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歌会のアンチハラスメントポリシーを紹介します

StockSnapによるPixabayからの画像

Sisterlee寄稿の件と情報提供のお願い のあと、ハラスメント防止の取り組みをしている歌会について何件か情報をいただきましたので紹介します。

▼神保町歌会

神保町歌会ではアンチハラスメントポリシーが2020年2月13日に策定されています。
参加者には事前に目を通してもらっているとのことです。

ここいいな! と思った点を紹介します。

  • 「参加者の誰もが楽しく、安心して集える場を維持するため、策定されました」「誰もが経験や立場に関係なく、楽しくまっすぐに短歌に向き合える場所として維持していくために、ポリシーを定めました」と策定の目的が明確に示されている。
  • 「批評の範疇を逸脱する性的なコメントや、参加者のプライベートな事項を憶測し、踏み込むような発言」が禁止されている。これは短詩型文学の批評においては本当によくあるやつ!「わたしは作中人物じゃないですよ?」の缶バッジが必要なのは作品の内容にかこつけて作者のプライベートに無駄に踏み込む発言が多いからなんだよー!
  • ハラスメント行為に「加担したり、擁護したりすること」も禁止。これ大事。「あのひとは悪気があってやってるんじゃないんだよ」ってよく聞くでしょう? それ禁止です。(あと、悪気の有無は関係ない。たいていの迷惑行為は悪気なくなされるし、たいていの差別は差別ではなく単なる区別だと言い張るし、たいていの戦争は正義の名の下に行われるんだから。)
  • 「不適切な行為を受けたり、判断に迷ったとき」は、「近くの運営スタッフに声をかけてください」「DMやメールでお知らせいただいてもかまいません」と、スタッフが対処してくれる旨が書いてあるので安心感が強い。

▼南極歌会

南極歌会は大学生に向けた歌会の場。神保町歌会版を改定する形でアンチハラスメントポリシー策定したとのことです。「南極歌会は所属や学年などに拘らず全国の学生同士が歌会等の活動を通して交流できる場を提供することを目的として作られました」と歌会設立の目的が入っている以外はほぼ、神保町歌会のポリシーを踏襲した内容です。
ハラスメントというと年配の男性から若い女性に向けられた行為をイメージしがちですが、大学生の男性歌人から女性歌人にセクシャルハラスメントが行われた事例(ずいぶん経ちますが未解決ですよね?)もあるので、学生の参加する句会でこういったアンチハラスメントポリシーが掲げられるのは意義深いことだと思います。
教育の現状を考えると、たぶん高校までは「セクハラ」って単なる冗談のネタで、自分の行動が「ハラスメント」になる可能性なんて考えないと思うんだ。

ところで、以前紹介した現代俳句協会IT部が策定したインターネット句会利用規約は2020年10月20日なので、もしかしたら神保町歌会の取り組みが現代俳句協会にも影響を与えたのかな、と思ったりしました。
現代俳句協会インターネット句会の利用規約はインターネット句会での主催側の権限(迷惑行為を行った参加者の利用拒否や登録抹消)や投稿作品や選評の著作権はどうなるか等、いろいろなことが書いてあって、一部にハラスメント防止の内容が含まれています。いろいろ盛り込んであるせいで、読みたくなるか、読みやすいかという点ではちょっと疑問。「参加者全員にしっかりと目を通して遵守してもらう」というより、「必要なときに必要な部分を確認する」「トラブルが起きたときに対処するための根拠」というような役割の方が大きいのではないかと思いました。

これに対して神保町歌会・南極歌会のアンチハラスメントポリシーは平易な文で短く、目を通してもらいやすい。そこがとてもいいと思います。

なんかこの流れ、現代俳句協会をサゲることにより神保町歌会・南極歌会をアゲているようですが、飽くまでハラスメント予防という観点においてのみ評価しています。そもそも文字ベースのインターネット句会と対面やZOOMの歌会、不特定多数が参加するインターネット句会とある程度参加者の限られた歌会、というふうに条件はまったく違うので単純に比べられるものではないのは承知しております。
ごめんよー! 現代俳句協会が協会全体としてアンチハラスメントポリシーを出してハラスメント相談窓口を開設したらそのときはちゃんと宣伝するから!

実は、短歌に関しては、結社がハラスメント相談窓口を設けているケースもいくつかあるようですが、実際に稼働しているかどうかは結社に入っていない立場からはまったく見えない状態なので敢えて紹介することは控えています。

・相談しやすいような工夫はあるのか(相談した側が結社にいづらくなることはないか)
・開始以来、何件くらいの相談が寄せられたのか
・相談に対してどのように対応したのか、解決されたのか
・結社のメンバーが結社外の人物にハラスメントを行った場合、対応してもらえるのか

など、聞きたいことはいっぱいあるのですが、プライバシーにも関わることなので結社外には発表しない内容なのかもしれない。結社誌には報告が載ってるのかな?
おそらく、ちゃんと稼働しているとは思うのですが!
安心したいので!
「相談窓口あってよかったな〜!」というお話があれば教えていただきたいと思います。

さてさて。最後にちょこっと次回予告。
当方、俳句コミュニティから離れすぎており俳句の情報があまり入ってこないので、意を決して、お返事をくれそうな団体の方に「ハラスメント防止の取り組みをなさっていたら具体的に教えてください」という内容の問い合わせメールを送ったところです。
少し先になるかもしれませんが、お返事が届いたらこのブログで紹介しようと思っています。

というわけで、引き続き情報提供お待ちしてます!
ishiharayukio■gmail.com

※ 男性から女性への発言だけではなく、女性の言動がセクシャルハラスメントになるケースも十分あります。わたし(シス女性)自身、過去に「イケメンですね」「太った?」「痩せた?」等、互いの関係性や相手の気持ちを考えず口走ったことがあり、深く反省しております。

Sisterlee寄稿の件と情報提供のお願い


インターネットとフェミニズムに関するウェブマガジンSisterlee俳句生活安全缶バッジに関する記事を寄稿しました。どういった経緯で缶バッジを作ったのかわかりやすくまとめていますのでまだの方はぜひご一読くださいね。

俳句コミュニティにフェミニズムの視点を。私が「俳句生活安全缶バッジ」を作った訳

ツイッターではいろんな反響がありました。
好意的な意見もありますし、ハラスメント防止は大事だけど缶バッジの文言自体には抵抗を感じる、という立場の人もいる(うん、めっちゃわかるよ)。わたしの記事から考え始めたのにいつの間にか藁人形を叩いているひともいる。

ただ、わたしがどこか期待していた反応が返ってきていないなと思いまして。

「うちの句会(歌会)だってハラスメント防止の取り組みをしています! なんで子連れ句会だけ取り上げるんだ! そうやっておともだち同士で誉め合ってろこのあんぽんたんがーーーーーッ!」

という怒られが発生してほしいと思っていたのです。
そしたらさ、

「もっと! そこを!! アッピール!!! してください!!!! 大事なことなんだから!!!!!」

って言えるじゃないですか。
ハラスメント防止の取り組みって「ハラスメント防止の取り組みをしています」と大々的に言うことが大事だと思います。それだけでハラスメント予防になる(なんでもかんでもハラスメント扱いしやがってけしからん! なんていう歪んだ考え方のひとが向こうから避けてくれる)し、参加を検討しているひとの安心感につながる。わたしからも安心しておすすめすることができる。

ところがどっこい!
いまだに「うちだってやってます! ぷんぷん!」系のリプライが来ないんですよね!
敢えて言うならsororiさんが「現代俳句協会インターネット句会 利用規約」でハラスメント防止を掲げていることを教えてくれましたが、その一件のみなんです……。

うそだろ……ほんとはみんな宣言とか規約とか書いて持ってるけどあんまり周りに知られてないだけなんだろ。だって句会歌会結社協会連盟…って日本中にいっぱいあるもん。もっとあるでしょ。ガンガン来てくれ。外に向けて大声で言ってくれ。

ということで、
「句会のサイトにこんな規約を掲げています」「結社誌にハラスメント撲滅宣言が載ってます」「実は相談窓口があります」といった情報をお待ちしています。可能ならURLや画像など、具体的に確認できるものを添えてほしいです。口頭での案内をしている場合にはメモとかでも。自分の参加している会以外の情報もぜひお寄せください。
連絡先:Twitter @yukioi

Sisterleeをきっかけにプチバズった勢いに乗じてよい取り組みを紹介したいです。
誉めるぞ。誉めたい。誉めさせてくれ。

現俳協のインターネット句会の利用規約にしても、作るの、すごく大変だったと思うよ。飽くまでハラスメントや法的な問題についての素人のわたしが見てだけど、よく考えてくれてると感じる。

「性的な関心を引く行為(作品及び選評を含む。但し、文学上のエロスはその限りでない)をしてはならない」

これは「性的な関心」「文学上のエロス」の定義で揺れるかもしれないけど、必要な曖昧さだと思う。性的な句をすべて禁止するなら姫始めの句も消えるものなあ……。

「ジェンダーを強く意識させるコンテキストで、個人や作品を誉めたたえたり貶したりする行為をしてはならない」

ここはつまり女性的なハンドルネームを持つひとが「そんな男性的な句ではなく、女性にしか作れないような句を作ったらどうですか」「女性らしい柔らかな作風ですてきですね」などと言われなくて済むということだ。すばらしい。これ、いい視点だからいろんな句会で導入してほしい。

ということで、まだわたしの目に入っていないすばらしい取り組みをどんどん教えてください。造った仏に魂を注入しようじゃないか!

【文學界8月号】川野芽生さんの文章に登場してるよ!

文學界8月号「ファッションと文学」という特集で、歌人の川野芽生さんのエッセイに俳句を引用していただいてます。
めっちゃ嬉しい。夢かな!?
お手元にココシャネルが表紙の文學界がある方は106ページを開いてご確認をお願いします!

『文學界』2021年8月号

『文學界』2021年8月号です。プイプイ!

「この言葉をあなたが読まないとしても」と題してファッションがモチーフとなっている短歌を紹介されているのですが、一緒に引用されているメンバーを紹介すると、田丸まひるさん! 野口あや子さん! 平岡直子さん! ここに入れてもらっていいのか石原の俳句! このメンバーでバンドを結成するとかじゃなくてよかったと思う。プレッシャー半端ないですよ。このメンツに加わるのは。全身に血豆ができるまでタンバリンを練習しなければいけなくなるところだった……。

閑話休題。
かわいい服が好きだからかわいい服を着ているだけなのに、恋愛対象として見られたがっているように誤解されて苦しんだ大学時代の川野さん。セクシュアルハラスメントを行ってきた相手が卒業してようやくファッションやメイクを楽しめるようになったそう。そして昨年ついにロリィタ服を着るようになったという話からの流れで、田丸まひるさんの

わたしにはわたしを生きる意味がある BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 田丸まひる『未来』2020年9月号

に続いて

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 初詣 石原ユキオ

を引いていただいたのですが、一足早く文學界8月号を手に入れた友人からの「ユキオさんの俳句でファッションが登場するものといえば!」というヒントからこれ一句かと思っていたらこの句を含む「ロココごごろ」という連作から何句も紹介していただいており、正直自分の俳句がここまで丁寧に読み込んでもらえるということがまったくの予想外で、わたしに憑依したひともどこかでびっくりしていると思います(憑依現象については過去の記事をご覧ください)。コミカルな部分を指摘されがちだったけど、その裏にある抑圧まできちんと読み取ってもらえるとは。すごい。

「この言葉をあなたが読まないとしても」川野芽生

「この言葉をあなたが読まないとしても」川野芽生

ものを書いていると、というか生きてると、こういうことがあるんですね……。
引用されてる他の方の短歌もすごくいいし、

わたしはうつくしいものが好きであり、そのうつくしさは世界に自分を贄として捧げるためではなく、世界に背を向けるためにある、という宣言を、旗印のように掲げることができる。

とか痺れるフレーズに満ちているのでぜひ読んでください。

ところで、

わたしにはわたしを生きる意味がある BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 田丸まひる

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 初詣 石原ユキオ

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 臣下みな解き放ちたる姫としてゐる 川野芽生

と、少なくとも現時点で3回も短歌や俳句になってるBABY, THE STARS SHINE BRIGHTすごいな!(コムデギャルソンで3つ即座に思いつく? なくない!?)

U-24限定!俳句生活安全缶バッジプレゼントキャンペーン

若い世代にちやほやされたい一心で24歳以下の方限定のプレゼントキャンペーンを実施します!

まじめな話、わたしのことを知ってくださっている方って30代以上が多いと思うんですが、若い世代の方にもわたし(たち)がどう悪戦苦闘しているか知っていただき、これからの活動の参考にしていただきたい。

文芸コンクールなどで「高校生らしさ」「青春性」を求められたことはありませんか?
作品について批評するのではなくあなた自身の容姿について言及されたことはありませんか?
恋をしなければいい作品が作れない、または恋をしたら作れなくなる、という呪いをかけられたことはありませんか?
10代〜20代の頃に受けがちなそういった差別やハラスメントはこの缶バッジの成立背景と地続きの問題です。

あなたはひとりではありません。きっとあなたの近くにも、あなたの受けた不当な扱いに一緒に憤ってくれるおとなはいます。この缶バッジにいいねと言ってくれるひとは多少は頼りになるタイプだと思います。

U-24限定告知バナー

▼応募期間
2021年6月12日〜2021年6月30日

▼応募資格
応募時点で24歳以下、なおかつ何か創作活動(俳句、短歌、現代詩、漫画、写真、各種二次創作等ジャンル不問)を行っている方。作品発表の有無や頻度などは問いません。

▼賞品
1等 俳句生活安全缶バッジコンプリートセット(1名)
2等 俳句生活安全缶バッジ「女流って呼んだらコロス」「わたしは作中人物じゃないですよ?」各1個(4名)

▼選考方法
抽選(あみだくじ)

▼当選発表
ブログ及びツイッターでは個人の特定できる当選発表を行いません。何を創作している方に当たったかジャンルのみ紹介し、7月2日以降に賞品の発送を行います。
当選者の方はSNSで「当選したワーイ! 」という報告をしていただいてもいいですし、しなくてもOKです。

▼応募方法
下記のGoogleフォームに必要事項を入力してください。簡単なアンケートつきで、所要時間3分から10分くらいだと思います。アンケート部分は入力しなくても応募できます。

U-24限定!俳句生活安全缶バッジプレゼントキャンペーン 応募フォーム

▼個人情報の取り扱いについて
本キャンペーンにご提供いただいた個人情報は賞品の発送に関わる連絡以外には使用いたしません。

 


*俳句生活安全缶バッジについて

*石原ユキオ店(BOOTH)

#俳句生活安全缶バッジ について

俳句生活には危険がいっぱい!
安全で快適に過ごせるよう、お守りみたいな缶バッジを作りました。

2021年5月下旬よりBOOTHにて頒布いたします。

俳句だけではなく短歌・川柳・その他の文芸、イラストや漫画など含めて創作をする方の生活に役立てていただければ幸いです。

▼女流って呼んだらコロス

「女流って呼んだらコロス」缶バッジ 空色・黄色

「女流って呼んだらコロス」

男性の作家が「男流」と呼ばれることはないのに女性は「女流」と呼ばれてしまう(この状況に対抗して90年代には『男流文学論』という本が発表されました)。多種多様な女性の作家を無理やり女流という流派っぽい枠組みに押し込めて安心しようとする愚行はもう終わりにしてほしい。しかし悲しいかないまだに「女流」という言葉を見聞きしてしまうのが俳句の世界。この缶バッジで女流という言葉にとどめを刺しましょう。
「女流」と呼ばれたことのないひとも「私の推しを女流だなんて呼ぶな!」という気持ちで身につけたり、セクシャルハラスメント全般に反対する気持ちの表明として身につけたりしてほしい。
「コロス」だなんて物騒な、とお思いの向きは「コロス」をギリシャ劇のコロスのイメージで捉えていただければよろしいかと存じます。

▼わたしは作中人物じゃないですよ?

「わたしは作中人物じゃないですよ?」缶バッジ 桃色・黄色

「わたしは作中人物じゃないですよ?」

随筆や私小説を書くように俳句を書くひとがいるとしても、はじめから作中人物と作者を混同してかかるのはとっても迷惑です。作品をダシに私生活を詮索されたくない。そもそも作中人物(あるいは語り手)を単純に作者として捉えてしまうのは読み方として浅すぎるのではないでしょうか。この缶バッジは豊かな読解を提案します。
より多くの方に身につけていただけるようフォーマルでジェンダーニュートラルな「わたし」を用い(怒鳴り散らしたい気持ちをぐっと抑え)語尾は丁寧な表現にしました。

※基本的に同じメッセージの2色セット販売です

最小単位は「女流セット」「作中人物セット」それぞれ2色セットとなっております。4個コンプリートセットはちょっとだけお得です。
(理由1)店主がバラ売りをめんどくさがったため。
(理由2)おそろいのメッセージの缶バッジを親しい誰かに1個プレゼントして創作にまつわる困りごと話すきっかけにしてほしいから。
(理由3)めっちゃかわいいし全デザイン買えばよくない?! という強い気持ちから。

石原ユキオ商店 店主敬白