ZINEスタイルの句集を作りました。
架空の映画の鑑賞文とその映画をモチーフにした俳句をまとめた12ページの薄い冊子です(といっても、成立の順を厳密に言えば、俳句が先にあり、それから映画の内容を考えました)。
架空の映画ネタといえば、BL俳句誌『庫内灯』を思い出して懐かしいと思ってくれるひともいるかも。
このZINEには、「架空映画」以外に、もうひとつコンセプトがあります。
俳句の世界は家父長制的で、男女二元論で、異性愛中心主義で、中央集権的です。世間一般以上に保守的です(アンチハラスメントポリシーを作ってくださいという意見にすら猛反発が起きるレベルです)。
俳句の読解はマジョリティ側に合わせて行われることが多いし、マイノリティの書き手であってもマジョリティの価値観を内面化して作っていたりする。
北海道や沖縄の書き手が季節感を江戸や上方の季節感に合わせて書くのはままあることでしょう。同様に同性愛者であっても異性愛の価値観で書くことが行われる。俳句は文字数が少ないから、世間の常識を基準に読まれるのは仕方ないというような諦めがあるのかも。
この慣習におとなしく従うのは癪なので、ささやかな抵抗として『虹と指サック』にはひじょうにわかりやすくマイノリティ記号をちりばめました。
でもほんとうは、たとえマイノリティの記号が入っていない俳句であってもマジョリティの価値観に沿った読みをする必要はないのです(『共有結晶』や『庫内灯』のころからこんなことばかり言っている気がしますが、今後もきっと言い続けることでしょう)。
頒布の予定ですが、おかやまZINEスタジアムというイベントでライター・都市鑑賞者の内海慶一さんのブース「型板ガラスの世界」に委託します。最初の5冊はおまけ(指サック)つきです。委託の都合上しおりに指サックが結びつけてありますが、紐は切って指サックとしおりに分けて使うのがおすすめです。
●おかやまZINEスタジアム●
開催日:2025/3/2(日)
開催時間:11:00〜16:00
会場:旧内山下小学校 体育館および校舎1階
〒700-0823 岡山県岡山市北区丸の内1丁目2−12
通販も予定していますので、準備が整いましたらお知らせします。
(2025年3月2日追記)
架空ストアで取り扱っていただけることになりました。(2025年3月3日19時〜)
架空映画鑑賞句集「虹と指サック」