【岡山市中区門田屋敷】礼法室のある中学校/俳枕DIY(第1回)

礼法室みんなで雑に障子貼る  石原ユキオ

地元の中学校はわたしが小学校高学年になる頃には窓ガラスがあらかた割れ校庭を原付が爆走し廊下を自転車が行き来するマッドマックス(1979)もかくやの世界となっていた。両親と祖父母と塾の先生に心配されたわたしは中学受験をすることとなり、門田屋敷にある中高一貫の女子校の入試説明会に放り込まれた。パンフレットや過去問をもらい、学校生活や入試の内容についての説明を聞き、そのあとで礼法室という障子のある広い和室に移動して茶道体験をした。お茶菓子はグラデーションのきれいな紅葉の形の練り切りだったのを覚えている。実際にはそこには進学しなかったのだが、もし進学していたら礼法室の障子を張り替える日もあったのだろうか。
「障子貼る」は秋の季語。昔は冬が来る前に障子を張り替えていたらしい。