シロップ

さっむいですね。
岡山市中心部ではお昼すぎに雪みたいなあられみたいなのが降りました。

「かき氷降りょうる」とメールしたら、
「シロップが仕上げにかかるから気をつけて!」と返ってきた。

詩を書かない人のほうがよっぽど詩人だと思った瞬間。
 
 
NHKの鞍馬天狗を観ました。
最近のNHKは、3Dのゲームみたいな時代劇ばっかり作りますね。
風林火山は顔も衣装もゲームっぽかったし、鞍馬天狗は刀の残像がゲームっぽい。
良純さんのお天気予報はちょっとウケました。
 
 
ところでまったくもって唐突すぎますが橘上氏がめっちゃくちゃ気になる今日この頃です。

矢印

黒鍵の押されて戻る五月闇 
 
桜桃忌知らない人と手をつなぐ
 
火取虫それは愛かもしれないし
 
まっさらな手首でかきまぜるプール
 
かさぶたのやわくなるまで水遊び
 
水着脱ぐ片耳はまだ水の中
 
夏蝶を留める休講掲示板
 
意地悪じゃなくてわがままパイナップル
 
曝さるることなき「球根栽培法」
 
ディエゴ・リベラのお腹みたいな西瓜割る
 
ひっくり返してかけざん青林檎
 
矢印の通りに歩く油照り
 
着信は十件白玉をゆでる
 
鉛筆と消しゴムの百物語
 
日に焼けて月刊少年ジャンプかな
 
 

黒鳥 秋季号(平成19年10月1日発行)掲載

 
 

誕生日

祖父の85歳の誕生日なので母がケーキを買ってきて「お」「め」「で」「と」「う」のろうそくを立てて家族で祝いました。
祖母(尿がパイナップルジュースのミヨシさんとしてお馴染み)は祖父と冷戦中なので不参加です。

祖父(半世紀前、職場句会に参加してた)に私の俳句を見せたところ、
「軽ーう作っとるとこがええ。
あんまり練らんのがええ。
練るばあしょったら粘り気が出るからなー」
と言われました。

 

回文だったのか!!

信頼は皆無と六日排卵し     井口吾郎

週俳2008新年詠より。
プロフィールを見るまで全く気付いていませんでした。
この句、回文なんですね……!!
ただのよくわかんない句だと思ってたよ!

回文作るだけでも難しそうなもんなのに「六日」っていう新年の季語がちゃんと入っている上にきっちり五七五におさまっててすごい。

【鑑賞】
「あなたのこと全く信頼してません。わたし今日排卵日なんです。子どもできますよ。子どもできても責任取る気ないでしょ。責任取るったって口先だけでしょ。あなたは信用できません。パイプカット?  あなたがそんなのしてるわけないじゃないですか。嘘ばかりつきよって。排卵日は本当ですよ。周期表見せてあげましょうか? だいたい六日ですよ。わたし明日から仕事ですよ。なんであなたを泊めないといけないんですか」

「週俳」2008新年詠を読む。

舞ふ猿にわつと泣き出す子供かな   青島玄武
泣いている赤ちゃんが目に浮かぶ。一瞬で猿より真っ赤な顔に。
正月のビーチをとんで雀かな     上田信治
ビーチに初雀。ハワイな気がする。ハワイに行きたい。ハワイに雀がいるかどうかは知らない。
三が日客を見てゐるインド人     岡田由季
インド料理屋。通りから見えるガラス張りの厨房。目が合うと手を振ってくれる。見ているはずの側が逆にめっちゃ見られてる。ぴりっとスパイシー。ちょっと毒。
新年の干支といえども逃がしません  お気楽堂
亥年も辰年もその意気で。
娘のすでに婚家の味となる雑煮    小野富美子
友達が暮に結婚した。mixi日記には手作りのおせち料理の写真が貼られていた。息切れしないか心配だ。
寝正月とはこの人のことを言う    神野紗希
家族? 親戚? 彼氏? それとも名前のつかない微妙な関係の誰か?
門松をちょっと直して家出せり    こしのゆみこ
すぐ帰る予定の家出。わくわくする。
獅子舞のビルの隙間に獅子を脱ぎ   近 恵
汗ばんで、軽く湯気が立つ。漢(オトコ)のエロス。
曳猿のやや着崩れてをりにけり    さいばら天気
正月用に和装系の衣装を着せられた猿。そう言えば猿ってたいてい「やや着崩れ」てる。大発見じゃね!?
みすぼらしき元旦のわたしなり    澤田和弥
みすぼらしき(日本の)元旦のわたし。
もうすでにはみだしてゐる今年かな  鈴木茂雄
今年になった瞬間から今まですでに時間が進んでいる。ダイエットしようと心に誓ったのに餅五個食った後に出前のピザも食った。はみだしている肉をなんとかしたい。
橙はテレビの下へ転げけり      そわもとあき
でもでもテレビの下は大掃除のときに掃除したから埃まみれになったりしないんですよーん。ふふふーん♪
七草粥第七官界彷徨         高橋洋子
尾崎翠は不幸なんかじゃなかった説を支持します。
窓枠に窓おさまりぬ寝正月      谷 雄介
カーテンは大晦日から開きっぱなしだったような気がします。
開閉のたおやかなりし姫始      津田このみ
戸なのか布団なのか口なのかジッパーなのかひきだしなのかコンドームの箱なのか足なのか性器なのかわからない。ちなみに私は何につけあたふた(ry
恵方とは反対へ行くお父さん     峠谷清広
来年は離れて住むかもしれないうちのお父さん。
忠実な語呂合わせある賀状かな    永井 誠
どうせあたしの人生語呂合わせなんだもん。と椎名林檎さんがおっしゃってます。
初空や黒船に塗る黒きもの      中村安伸
リア・ディゾンのウェット&メッシー。すごいゴージャス。
丁度よく疲れ双六始まれり      西川火尖
麻雀に疲れたおいちゃんやお兄ちゃんのところへ親戚の子どもが双六を持ってきた感じ。
十二月三十二日寝酒かな       野口 裕
二十五時とかいう表現はあるけど三十二日って!! 上手い。よく眠れますように。
初春の部屋着に部屋のにおいかな   宮嶋梓帆
水玉とか太めのストライプとか。フリルとかレースとかリボンとか。かわいい部屋着しか思い浮かばない。仕事着や普段着とは全く別に存在する部屋着というスペシャルなものに憧れる。
手毬子の影踏まれたり轢かれたり   谷口智行
新年の華やぎと、すぐ隣にある潜在的な恐怖。

週刊俳句2008年1月6日号、拙作も掲載していただいております。見てね♪

さだまさしに泣かされている三日かな

TVをつけたらさだまさしが「風に立つライオン」を歌っていました。
「風に立つライオン」は名曲です。
「償い」よりもむしろこっちがやばい。
最初に聴いたのは高校時代。
何度聴いても、やばい。

さだまさし、なんであんなに泣かせる曲ばっかり作るんでしょうね。
保守系なのはわかっているんだが、それでもいいもんはいい。
保守的すぎるところ、偏見に満ち満ちているところは、「んなわきゃあない」と突っ込みながら、それでもウルウルとして聴いてしまう……。

さだまさしで一番好きなのは、「まほろば」です。
「飛火野」「黒髪に霜のふる」などなど典雅な平城京ワードを挟みつつ、泥沼ラブの末期症状を歌い上げるこの曲。

遠い明日しか見えない僕と
足元のぬかるみを気に病む君

とか

君を捨てるか僕が消えるか
いっそ二人で落ちようか

とか

例えば此処で死ねると 叫んだ君の言葉は
必ず嘘ではない けれど必ず本当でもない

とか、ほんと言ってくれます。
あるあるソングだよね!!

初めて聴いたときから、駆け落ちするなら行き先は奈良と決めております。
どうかみなさん探さないでください。

COMMAND BAND PARTY vol.28

COMMANDの年末ライブ@デスペラード、大朗読から岩本さん、東井さんが参加。
我らウロボロス高校第三演劇部も出演させていただきました。
 

商店街でメイク。
表町の某化粧品店で購入したグリースペイントで白塗りにしています。
通行人の方にちらちら見られます。
白塗りになった顔でdesperadoまで徒歩2分。呪怨?
舞台袖でポーズ。ぐわし!!
 

大朗読でやったのと同じ詩(大狼藉)を保田悠詩・石原ユキオ・糸宇田iSU-Kの3人で読みました。
糸宇田君は白髪のカツラを付けていて、それがまたたいそう似合っていたのですが、撮影係だったので写真がない……。
ロッカーだらけの中に出ていって「セックスドラッグロックンロール!」だなんてひんしゅくを買うかと思いきや、皆さんとても温かく迎え入れてくださって感激しました。
「それではみなさんご一緒に!」って言う前から叫んでくれるの。言ったらもっと叫んでくれたの。
人の優しさに触れたよ……。
 

撮影:DAiSU-K

大朗読、おまけ。

大朗読での東井浩太郎さんの詩に「トム・ウェイツ」という名前が出てきた。
私はトム・ウェイツが何者なのか知らなかった。

「え!? トム・ウェイツ知らないの? 何のために生きてるの?」

と加藤健次さん。加藤先生はアルコールが入ると顔が近い。

「トム・ウェイツすっげえんだよ。世界で最も声が嗄れた人間だよ。風貌は東井さんにそっくりでね」

顔が近く感じるのはそのサイズゆえかもしれない。
遠近法、という言葉が頭をよぎる。

「ヴォエ゛ェ゛〜!! ってね。すごい声なんだ。
ヴォエ゛ェ゛★※%゛〜!!!」

この瞬間私は日本中の詩を読む人々に向かって叫びたかった。
みなさん!! 詩人:加藤健次がモノマネをしていますよ!!!

一般的に大朗読と呼ばれている大朗読は仮の大朗読で、真の大朗読は二次会の中盤から始まる、という説がある。
今回も真の大朗読は激しかった。

第16回大朗読に関するメモ

12月22日(土)大朗読 in 未完成
お客さん少なめ。雨と四土がなかったことと年末が原因と思われる。

以下敬称略で思いついたことをメモメモ。

▼河邉由紀恵
「桃の湯」シリーズ。
何故か郡さんがバックでカリンバを弾いていて、(※前は河邉さんの娘さんが弾いていた)それが妙に面白かった。桃の湯のある町はすべてがスローモーションで動いているような気がする。

▼郡宏暢
「デリバリーヘルスメーター」
“風俗で10万円使うより7万円の太宰全集を買う方が変態的” というようなフレーズがあった。
いまや7万円で太宰全集を買うのは、エヴァンゲリオンのフィギュアを初号機・綾波・アスカ……と10万円分買うより変態的なのかもしれない。シャア専用携帯を買うよりは確実に変態的だ。
郡さんの詩にはヒトヅマの色気を感じる。人の夫(つま)でヒトヅマ。
ただ、こういう萌えを共有できる仲間が大朗読の客層にはおそらくいない……残念だ。
大正・昭和テイストが好きで文学者の愛人になってみたいと思ったことのある女性(あるいは男性も)、郡さんの朗読を聴くためだけに大朗読に行っても損はしません。

▼加藤健次
「foot in the door」(←違ってたらごめんなさい)
一文がいつまでも終わらず粘り強く続いていく。
加藤さんが新聞の勧誘をしたら強いと思う。
「女が広島風に焼けている」ってすごい。お好み焼き風であり、原爆風であるわけで。
隣で聴いていた三上先生(俳人)がとっさにメモをとったのが見えた。

▼東井浩太郎
「時代遅れの世界」
郡さん、私が参加して、三人での朗読。
三人とも微妙に演技派なのが可笑しい。
即興がたいへん苦手でして、
「もうしゃべることはない!」
とばかりにクッキー齧ってしまいましたが、楽しかったです。

▼岩本文秀
三島由紀夫の人生を語るパフォーマンス。
この方には、所謂「詩」を書こうという、それを朗読しようという意識がはじめからない。そこがいい。「由紀夫」の幕を一刀両断にするところがカタストロフになるから、少々長過ぎるのもOKみたいな感じなのかと思う。でももうちょっと削ってもいいような。

▼秋山基夫
秋山先生は読者(あるいは聴衆)に強迫観念を植え付けることができる数少ない詩人ではないだろうか。あれは私にしか効かないのだろうか。そんなことないと思う。「現代詩手帖買いなさい」と言われれば買わなければいけないような気がするし、駄洒落を言われれば笑うほかない。長い詩を読まれれば黙って聴かざるを得ない。ちゃんと聴いていないと何か恐ろしい目に遭うような気がする。
今回はベースとのコラボレーション。本番前にベーシストのお兄さんに「僕が興奮したら興奮してね」とおっしゃっていた。先生ったら、もう。ベースのリズムに乗って部分的には歌うように読み、しかし歌いすぎない、リズムに乗りすぎない、メロディを作りすぎない、のが、たぶん天然なんだけど上手い。すごい。

いま、私にモテが来たのか

今日こそはウロボロス高校第三演劇部のネタをまとめます。
練習日まで一週間切ってしまったので、なんとかします。

今度はドリカム編成というか、いきものがかり編成というか、女男男でにぎやかな感じです。

大朗読は12月22日(土)です。
 

日経WOMANが「夢をかなえる&強みが見つかる!書く!技術」っていう特集組んでて、書くことで自分の気持ちが整理されるってなことをほざいているわけですが、書くことでより混乱する馬鹿がここにいます。ふはははは!!! バリキャリどもにこんな芸当はできまい!!!
 

これでも高校時代はバリキャリになる予定だったんだよ……。(遠い目)
 

ところで先日、友達の結婚式に出たら、かわったことがありました。
新郎の友人の方から新婦経由でお食事のお誘いをいただいたのです。
ひょっとしたらこれが人生最大のモテ期なんでしょうか。
んむむ。