日中負債整理関連の仕事ばかりで過ぎた感じである。午後から3件の破産事件、1件の民事再生事件のために審尋などで裁判所へ、3人の負債整理に関してそれぞれ1件の債権者と示談書を交わした。さらに、1件については破産か民事再生か状況の変化に方針が定まらない。rnrn免責審尋のあったふたりは、内縁関係のある者であったが、人に頼まれてその人のためにクレジットの名義貸しをした。その頼んだ人は倒産し、クレジットを支払うためにクレジットで商品を購入して第3者に売却し、それで得られた資金で前のクレジットの代金を支払うという生活を続けていた。それでもなんとか支払いを継続してきていたが、夜、昼働く仕事の無理がたたり、病気となり仕事ができない体となってしまった。そうすると多額に組まれたクレジットはもはや返済不能となり、破産宣告の申し立てとなった。しかし、このような場合、免責不許可事由が存在し、免責は法的には原則的に不可能である。しかし、病気で今後の収入が見込めなく、支払不能の者に免責を与えなかった場合、この人の経済生活を再びやり直すことができない。裁判官もなんとか救いたいとの思いからいろいろと質問するが、法的には問題が大ありである。再度当方から、免責に関する意見書を作成し、裁判官に検討してもらうこととなった。このような事案にもときには処理しなければならないが、気の重くなる事件である。rnrn数ヶ月前、知人の息子さんがヤミ金にはまって相談があった。立派な経営者の方の息子さんで、事業の相談で息子さんとも以前会ったことはあった。やさしい誠実そうな好感のもてる青年であった。そのヤミ金の相談については今後一切の支払いをしないこと、ある程度の取り立ての電話には周囲にも理解してもらってしっかりと拒否することをアドバイスしたが、その時はあと1回の支払いなのでそれで終わりになるのなら支払って終わりにすると極めて安易な方法を選択した。それから数ヶ月後の相談であったが、その間にヤミ金の被害は拡大し、数件のサラ金からの借り入れもある程度の金額となっていた。うつろな眼差しでの再相談であった。精神的にも疲れ果てている状況となっていた。この人の最後の1社との示談ができた。これから3年間にわたっての支払いである。長いつきあいになるが、はやく精神的な安定を取り戻し、父親の事業の担い手となっていって欲しいと願う。ヤミ金は借りたお金も法的に返す必要はない。厳然と支払いを拒否しなければ、次々と支払いを強要してくるので要注意である。rnrn破産の宣告の準備をしてみれば、多くのサラ金からは過払い金の返還を受け、そのなかから残金のあるサラ金に支払っても残余がでるという事案で、残っていた1件の業者と過払い金返還の返還で合意ができた。本日、返還訴訟をおこすべく準備を完了した矢先の示談の成立である。この人の場合、結局のところ残るは住宅ローンだけであり、サラ金から逃れるために会社を辞めて一時身を隠していたがそんな必要は全くなかったことになる。rnrn処理する負債整理案件はこのようにひとつひとつドラマがある。中学校の社会科の先生の民事再生の開始決定もあった。生徒に同伴して家裁にきたことがあったが、自分自身がくることになるとは考えてなかったとのこと、これぞ生きた体験か。明日もまた利息制限法の再計算を事務がいくつもてがけ、示談書を何件か交わし、そのための電話交渉が続く。よくある最近の法律事務所の風景がわが事務所でも繰り返されている。命まで落としてしまうこともあるこうした被害を無くするには法的には当然であるグレーゾーンを無くすことが不可欠である。

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