コンプライアンス

 
コンプライアンスの面で問題があります部長とえっちするのは

費用対効果についてご納得いただけましたら抱いてください

祟ります七代後の石原もきっとあなたのことがすきです

なぜ彼氏ごときに嫉妬しているのあなたにはおくさんがいるのに

まっとうなOLだからCFP目指しててAFはNG

転ぶ前の伴天連みたいな顔をして改札口でキスしてくれた

くちあけてきみを待ってるときのかおで星降るはずの空を見上げる

十字架がついてる系のしまむらの服はやめろよ三十だろう

餅は好きだけどぎゅうひは嫌いって言い出せなくて笑顔で食べた

渋滞にかかったバスで聞いている女子中学生たちの恋バナ

岡山の中学生のスカートはくるぶし丈がいまでも普通

ストローを噛んで四角くしてるのに誰も叱ってくれない夜だ

「交通費だよ」ってにまんごせんえんおなかのうえに出されてしまう

この道を歩いていけば元彼の家だけどもうバスが来ちゃった

「逝きたい」を相殺できる「イきたい」でどうにかこうにか生きていきます

晩秋のバスは峠でため息をついて三人程度吐き出す

奥様と同じ名前のみゆきです切羽詰まれば呼んでください

鞄もろうて喜ぶような女には見えんじゃろ残るもんはいらんよ

名刺入れは避妊具ケースに丁度いい「どうぞよろしくお願いします」

着信の夢に飛び起き二度寝したせいで眠いし声が聞きたい

網タイツの脚が六本交差する最終電車のボックス席に

帰したくないはしたいの意味だってわかってるからしてから帰る

見た目より軽い女性は体脂肪率が極めて高いものです

口紅が落ちた真っ赤な唇で水をいっぱい飲んで終電

明け方の夢は別れた男たち総出演のクリスマス会

きっとこの雨で滲んで届くだろうみかんの国に宛てた手紙は

いつの日かころりと落ちる赤玉よ妻ではなくてわたしに当たれ

NORADの皆さんこれが日本のサンタガールのお尻です 見て

北風が目にしみたんじゃ泣いとらんほらもう早うズボン上げねえ

いろいろとごめんねいつかかねもちになってあなたをかいしゃごとかう

人間は故障する

どうもどうもこんばんは。
どこかの部品が外れるまで原稿依頼を決して断らない方針(らしい)石原です。
(断らないのが普通だ、当然だ、何様のつもりだ、世の中なめんな、と罵られた経験あり。)

出し惜しみするのが持続可能な開発じゃないのよ。
ばっさばっさ間伐して里山を育てる感じで。
という比喩が妙にポジティブで嫌です。
疲労だな、これは。

最近嬉しかったのは、推薦入試の面接を受けに行ってる高校三年生が、九州からメールをくれたこと。
「明日の面接で俳句のこと話すから、俳句見てください!」
って、九州に着いてから作った三句を見せてくれた。
こっちはこっちで移動中で、新幹線の中から返信しました。
出張だったのでね。

どうじゃー。仕事しとるっぽいじゃろー。

もう「石原さんって仕事してるんだっけ?」とは言わせません。

(でもほんとはちょっと嬉しい。生活感ないって言われるの)

「ごあんない」と「ごめんなさい」はすこし似ている

「俊読」のときに朗読した内容に関してご案内。

前半:谷川俊太郎さんの「七五の歌」を一連読むごとに自分の俳句を一首読む。
ブログの右側の「俳句」って書いてあるところを片っ端から開いていくと、
「白タイツ」とか「オーシャン」とか「新・都ホテル」が見つかります。
「七五の歌」は手元にある「谷川俊太郎詩集」(角川文庫/昭和五十七年)から。

後半:自作「三谷と花粉症」の間に谷川俊太郎さんの作品を挟む。
谷川作品を「営業トーク」として紹介してしまう大変失礼なネタです。

三谷に関しては、非常にしつこくブログに書いてます。

・去りゆく三谷と花粉症
・三谷と花粉症の復讐
・三谷と花粉症の後遺症
・三谷と花粉症と事務所移転

三谷幸喜は普通に好きですが、読みあさったり観あさったりしてるわけではないです。
「ザ・マジックアワー」は呼吸困難になるぐらい笑いましたが。
たぶんルックスが好きなんだと思う。

俊読に出演しました

 
年の瀬に告知した京都クラブメトロでの「俊読」、無事に終了しました。
 
たいへん失礼な振舞いもいたしましたが、
桑原滝弥さんにイジられ、谷川俊太郎さんに笑って許していただき、
京都のお客さんたちに「おもしろかったよ!」って声をおかけいただき、
我がポエム人生でいちばん熱いステージとなりました。
 

 
「不良after」のときよりもなんだかフェミニンな雰囲気だった、詩人の河野宏子さん、
すーっごいパワフルな弾き語りガール永尾蕗子さん(お誕生日おめでとう!)、
声の安定感と適切なツッコミを見習いたい! 詩人の豊原エスさん、
セクシーお姉さんとみせかけて実はめっちゃ面白いベリーダンサーのNuraさん、
真っ白い衣装でライブペインティングした書家の川尾朋子さん、(声!吐息!飛沫!)
みんなすっごいかっこいい!!
 
やめれん、と思いました。
 

 
イベントの内容とは直接関係ありませんが、
谷川さん桑原さん以外の出演者が全員女子で、
本番前に楽屋で化粧直しや衣装の着替えが始まる時間の、
なんだか妙に華やいだ感じがよかったです。
(もちろん私も舞台用のお粉でばっちりテカりを押さえたさ!)
岡山でも女子だらけの朗読会やりたいな。

ずんずんどこ

バーゲンに行って安い服を買い漁らねばならぬ、と思うものの、闘志がいまいちわいてきません。
とりあえず、ワコールのブラジャーとパンティのセットを二組買っただけ。
某番街ではバーゲンにもかかわらず、おねいさんがフィッティングしてくれるのが嬉しい。
森奈津子的意味合いではなく、普通に嬉しい。
最近、下着の選び方が保守的になりがち。
よくない傾向であります。

ドゾクデマラ三世のおはなし

中東にかつて君臨したというドゾクデマラ三世のおはなし

後宮に世界中から集めたる出っ歯味噌っ歯入れ歯の美人

家臣らは喜捨と呼ぶらし端女の睫毛の上に王がすること

一世は偉大二世は人気者三世は爽やか笑顔でドS

金色の三瘤駱駝に今日はどの妻を乗せるかドゾクデマラ三世

家臣たち髭付き合わせ議論する「スルタンは萌えキャラか否か」

ドゾクデマラ三世がふとつぶやきし「にゃぶい」の声は神託に似て

黄金の三瘤駱駝よりもなおまばゆき第一夫人の前歯

先王のマントをこっそり羽織ってみて余った裾が治世の長さ

血まみれの写メなど送りつけてくる大工の息子は王の親友

後々まで語り伝えよドゾクデマラ三世は小岩井よつばを愛す
 
 

 
「ドゾクデマラ三世のおはなし」は2009年8月〜9月にかけてtwitter上でつぶやいた短歌です。

断るけえ岩井志麻子になれんのじゃ原稿依頼とHの誘い

皮をむいた状態でストーブの前などに置き忘れて、何時間か経った、薄皮が紙のようにかぴかぴのみかんを噛んだら中がじわっとジューシー、という瞬間を愛してやまない石原です。お疲れ様です。
お屠蘇酔いしないうちに新年の出没情報をお知らせしておきます。
 
01.23 sat  6:00pm 開場/7:00pm 開講 → 9:30pm 終講予定
メトロ大學2010
『俊読〜shundoku〜』
 
出演者:
谷川俊太郎 / 桑原滝弥 / 豊原エス(詩人)
/ Nura(ベリーダンス) / 川尾朋子(書家) / 石原ユキオ(俳人)
/ 永尾蕗子(弾き語り) / 河野宏子(詩人)
 
「この国の子供たちは皆、この男の詩を読んで大きくなった。」
1948年の詩作開始以来、
2000編を超える膨大な量の作品を世に送り出し、
児童書・教科書から専門書、
果てはポルノ雑誌までフォローするほど多岐に渡る作風で、
誰もが一度は触れたことのある谷川俊太郎の詩の世界。
この現代日本を代表する詩人の作品を、
タイプの異なる現在注目の詩人/アーティストたちが、
それぞれの解釈/方法で大胆なる再生に挑む。
ラストには本人も登場する、大人気朗読イベント『俊読』が
2010年メトロ大學へ登場!
 
ということで、俊読に出演します。
(チケット完売だそうです!ありがとうございます!ギャボン!)
持ち時間、10分ぐらい。
満員のお客様と巨匠を前にキョドりまくる石原をたっぷり堪能してください♪
 

げんき?風邪引いとらん?

ちょびっとおひさしぶりです。略してちょびさしぶりです。順調に意気沮喪中の石原です。
佐々木あららさんに絶賛されました。びっくりした。心臓が止まったのでえら呼吸してます。え? 無理ですか? 心臓止まったらえら呼吸も無理ですか。もういいです。石原は只今留守です。メッセージはauお留守番センターに「石原さん、クリスマスプレゼントなんでも買ってあげるよ」っていう形で残しておいてください。ふらふらと出てきますよ。待ってるから。
 
12月26日は大朗読@スペースMIKANSEI。午後五時から。千円握りしめてきたらビールが飲めて朗読が聴けておまけに飛び入り朗読までできてしまうという。しかもMIKANSEIでやるのはこれが最後。
来た方がいいと思う。ね。是非とも。
高校生は受験シーズンのため参加不可能とのことで、「都会のトナカイ」再演は諦めて、ピンで何かやります。頑張ります。たぶん、頑張れると、思います。
 
どうせ私は、見下し気味に「面白いな」って言われたいだけなんです。
 
この病気は治らん。

ボジョレー・ヌーボー

とびきり浮ついた感じの、人気漫画のラベルとポップがついてるやつを買いました。
母が、ポリフェノールを摂りたいと言うので。
 
試飲コーナーはアラサー・アラフォー女性のひとだかり。
推奨販売のお姉さんは試飲のお世話に忙しい。
思いのほか香水臭くない集団に根性で分け入って、やっとこさ二銘柄飲み比べ、空気中からアルコールをたっぷりと摂取し、ふあふあと温かい身体でバス乗り場へ向かいました。

そこへ。
「お嬢さん」
と呼び止める人が。
 
「お嬢さん、ピアノの生演奏が聴けるような店を知らんかな」
 
浮浪者というにはさっぱりとしすぎている、しかし堅気ではない、贅沢な暮らしぶりをしたあとにどっと落ちぶれたような、やせ形で、目鼻立ちのはっきりした初老の男性でした。
「このあたりでは存じ上げませんが」
「どのあたりなら知っとるんかな」
「倉敷にはジャズバーみたいなところがありますよ。ライブやってる」
「ほおか。まあ座りんさい」
「いえ、母にワインを買って帰るところなので」
「少しでいいんだ」
男は自分の腰掛けているベンチを叩きました。
指には金の指輪。
指輪の下の皮膚に、指輪と同じように指に巻き付いている、青黒い線が見えました。
「楽器では何が一番好きかな」
「……バンドネオン」
「バンドネオン。あれはええな。アルゼンチン行ったとき弾かせてもらったんだ。ラ・クンパルシータ」
「それでは私はこれで」
「ラ・ラ・ラ・ラ・ララララ・ラ……踊りたくなる。名曲だ」
「……むかし踊っていましたよ」
「ポルテーニョかな?」
「いいえ、おかやまっ子です」
 
家へ帰って母にワインを注ぎました。
一口飲んだ母は軽く咳き込んで、
 
「ぬくうなる」

と言いました。