医療ADR設立シンポ

2009年8月30日

9月1日から岡山弁護士会に医療仲裁センターが発足する。これを記念してシンポジュームが開催された。医療の現場ですでにメディエーションを実施している関係者,厚労省の担当者,東京の医療ADRの責任者,これを支える研究者らが参加しての充実したシンポジュームであった。既に裁判自体が,紛争解決機関として判決をだすだけでいいのかという問題提起のなかで変化をきたしつつあるという指摘になるほどと思い当たることも多かった。この制度にどこに問題点があるのかそのことを真剣に考えさせてくれるものであった。

ところで,パネリストの一人とは29年前に岡山で開催された人権大会のシンポジューム「医療と人権」をテーマで「健康権」の概念を導き出し,提唱する作業をシンポジューム実行委員会の一員として担当したことをその方の指摘によって思い出した。まだ,医療現場での人権をどのようにまとめたらいいのか暗中模索の状況であり,「健康権」としての概念をたたいあげ,その中で自己決定権などを位置付けていった。まだ,インフォームドコンセントと言う言葉も一般化されていないころのことであった。実は,このシンポジュームの準備のために何度か東京で合宿をして議論し,その準備にあたっていた。その合宿場所がホテルニュージャパンであり,その後そのホテルは火事になって多くの死者をだした。今の赤坂にあるプルデンシャル保険のビルのあったところである。ここでの合宿からあまり時間のたっていない時であり,この火事を長男を医者に連れて行っていたときにその病院でこのニュースをみたと言う記憶がある。

そのこととは別に,この30年でこの分野の訴訟のあり方が大きく変化したこと,医療過誤訴訟のやり方にも変わってきたこと,何よりも紛争解決の手法としてADRができてきたことなどの情勢の変化の大きさに驚かされた。

衆議院選挙の選挙運動は本日で終わり。明日は投票日である。親子3代にわたる世襲議員を相手とする1区の民主党議員のマイク納めの最後の演説を聴いてきた。候補者はまだこれから日が代わるまで駅前に立ち続けるとのことであった。さて明日はどういう結果となるか。

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