哲学者としてのバッハ

2006年9月8日

岡山音楽祭の一環としてバッハの連続コンサートと公開ゼミナール「バッハの学校」が岡山市立オリエント美術館のエントランスホールで今日から始まった。妻がこの企画に準備の段階から関わっていたので私もこのコンサートのチケットを買い、初回コンサートを聴いた。rnrn紀元前1700年頃のものといわれているハムラビ法典(オリジナルはルーブル美術館)や2,3世紀ごろのモザイクなどが壁に掛けられている石造りの建物のなかでのコンサートであった。大原美術館で開かれる倉敷コンサートも同様であるが、展示作品の力に押され、悠久の時間的空間を意識させられながらのコンサートである。チェンバロの音はいかにもやさしくいにしえの音色でなでるがごとく、ヴァイオリンの音色は深く研ぎ澄まされた明確な主張と思索を促すような豊かさをもって強く響いていた。rnrn今日のコンサートはヴァイオリン・ソナタ・ロ短調のヴァイオリン、チェンバロの演奏であった。まずはオープニングで演奏を聴き、そして「哲学者としてのバッハ像」と題する丸山桂介氏の講演を聴いた後に改めて同じ曲を聴くという趣向であった。バッハの音楽の中に隠されている数字のコードを自筆の楽譜に残されていた84という数字をきっかけに読み解いていくという講演であった。宇宙の秩序をキリスト教の思索のなかで読み解き、伝えようという哲学者の姿を浮き彫りにしていった。ダ・ヴィンチ・コードのなかにもバッハはでてくるが、同様のコードを音楽のなかに表現している。宇宙、真理、、、そうした一つの内容をもつ数字は本当に美しいものだろう。ちなみにバッハは数字で表現すれば14となる。その14の数字はイエスに至る系図のなかで重要な意味を持っている。こんなことを考えさせられながらもう一度聴く演奏はたしかにオープニングで聴いたものとは深みが違って聴くことができた。このバッハの思索の場所であった教会のあるライプチッヒはドレスデンから電車で1時間ぐらいのところにある。

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