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文芸同人北十『砂時計』第5号寄稿してます #文フリ札幌

2023/7/9(日)開催・文学フリマ札幌8にて頒布開始の『砂時計』第5号に寄稿しています。

「創作と表象」をテーマとした特集に「俳句に憧れる八歳の女の子のためにーー俳句におけるはたらく女性の表象について」という題で文章を書かせてもらいました。

『砂時計』第5号表紙

わたしは女性として生まれ育ち(実感はさておき)いまも女性として生活しています。小説、映画、ポップスの歌詞や広告などにおける「女性」の描かれ方には違和感を覚えることが多く、俳句や俳句評論でも「女の扱いがひどすぎんか?」とたびたび感じてきました。今回の文章ではそういった違和感やむかつきをエネルギー源にしつつ、特に労働する女性の表象に焦点を絞り、次のような俳句を紹介しました。

酌婦来る灯取虫より汚きが 高浜虚子

 →超有名句ですが読むたびに新鮮に腹立つ。

炭俵かつぐ乳房を縛されて 菖蒲あや

 →菖蒲あやさんは小節のきいたブルースだよね。

母という脱げ易きもの夏木立 花森こま

 →「母」の描き方として発表された当時(1995年)としては異色だと思う。

銀漢や女所帯の編集部 松本てふこ

 →この句については神野紗希さんの『女の俳句』での評が納得できないぞ! ということを書きました。

薔薇ピンクイエローのり子美容室 岡田一実

 →かわいい。めでたい。好き。

ちなみに「俳句に憧れる八歳の女の子のために」というフレーズは、『オーシャンズ8』という映画の「これは私のためでもあなたたち自身のためでもない/この世界のどこかで犯罪者を夢見る8歳の少女/彼女のためにやろう」という台詞に由来しています。

世の中を変えていくのは容易ではないけれど、みんなで壁を少しずつ殴ったり削ったりして小さな罅を入れていけば、いつかはぶっ壊せるに違いないのです。わたしの文章は、先人の作った罅のそばを狙って打った小さな小さなハンマーの一撃にすぎないけれど、それでもきっとつぎの誰かの戦いの一助になるだろうと信じて書きました。(激重!)

文フリ札幌に参加される方は【お-25】北十のブースにてぜひお求めください。北十のウェブショップからも入手可能です。

『俳句四季』8月号に寄稿しています。

『俳句四季』2022年8月号「誰もが安心できる句座のために #MeTooのその先へ」と題した特集に「俳句生活安全缶バッジに込めた思い」という文章を寄稿しています。

ふだんからわたしを知る方には「またその話か」という内容だと思いますが、紙媒体に載って普段ならぜったい届かない相手に届けることができて(届いてるよな!?)よかった。

高松霞さんと山本千晶先生の対談は、「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」の冊子やnoteで伝わりにくい部分を補足するような内容になってます。

執筆者それぞれがそれぞれの切り口で短詩界隈のセクハラ問題について書いていて、特集全体として充実した内容だけに、基礎的な用語解説とかあった方がよかったのかな、ということもちょっと思ったりしました。

セクシャルマイノリティ関係に関しては明石市のウェブサイトがわかりやすいのでおすすめです。

LGBTQ+/SOGIEの基礎知識

俳句誌『豆の木』No.26

ha11ok from Pixabay

俳句誌『豆の木』No.26(2022年5月31日)に「加害者にならないために プロジェクト『短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために』に応えて」という佐々木紺さんの記事が掲載されている。
高松霞さんのプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」の報告書・要望書・パンフレットが豆の木にも届いたという報告および、俳句とセクハラに関するかなり親切な解説や紺さん自身が日々気をつけていることなどが書かれている。

想像してほしいのだが、自分が加害者の立場になって、知らず知らず他人にハラスメントを繰り返して、ある日突然ものすごく糾弾されてたくさんの人に恨まれながらコミュニティを追い出されるよりも、まだ傷が浅いうちに「それはまずいよ」「あ、ごめん、良くなかったね、次から気をつけるわ」っていうやりとりをできるほうがはるかにマシではないですか??

とか、「ほんまそれほんまそれ」と言いながらヘドバン不可避です。
が、現状としては、結社の偉い人ならかなりのやらかしをしても周りが「そんなつもりじゃなかったと思うよ」とか「お酒の勢いでちょっと距離感誤ったんだよ」とか守ってくれて被害を告発した側が去るしかないみたいな現状もあることないですか…? セクハラが原因で追い出されるとしたらそこまで有名じゃない人だろうなとは思う。つら…。

ポリシーや窓口を形だけ作るだけでは意味がなく、頻繁にポリシーの中身をアナウンスしたり、窓口が健全に機能しているかさらにチェックするような仕組みも必要になるだろう。

ここもすごく大事だと思います。
作った仏に魂を入れようぜ。

目次

紺さんの記事の後には代表のこしのゆみこさんの「句会で加害者にならないために」という小文、そして豆の木メンバーの「ハラスメントについて思うこと」が11人分、匿名で載っている。
匿名のうちのひとりの意見は、

「ハラスメント」「ハラスメント」という言葉が巷を闊歩するにつれ、わたしは居心地が悪くなり、人に対する不信感が募る一方。

というものすごいフレーズを含んでいて(いや、ここ以外にも全体がものっすごいのでぜひ読んでほしいのだが)まるでフェミニストの作家が家父長制どっぷりの年配の男性になりきって書いた小説みたいで、ハラスメント対策の教材としてかなりいいです。皮肉ですが本気です。ここから学べることは多いよ。
わたしは読んでショックも受けたけれど、おそらく「豆の木」代表としてはこの意見が誰から出たものかわかっているはずで、こういう考えのひともいるから要注意、と代表の方がよく把握してくれているという点では安心材料だ。可視化されてよかったと思いたい。
なお、ここで寄せられている意見の全体の傾向としてはハラスメント対策の必要性を認める方向であったことも申し添えておきます。読んでみたい方、直接代表やメンバーの方にお問い合わせください。

Haiku Group 豆の木

缶バッジの向こう側に ~クラウドファンディング「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」によせて~

「俳句生活安全缶バッジ」をリリースしたのが2021年5月。ちょっぴりお高めの価格設定(+送料)にもかかわらず、赤字にならず、すこし余力がもらえるほどご購入いただきました。その余力で24歳以下の方向けのプレゼント企画を行ったりもしました。ツイートで賛同を示してくださる方も多かった。SNSで話題になるだけでなく俳句総合誌・結社誌・新聞のコラムなどにも取り上げていただき、たいへんありがたく思っています。

ただ、すこし気になることもあってね。

紙メディアでわたしの缶バッジを紹介していただく際、もう一歩進んで、現実にどんな状況でどんなセクシャルハラスメントが行われたか、現実に被害に遭ったひとがどうなって、いまどんなことを考えているのか、そういった話題につながることはほとんどなかった。缶バッジがこれだけ支持されたのは実際に短歌・俳句などに携わるひとの間でセクハラや、法的にはセクハラと認められないような小さな侮辱の数々があるからだ。缶バッジの向こう側には生身の被害者がいる。そこに目を向けてほしいのに。

なんで現実の被害の話までもっていってくれないんだろう。
実例を調査して紹介するのは難しいから?

いや、その難しいことをすでにやってくれているひとがいるじゃないか。高松霞さんの「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」のアンケートだ。2019年の3月から始めたアンケートは2021年9月の募集締め切りまでに110件の体験談と感想が寄せられた。体験談は二次被害を防ぐため個人が特定できないような編集を経てnoteで公開されている。この高松さんのnoteを併せて紹介してくれればいいのに。

わたしの缶バッジは、ユーモアまじりの威嚇で、ふんわりした問題提起で、短詩型文学界隈のセクハラ問題の解決に直接的に働きかけるものではない。かわいらしい応援団みたいなものだ。
対して、当事者の声を集める高松さんの活動は渾身の力で真っ直ぐに投げ込まれた豪速球だ。
むしろまっさきに紹介しなければいけないのはこういう直接的な活動であるはずだ。

え、待って。
もしかして、だから、ですか。
だから、みなさん紹介することをわざと避けているのですか。
自分の所属する結社が、協会が、セクハラの責任を問われて解体されてしまいそうな気がするから腰が引けてるんですか?
この活動に支持を表明したらあなた自身が干されるかもしれないと思ってびびってるんですか?
まあそれでも時代に取り残されてるダサい奴だと思われたくないから、わたしの缶バッジだけ紹介して、ハラスメントやジェンダーの問題に理解ある姿勢をアピールしているのですか……!? お、お前ら! 利用しやがったのかうちのかわいい缶バッジを……!

と、わたしの中の活動家人格がおもむろにヘルメットを装備して火炎瓶の製造を始めるのだが、そんなときには羽根を背負って頭の上に蛍光灯を灯した穏健派のわたしがやってきて「そんなことないよ。セクハラ体験談のことはまだ知らないか、たまたまうっかり忘れてたか、文字数が足りなかったか、次の機会に紹介しようと思ってたかだよ」となだめてくれるので「ですよね~♪」と気を取り直し火炎瓶のかわりにキャンドルを灯してクリスマスシーズンを楽しんでいます。

ところで今日の本題はクラウドファンディングのことです。

高松霞さんが2年間かけて行ったアンケート調査「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」の最終地点としてのクラウドファンディングが行われている。このプロジェクトは下記の3点を全国の主要結社に提出することを目標としている。

(1)「報告書」110件の体験談とご感想をまとめたもの(非掲載希望、連絡先未記入は除外)

(2)「要望書」セクハラを許さないという姿勢を口頭ではなく書面で示して欲しい、そして専門窓口を作って欲しいという二点。回答期限は送付から1ヶ月後に設定し、noteで公開します。

(3)「パンフレット」これまでnoteに掲載した記事をまとめ、基礎となるガイドラインに書き直したもの。今後、配布しやすいもの、手に取りやすいものを、と考え、パンフレットという形をとりました。監修はジェンダー法学者の山本千晶先生です。山本先生には、活動当初からご助言をいただいています。また、まえがきにクラウドファンディングで制作した旨を明記します。

(2)は特に、受け取る側にしたらめちゃくちゃめんどくさいだろうと思うよ。それでもすごく大事なことだから、各結社は最大限の誠意を見せていただきたい。この回答一覧はこれから結社所属を検討するひとたちにとっての良い判断材料になるだろう。

クラウドファンディングの締め切りは1月20日。期限内に30万円の目標金額を達成した場合のみ決済が行われる “All-or-Nothing方式” だ。つまりわたしやあなたが財布を開いて30万円集めなければこの計画は前に進まない。せっかく集まった体験談なのだから、いままでセクハラ問題に目を伏せてきたひとにまでちゃんと届けられるような形になってほしい。

セクハラ体験談に関する活動を知っているのは、短詩の人々の中のほんの一握りです。私たちだけの間で「セクハラがあるんだね」「気をつけようね」と言い合うだけではじゅうぶんだとは思えません。セクハラがあるという事実に、各結社はどのような姿勢を示すべきなのか、一緒に考えていただきたいし、答えていただきたい。また、自分や身近な人が自覚のないままハラスメント加害者にならないように、もしハラスメントが起こったときには早い段階でお互い注意しあえるように、価値観をアップデートする手助けをしたいと考えています。(短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために 高松霞/READY FOR

アンケート調査としてはここが最終地点だけど、実際には短詩型文学の分野からセクハラをなくしていくための長い長い旅の最初の一歩だと思う。その一歩をできるだけ多くのひとに一緒に踏み出してほしい。金銭的な支援は1000円から可能だし、SNSでの紹介や句会・歌会で口頭で話題にすることも支援になる。みんなそれぞれ可能なやり方で支持を表明してね。俳句総合誌・結社誌・新聞その他、各メディアでぜひ取り上げてください。

同意できなさと連帯について

高松霞さんの「短歌・俳句・連句の会でのセクハラ体験談」に関連して書かれた坂西涼太さんの「創作活動とサステナビリティの視点からみるハラスメント問題」という記事を読みました。

同じ問題に関心を持っているにもかかわらず、同意できない部分が多かった。

坂西さんは「自分用にまとめたメモ」と前置きした上で

  1. 一般的視点から:ハラスメント対策を講じることが結社・団体のサステナビリティにつながる
  2. 個別的視点から:ハラスメントによる民事上のリスクは個人的な活動のサステナビリティ問題である
  3. まとめ:ハラスメントの結果として活動終了する個人や団体が存在することは損失

という内容を書かれているのですが(ざっくりした要約ですみません。実際の文章はリンク先をご確認ください)持続可能性をベースに人権問題を扱うことには忌避感があります。※1

人権は尊重されなければならない。それには理由はない。傷つけちゃだめだから傷つけちゃだめなんだと言いたい。
個人の権利が守られた結果として社会が持続可能になることはたしかにあるかもしれない。これはたとえば、貧富の差が少ない方が凶悪犯罪が起きにくいとか紛争が起きにくいとかそういうことだよね。

でもこれを結社にあてはめられるのかどうか、ハラスメント対策が結社や団体の維持のために必要かどうか正直わたしはわからない。※2
それから「個別的視点」についてはセクハラで訴訟を起こす大変さを思うとどのくらい脅し文句として効くのか疑問。

とはいえわたしは坂西さんに対して「お前さんはなーんもわかっとりゃせんのう!」などと文句を言いたいわけではなく、こういうのは考え方の違い、問題の捉え方の違いであって、さしあたりなにも問題はない。批判するつもりはない。

坂西さんのメモは、組織を維持していく側のひと、つまり結社の主宰にハラスメント対策を講じるメリットを説明する視点で書かれている文章のように感じられる。だからわたしにはピンとこないということもあるのだと思う。組織にいた経験が実質ないからね。でも、こういった視点で説得したほうがわかってくれる相手もきっといるのだろう。

わたしと坂西さんは考え方が違うけれど「ハラスメントは許さない」という点においては問題意識を共有できている。この一点においては連帯できる。むしろそこに希望を感じた。

いろんなひとがいろんな視点でハラスメント問題に関わって、それぞれの言葉で発信していくことが大事なのだと思う。どんな言葉が誰に響くかわからないから。


※1 SDGsの掲げる目標の中には「ジェンダー平等」や「人や国の不平等をなくそう」などもあるわけで、わたしがSDGsをちゃんと理解できてないからそう思うのかもしれません。

※2 だってさー。SMや昼ドラみたいな搾取と愛憎にまみれたドロドロの師弟関係もあるじゃないですか。そっちのほうが組織を維持できるのかもしれないと考えてしまう。わたしはハラスメントのない結社にする方向でお願いしたいけど「ハラスメント対策したほうが結社の維持につながります!」と自信いっぱいには言えない。「結社の維持に繋がるかどうかは知らないけど人間を傷つけてはいけないのでハラスメント対策してください」としか言えない。あとついでに「SMプレイは他人に見えない場所でやってください」も言いたい。

#俳句生活安全缶バッジ メディア掲載情報

『俳句四季』2021年10月号
「忙中閑談」のコーナーで、野口る理さんの「ただ俳句だけ作っていたかったけれど」と題した随筆にてご紹介いただきました。

俳句雑誌『雪華』2021年10月号
鈴木牛後さんの「余音(よいん)−雪華集を読む(八月号より)−」で「わたしは作中人物じゃないですよ?」バッジをご紹介いただきました。

東京新聞2021年10月16日夕刊
外山一機さんの「俳句のまなざし」でご紹介いただきました。

▼『丘ふみ游俳倶楽部終刊記念句集』
中山奈々さんに「缶バッジ」という随筆でご紹介いただきました。

短歌雑誌『心の花』2021年11月号
佐藤博之さんの時評にてご紹介いただきました。


歌会のアンチハラスメントポリシーを紹介します

StockSnapによるPixabayからの画像

Sisterlee寄稿の件と情報提供のお願い のあと、ハラスメント防止の取り組みをしている歌会について何件か情報をいただきましたので紹介します。

▼神保町歌会

神保町歌会ではアンチハラスメントポリシーが2020年2月13日に策定されています。
参加者には事前に目を通してもらっているとのことです。

ここいいな! と思った点を紹介します。

  • 「参加者の誰もが楽しく、安心して集える場を維持するため、策定されました」「誰もが経験や立場に関係なく、楽しくまっすぐに短歌に向き合える場所として維持していくために、ポリシーを定めました」と策定の目的が明確に示されている。
  • 「批評の範疇を逸脱する性的なコメントや、参加者のプライベートな事項を憶測し、踏み込むような発言」が禁止されている。これは短詩型文学の批評においては本当によくあるやつ!「わたしは作中人物じゃないですよ?」の缶バッジが必要なのは作品の内容にかこつけて作者のプライベートに無駄に踏み込む発言が多いからなんだよー!
  • ハラスメント行為に「加担したり、擁護したりすること」も禁止。これ大事。「あのひとは悪気があってやってるんじゃないんだよ」ってよく聞くでしょう? それ禁止です。(あと、悪気の有無は関係ない。たいていの迷惑行為は悪気なくなされるし、たいていの差別は差別ではなく単なる区別だと言い張るし、たいていの戦争は正義の名の下に行われるんだから。)
  • 「不適切な行為を受けたり、判断に迷ったとき」は、「近くの運営スタッフに声をかけてください」「DMやメールでお知らせいただいてもかまいません」と、スタッフが対処してくれる旨が書いてあるので安心感が強い。

▼南極歌会

南極歌会は大学生に向けた歌会の場。神保町歌会版を改定する形でアンチハラスメントポリシー策定したとのことです。「南極歌会は所属や学年などに拘らず全国の学生同士が歌会等の活動を通して交流できる場を提供することを目的として作られました」と歌会設立の目的が入っている以外はほぼ、神保町歌会のポリシーを踏襲した内容です。
ハラスメントというと年配の男性から若い女性に向けられた行為をイメージしがちですが、大学生の男性歌人から女性歌人にセクシャルハラスメントが行われた事例(ずいぶん経ちますが未解決ですよね?)もあるので、学生の参加する句会でこういったアンチハラスメントポリシーが掲げられるのは意義深いことだと思います。
教育の現状を考えると、たぶん高校までは「セクハラ」って単なる冗談のネタで、自分の行動が「ハラスメント」になる可能性なんて考えないと思うんだ。

ところで、以前紹介した現代俳句協会IT部が策定したインターネット句会利用規約は2020年10月20日なので、もしかしたら神保町歌会の取り組みが現代俳句協会にも影響を与えたのかな、と思ったりしました。
現代俳句協会インターネット句会の利用規約はインターネット句会での主催側の権限(迷惑行為を行った参加者の利用拒否や登録抹消)や投稿作品や選評の著作権はどうなるか等、いろいろなことが書いてあって、一部にハラスメント防止の内容が含まれています。いろいろ盛り込んであるせいで、読みたくなるか、読みやすいかという点ではちょっと疑問。「参加者全員にしっかりと目を通して遵守してもらう」というより、「必要なときに必要な部分を確認する」「トラブルが起きたときに対処するための根拠」というような役割の方が大きいのではないかと思いました。

これに対して神保町歌会・南極歌会のアンチハラスメントポリシーは平易な文で短く、目を通してもらいやすい。そこがとてもいいと思います。

なんかこの流れ、現代俳句協会をサゲることにより神保町歌会・南極歌会をアゲているようですが、飽くまでハラスメント予防という観点においてのみ評価しています。そもそも文字ベースのインターネット句会と対面やZOOMの歌会、不特定多数が参加するインターネット句会とある程度参加者の限られた歌会、というふうに条件はまったく違うので単純に比べられるものではないのは承知しております。
ごめんよー! 現代俳句協会が協会全体としてアンチハラスメントポリシーを出してハラスメント相談窓口を開設したらそのときはちゃんと宣伝するから!

実は、短歌に関しては、結社がハラスメント相談窓口を設けているケースもいくつかあるようですが、実際に稼働しているかどうかは結社に入っていない立場からはまったく見えない状態なので敢えて紹介することは控えています。

・相談しやすいような工夫はあるのか(相談した側が結社にいづらくなることはないか)
・開始以来、何件くらいの相談が寄せられたのか
・相談に対してどのように対応したのか、解決されたのか
・結社のメンバーが結社外の人物にハラスメントを行った場合、対応してもらえるのか

など、聞きたいことはいっぱいあるのですが、プライバシーにも関わることなので結社外には発表しない内容なのかもしれない。結社誌には報告が載ってるのかな?
おそらく、ちゃんと稼働しているとは思うのですが!
安心したいので!
「相談窓口あってよかったな〜!」というお話があれば教えていただきたいと思います。

さてさて。最後にちょこっと次回予告。
当方、俳句コミュニティから離れすぎており俳句の情報があまり入ってこないので、意を決して、お返事をくれそうな団体の方に「ハラスメント防止の取り組みをなさっていたら具体的に教えてください」という内容の問い合わせメールを送ったところです。
少し先になるかもしれませんが、お返事が届いたらこのブログで紹介しようと思っています。

というわけで、引き続き情報提供お待ちしてます!
ishiharayukio■gmail.com

※ 男性から女性への発言だけではなく、女性の言動がセクシャルハラスメントになるケースも十分あります。わたし(シス女性)自身、過去に「イケメンですね」「太った?」「痩せた?」等、互いの関係性や相手の気持ちを考えず口走ったことがあり、深く反省しております。

Sisterlee寄稿の件と情報提供のお願い


インターネットとフェミニズムに関するウェブマガジンSisterlee俳句生活安全缶バッジに関する記事を寄稿しました。どういった経緯で缶バッジを作ったのかわかりやすくまとめていますのでまだの方はぜひご一読くださいね。

俳句コミュニティにフェミニズムの視点を。私が「俳句生活安全缶バッジ」を作った訳

ツイッターではいろんな反響がありました。
好意的な意見もありますし、ハラスメント防止は大事だけど缶バッジの文言自体には抵抗を感じる、という立場の人もいる(うん、めっちゃわかるよ)。わたしの記事から考え始めたのにいつの間にか藁人形を叩いているひともいる。

ただ、わたしがどこか期待していた反応が返ってきていないなと思いまして。

「うちの句会(歌会)だってハラスメント防止の取り組みをしています! なんで子連れ句会だけ取り上げるんだ! そうやっておともだち同士で誉め合ってろこのあんぽんたんがーーーーーッ!」

という怒られが発生してほしいと思っていたのです。
そしたらさ、

「もっと! そこを!! アッピール!!! してください!!!! 大事なことなんだから!!!!!」

って言えるじゃないですか。
ハラスメント防止の取り組みって「ハラスメント防止の取り組みをしています」と大々的に言うことが大事だと思います。それだけでハラスメント予防になる(なんでもかんでもハラスメント扱いしやがってけしからん! なんていう歪んだ考え方のひとが向こうから避けてくれる)し、参加を検討しているひとの安心感につながる。わたしからも安心しておすすめすることができる。

ところがどっこい!
いまだに「うちだってやってます! ぷんぷん!」系のリプライが来ないんですよね!
敢えて言うならsororiさんが「現代俳句協会インターネット句会 利用規約」でハラスメント防止を掲げていることを教えてくれましたが、その一件のみなんです……。

うそだろ……ほんとはみんな宣言とか規約とか書いて持ってるけどあんまり周りに知られてないだけなんだろ。だって句会歌会結社協会連盟…って日本中にいっぱいあるもん。もっとあるでしょ。ガンガン来てくれ。外に向けて大声で言ってくれ。

ということで、
「句会のサイトにこんな規約を掲げています」「結社誌にハラスメント撲滅宣言が載ってます」「実は相談窓口があります」といった情報をお待ちしています。可能ならURLや画像など、具体的に確認できるものを添えてほしいです。口頭での案内をしている場合にはメモとかでも。自分の参加している会以外の情報もぜひお寄せください。
連絡先:Twitter @yukioi

Sisterleeをきっかけにプチバズった勢いに乗じてよい取り組みを紹介したいです。
誉めるぞ。誉めたい。誉めさせてくれ。

現俳協のインターネット句会の利用規約にしても、作るの、すごく大変だったと思うよ。飽くまでハラスメントや法的な問題についての素人のわたしが見てだけど、よく考えてくれてると感じる。

「性的な関心を引く行為(作品及び選評を含む。但し、文学上のエロスはその限りでない)をしてはならない」

これは「性的な関心」「文学上のエロス」の定義で揺れるかもしれないけど、必要な曖昧さだと思う。性的な句をすべて禁止するなら姫始めの句も消えるものなあ……。

「ジェンダーを強く意識させるコンテキストで、個人や作品を誉めたたえたり貶したりする行為をしてはならない」

ここはつまり女性的なハンドルネームを持つひとが「そんな男性的な句ではなく、女性にしか作れないような句を作ったらどうですか」「女性らしい柔らかな作風ですてきですね」などと言われなくて済むということだ。すばらしい。これ、いい視点だからいろんな句会で導入してほしい。

ということで、まだわたしの目に入っていないすばらしい取り組みをどんどん教えてください。造った仏に魂を注入しようじゃないか!

【関連動画】(2021.11.30追記)

【文學界8月号】川野芽生さんの文章に登場してるよ!

文學界8月号「ファッションと文学」という特集で、歌人の川野芽生さんのエッセイに俳句を引用していただいてます。
めっちゃ嬉しい。夢かな!?
お手元にココシャネルが表紙の文學界がある方は106ページを開いてご確認をお願いします!

『文學界』2021年8月号

『文學界』2021年8月号です。プイプイ!

「この言葉をあなたが読まないとしても」と題してファッションがモチーフとなっている短歌を紹介されているのですが、一緒に引用されているメンバーを紹介すると、田丸まひるさん! 野口あや子さん! 平岡直子さん! ここに入れてもらっていいのか石原の俳句! このメンバーでバンドを結成するとかじゃなくてよかったと思う。プレッシャー半端ないですよ。このメンツに加わるのは。全身に血豆ができるまでタンバリンを練習しなければいけなくなるところだった……。

閑話休題。
かわいい服が好きだからかわいい服を着ているだけなのに、恋愛対象として見られたがっているように誤解されて苦しんだ大学時代の川野さん。セクシュアルハラスメントを行ってきた相手が卒業してようやくファッションやメイクを楽しめるようになったそう。そして昨年ついにロリィタ服を着るようになったという話からの流れで、田丸まひるさんの

わたしにはわたしを生きる意味がある BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 田丸まひる『未来』2020年9月号

に続いて

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 初詣 石原ユキオ

を引いていただいたのですが、一足早く文學界8月号を手に入れた友人からの「ユキオさんの俳句でファッションが登場するものといえば!」というヒントからこれ一句かと思っていたらこの句を含む「ロココごごろ」という連作から何句も紹介していただいており、正直自分の俳句がここまで丁寧に読み込んでもらえるということがまったくの予想外で、わたしに憑依したひともどこかでびっくりしていると思います(憑依現象については過去の記事をご覧ください)。コミカルな部分を指摘されがちだったけど、その裏にある抑圧まできちんと読み取ってもらえるとは。すごい。

「この言葉をあなたが読まないとしても」川野芽生

「この言葉をあなたが読まないとしても」川野芽生

ものを書いていると、というか生きてると、こういうことがあるんですね……。
引用されてる他の方の短歌もすごくいいし、

わたしはうつくしいものが好きであり、そのうつくしさは世界に自分を贄として捧げるためではなく、世界に背を向けるためにある、という宣言を、旗印のように掲げることができる。

とか痺れるフレーズに満ちているのでぜひ読んでください。

ところで、

わたしにはわたしを生きる意味がある BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 田丸まひる

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 初詣 石原ユキオ

BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 臣下みな解き放ちたる姫としてゐる 川野芽生

と、少なくとも現時点で3回も短歌や俳句になってるBABY, THE STARS SHINE BRIGHTすごいな!(コムデギャルソンで3つ即座に思いつく? なくない!?)

U-24限定!俳句生活安全缶バッジプレゼントキャンペーン

若い世代にちやほやされたい一心で24歳以下の方限定のプレゼントキャンペーンを実施します!

まじめな話、わたしのことを知ってくださっている方って30代以上が多いと思うんですが、若い世代の方にもわたし(たち)がどう悪戦苦闘しているか知っていただき、これからの活動の参考にしていただきたい。

文芸コンクールなどで「高校生らしさ」「青春性」を求められたことはありませんか?
作品について批評するのではなくあなた自身の容姿について言及されたことはありませんか?
恋をしなければいい作品が作れない、または恋をしたら作れなくなる、という呪いをかけられたことはありませんか?
10代〜20代の頃に受けがちなそういった差別やハラスメントはこの缶バッジの成立背景と地続きの問題です。

あなたはひとりではありません。きっとあなたの近くにも、あなたの受けた不当な扱いに一緒に憤ってくれるおとなはいます。この缶バッジにいいねと言ってくれるひとは多少は頼りになるタイプだと思います。

U-24限定告知バナー

▼応募期間
2021年6月12日〜2021年6月30日

▼応募資格
応募時点で24歳以下、なおかつ何か創作活動(俳句、短歌、現代詩、漫画、写真、各種二次創作等ジャンル不問)を行っている方。作品発表の有無や頻度などは問いません。

▼賞品
1等 俳句生活安全缶バッジコンプリートセット(1名)
2等 俳句生活安全缶バッジ「女流って呼んだらコロス」「わたしは作中人物じゃないですよ?」各1個(4名)

▼選考方法
抽選(あみだくじ)

▼当選発表
ブログ及びツイッターでは個人の特定できる当選発表を行いません。何を創作している方に当たったかジャンルのみ紹介し、7月2日以降に賞品の発送を行います。
当選者の方はSNSで「当選したワーイ! 」という報告をしていただいてもいいですし、しなくてもOKです。

▼応募方法
下記のGoogleフォームに必要事項を入力してください。簡単なアンケートつきで、所要時間3分から10分くらいだと思います。アンケート部分は入力しなくても応募できます。

U-24限定!俳句生活安全缶バッジプレゼントキャンペーン 応募フォーム

▼個人情報の取り扱いについて
本キャンペーンにご提供いただいた個人情報は賞品の発送に関わる連絡以外には使用いたしません。

 


*俳句生活安全缶バッジについて

*石原ユキオ店(BOOTH)