あたしいんわんだーらんど

 
お姫様もうお目覚めの時間です断頭台が待っていますよ

ポストからあふれるピザの広告とピンクチラシとすこしの賀状

なぜかきゅうに飯田有子に師事したい「まずは歯ぶらしの持ち方からよ」

ガス点検(それは本当?)肩越しにのぞきこんだら真っ赤な軍手

ふとっちょのヴァンパイアくんを撫で回し唇に押し込むにんにく卵黄

生きながらウールのタグをつけられたあわれなメリノ種の羊です

洗い物している母の意外にも小さな尻は薔薇柄である

うめあわせするよときみはいうのですほらまたもぐらがほりすすんだよ

人波に流されながら半額の手帳を買った二月一日

あたしいんわんだーらんど出廷の朝はドレスを着ているつもり
 
 

VJ President feat. BYTE-kun @Club Bebop

 
胃薬をペプシコーラで飲み下すVJブースに差し込む朝日

星形の光が壁を駆け巡り眠るあなたの右手に落ちる

鮮血の色のソファから起き上がりまた踊り出す少年少女

午前六時のフロアに揺れるぼくたちのためにいまこそ回せスリラー

日常が無限にループしてたころと同じ顔してるよ社長、いま

オールの朝の奇跡のひとつまりちゃんの少しも崩れてないその美貌

ひとりずつフロアのひとがへっていく土曜の朝がねむりはじめる

おそろいの眼鏡のぼくらをくもらせてぬくもらせてよスターバックス

マスターがついに全裸になりましたBebopから七時をお知らせします

マスターにパンツをはかせるバイト君パーティはまだまだ終わらない
 
 

雨を呼ぶ舞台女優と大事件を呼ばない記者と五月の桜

マルグリット・デュラスっぽい絶望に行き当たるまで三十年近くかかったのです。
へんなの。

きょうはアルコールの作用から解放された昼すぎからのろのろと起きだして、買物、昨晩放置した自転車の回収、カフェで知人の原稿を読み、帰宅してウェルカムボード制作の準備と下書き。

初夏ですか。
生足でミニスカートはまだ寒かった。高校生なら普通の格好ですが、どうしてあれで平気な顔をしていられるのだろう。不思議です。たぶん、わたしは平気ではない顔でした。

やばい眠い。

フリーペーパー配布なう!

4月11日、C.T.T.OKAYAMA上演会vol.2終了後、
あやか・愛子・ユキオの三人がカフェに延々居座り、
その場の勢いでフリーペーパーを作りました。
「オンナノクカイリアル。2010.4.11@EXCAFE」
各自が版を持ち帰っているので、松山の方はあやかちゃんに、岡山の方は愛子ちゃんかユキオに声をかけて手渡しでもらってね!!
(ユキオ発行所からはひよこ色の紙に印刷してお渡ししてます。)

3人となかなか接触できない方、ご安心を。
何部かEXCAFEさまに置かせていただいてます。
入り口のところになかったら、少女漫画のようなマスター(長髪。背中に薔薇背負ってる系)に「ユキオのフリーペーパーない?」って聞いてみてください。

☆郵送もいたしますのでお気軽にお申し付けください。
(A4用紙一枚です。立派な冊子は期待しないで!!)
☆万が一ご要望があればPDF版での配布も検討します。

 

赤穂線がテロに遭うかと思った

おまえが前向きな発言をするのはきっと死亡フラグだと言われて。
 
それでも赤穂線は無事に走る。
 
C.T.T.一回目はほぼ完全に黒子でした。
二回目は高校生の台詞を横取りして無理矢理出演。
わたしは自分にも他人に対しても甘いのだが、
高校生に対してはどれほど厳しくしていいか計りかねている、まさにわたし自身の甘えが出てしまったようです。
 
コンセプトの部分ができてない。はい、その通りです。
文芸部なら、俳句作品そのものの推敲やシナリオの読解に時間をかけるべき。はい。そう思います。
 
ただ、クオリティを上げる作業より優先しなければいけない、鮮度を優先しなきゃいけない部分もあって、そもそも企画自体をつぶすぐらいなら仕上がりが雑でも実行しなければいけない。じゃないと次へ行けない。それも事実だと思う。
 
あとは、高校生自身がどれだけ主体的に関わってくれるか。
 
若い子に遊んでもらうのは、なかなかたいへんです。
 
観にきてくださったみなさん、共演者、スタッフのみなさん、ありがとうございました。
ほんとは世界をわたし用にカスタマイズしたいだけなんです。
悪いけどつきあってね。
 
 

盆梅が職員室にあって邪魔

体育館の裏側に呼び出して告白、というような儀式はいまも行われているのだろうか。
行われているといい。
魔女狩りを逃れた民間信仰のように、ひそかに息づいているといい。
 
高校の制服を久しぶりに風にさらしながら、わたしのなかのいくらかのぶぶんがまとまって失われたある期間のことを思い出す。
 
「ままごとみたい」という言葉には、きっと悪意はなくて、そのおとなからしてみれば体育館裏の告白を好ましく思う現在のわたしと似たような心持ちだったに違いない。
しかしながら当時の女子高校生はそのひとことに傷つきもし、また挑まれたようにも思ってしまった。
 
十八歳とはそのような年齢である。
 
われら、おおいにこの世に悪を為そうよ。
 
 

コンプライアンス

 
コンプライアンスの面で問題があります部長とえっちするのは

費用対効果についてご納得いただけましたら抱いてください

祟ります七代後の石原もきっとあなたのことがすきです

なぜ彼氏ごときに嫉妬しているのあなたにはおくさんがいるのに

まっとうなOLだからCFP目指しててAFはNG

転ぶ前の伴天連みたいな顔をして改札口でキスしてくれた

くちあけてきみを待ってるときのかおで星降るはずの空を見上げる

十字架がついてる系のしまむらの服はやめろよ三十だろう

餅は好きだけどぎゅうひは嫌いって言い出せなくて笑顔で食べた

渋滞にかかったバスで聞いている女子中学生たちの恋バナ

岡山の中学生のスカートはくるぶし丈がいまでも普通

ストローを噛んで四角くしてるのに誰も叱ってくれない夜だ

「交通費だよ」ってにまんごせんえんおなかのうえに出されてしまう

この道を歩いていけば元彼の家だけどもうバスが来ちゃった

「逝きたい」を相殺できる「イきたい」でどうにかこうにか生きていきます

晩秋のバスは峠でため息をついて三人程度吐き出す

奥様と同じ名前のみゆきです切羽詰まれば呼んでください

鞄もろうて喜ぶような女には見えんじゃろ残るもんはいらんよ

名刺入れは避妊具ケースに丁度いい「どうぞよろしくお願いします」

着信の夢に飛び起き二度寝したせいで眠いし声が聞きたい

網タイツの脚が六本交差する最終電車のボックス席に

帰したくないはしたいの意味だってわかってるからしてから帰る

見た目より軽い女性は体脂肪率が極めて高いものです

口紅が落ちた真っ赤な唇で水をいっぱい飲んで終電

明け方の夢は別れた男たち総出演のクリスマス会

きっとこの雨で滲んで届くだろうみかんの国に宛てた手紙は

いつの日かころりと落ちる赤玉よ妻ではなくてわたしに当たれ

NORADの皆さんこれが日本のサンタガールのお尻です 見て

北風が目にしみたんじゃ泣いとらんほらもう早うズボン上げねえ

いろいろとごめんねいつかかねもちになってあなたをかいしゃごとかう

人間は故障する

どうもどうもこんばんは。
どこかの部品が外れるまで原稿依頼を決して断らない方針(らしい)石原です。
(断らないのが普通だ、当然だ、何様のつもりだ、世の中なめんな、と罵られた経験あり。)

出し惜しみするのが持続可能な開発じゃないのよ。
ばっさばっさ間伐して里山を育てる感じで。
という比喩が妙にポジティブで嫌です。
疲労だな、これは。

最近嬉しかったのは、推薦入試の面接を受けに行ってる高校三年生が、九州からメールをくれたこと。
「明日の面接で俳句のこと話すから、俳句見てください!」
って、九州に着いてから作った三句を見せてくれた。
こっちはこっちで移動中で、新幹線の中から返信しました。
出張だったのでね。

どうじゃー。仕事しとるっぽいじゃろー。

もう「石原さんって仕事してるんだっけ?」とは言わせません。

(でもほんとはちょっと嬉しい。生活感ないって言われるの)

「ごあんない」と「ごめんなさい」はすこし似ている

「俊読」のときに朗読した内容に関してご案内。

前半:谷川俊太郎さんの「七五の歌」を一連読むごとに自分の俳句を一首読む。
ブログの右側の「俳句」って書いてあるところを片っ端から開いていくと、
「白タイツ」とか「オーシャン」とか「新・都ホテル」が見つかります。
「七五の歌」は手元にある「谷川俊太郎詩集」(角川文庫/昭和五十七年)から。

後半:自作「三谷と花粉症」の間に谷川俊太郎さんの作品を挟む。
谷川作品を「営業トーク」として紹介してしまう大変失礼なネタです。

三谷に関しては、非常にしつこくブログに書いてます。

・去りゆく三谷と花粉症
・三谷と花粉症の復讐
・三谷と花粉症の後遺症
・三谷と花粉症と事務所移転

三谷幸喜は普通に好きですが、読みあさったり観あさったりしてるわけではないです。
「ザ・マジックアワー」は呼吸困難になるぐらい笑いましたが。
たぶんルックスが好きなんだと思う。

俊読に出演しました

 
年の瀬に告知した京都クラブメトロでの「俊読」、無事に終了しました。
 
たいへん失礼な振舞いもいたしましたが、
桑原滝弥さんにイジられ、谷川俊太郎さんに笑って許していただき、
京都のお客さんたちに「おもしろかったよ!」って声をおかけいただき、
我がポエム人生でいちばん熱いステージとなりました。
 

 
「不良after」のときよりもなんだかフェミニンな雰囲気だった、詩人の河野宏子さん、
すーっごいパワフルな弾き語りガール永尾蕗子さん(お誕生日おめでとう!)、
声の安定感と適切なツッコミを見習いたい! 詩人の豊原エスさん、
セクシーお姉さんとみせかけて実はめっちゃ面白いベリーダンサーのNuraさん、
真っ白い衣装でライブペインティングした書家の川尾朋子さん、(声!吐息!飛沫!)
みんなすっごいかっこいい!!
 
やめれん、と思いました。
 

 
イベントの内容とは直接関係ありませんが、
谷川さん桑原さん以外の出演者が全員女子で、
本番前に楽屋で化粧直しや衣装の着替えが始まる時間の、
なんだか妙に華やいだ感じがよかったです。
(もちろん私も舞台用のお粉でばっちりテカりを押さえたさ!)
岡山でも女子だらけの朗読会やりたいな。