俳句誌『豆の木』No.26(2022年5月31日)に「加害者にならないために プロジェクト『短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために』に応えて」という佐々木紺さんの記事が掲載されている。
高松霞さんのプロジェクト「短歌・俳句・連句の会でセクハラをしないために」の報告書・要望書・パンフレットが豆の木にも届いたという報告および、俳句とセクハラに関するかなり親切な解説や紺さん自身が日々気をつけていることなどが書かれている。
想像してほしいのだが、自分が加害者の立場になって、知らず知らず他人にハラスメントを繰り返して、ある日突然ものすごく糾弾されてたくさんの人に恨まれながらコミュニティを追い出されるよりも、まだ傷が浅いうちに「それはまずいよ」「あ、ごめん、良くなかったね、次から気をつけるわ」っていうやりとりをできるほうがはるかにマシではないですか??
とか、「ほんまそれほんまそれ」と言いながらヘドバン不可避です。
が、現状としては、結社の偉い人ならかなりのやらかしをしても周りが「そんなつもりじゃなかったと思うよ」とか「お酒の勢いでちょっと距離感誤ったんだよ」とか守ってくれて被害を告発した側が去るしかないみたいな現状もあることないですか…? セクハラが原因で追い出されるとしたらそこまで有名じゃない人だろうなとは思う。つら…。
ポリシーや窓口を形だけ作るだけでは意味がなく、頻繁にポリシーの中身をアナウンスしたり、窓口が健全に機能しているかさらにチェックするような仕組みも必要になるだろう。
ここもすごく大事だと思います。
作った仏に魂を入れようぜ。
紺さんの記事の後には代表のこしのゆみこさんの「句会で加害者にならないために」という小文、そして豆の木メンバーの「ハラスメントについて思うこと」が11人分、匿名で載っている。
匿名のうちのひとりの意見は、
「ハラスメント」「ハラスメント」という言葉が巷を闊歩するにつれ、わたしは居心地が悪くなり、人に対する不信感が募る一方。
というものすごいフレーズを含んでいて(いや、ここ以外にも全体がものっすごいのでぜひ読んでほしいのだが)まるでフェミニストの作家が家父長制どっぷりの年配の男性になりきって書いた小説みたいで、ハラスメント対策の教材としてかなりいいです。皮肉ですが本気です。ここから学べることは多いよ。
わたしは読んでショックも受けたけれど、おそらく「豆の木」代表としてはこの意見が誰から出たものかわかっているはずで、こういう考えのひともいるから要注意、と代表の方がよく把握してくれているという点では安心材料だ。可視化されてよかったと思いたい。
なお、ここで寄せられている意見の全体の傾向としてはハラスメント対策の必要性を認める方向であったことも申し添えておきます。読んでみたい方、直接代表やメンバーの方にお問い合わせください。