最後の接見

2008年12月28日

今年最後の接見に行ってきた。今年9月に逮捕され、3回の起訴がなされて公判前整理手続きに付された事件である。逮捕当時から全面的な否認である。20日間の勾留が2回、3回目の逮捕のときは否認が続く中、ほとんど調べもなく10日間の勾留であった。これで、接見禁止がついているのだから、本人は精神的に相当にまいっている。年内には検察官側から証拠開示がなされる予定であったが、未だになされていない。否認なのでさしたる証拠もあるわけはなく、早く証拠開示をしてほしいものである。今の状況は、本人にとっては、刑罰の執行を受けているいる以上に苦しい状況にあるのではないかと思う。できるだけ、明るく本人とは接してきた。先行きのみえないなかでの私と話す以外誰とも交流のない状況で懸命に耐えている。自分を救うことができるのは自弁でしかなく、頑張るしかないことを伝えてきた。いつもの接見でそうなのであるが、接見が始まったときは沈んだ暗い表情になっているが、話しているうちに明るい表情jに代わって言葉が次々にでてくる。いまのところ弁護人の役割は、本人に希望をもって戦う意欲を持ち続けてもらうことができるように話をすることであると思う。それにしても、検察官側にそんなに証拠があるわけではなく、早急に開示をしてもらいたいものだ。この休暇中に証拠の検討をしようと思っていたが当てが外れた。

きょうは、長男がロサンゼルスから帰国してくる。数日間を日本で過ごす予定のようである。事前にメールで母親に肉じゃがと豚汁の注文があったようである。これがお袋の味なのであろうか。それほどよく自宅でつくった料理とも思えないが、懐かしいものなのかも知れない。外の子供たちは我が家のカレーを食べたいともいう。これは良く作っていた料理ではある。私にとってお袋の味といっては特に思いつかない。もう妻のつくる料理がお袋の味になってしまうのかも知れない。先日、両親のところに寄って大きな大根をもらってきた。そのとき、大根の料理「ふろふき」の話がでた。すり鉢で煮干しをつぶしたりして味噌に混ぜ、裏山で採れたゆずなどをいれて、さいころのように四角に切って煮た大根につけて食べるのである。そのすり鉢を動かないように持たされていた覚えがある。お袋の味というより、思い出とともにおもいだされるものである。見た目はちっともおいしそうではないが、これを食べるととても体が温かくなってきていたことを覚えている。明日は残りの二人の子供が帰ってくる。これで家族全員が揃うが、1日から仕事の入っているマスコミ勤務の二女、またロサンゼルスに戻る長男と30日には帰っていく。今年の正月は一足早くきて、一足早く過ぎていく。

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