春昼

父さんが履歴書を書く春炬燵
 
ホテルXOの看板黄砂降る
 
ままごとの包丁洗う万愚節
 
春昼やゴム手袋が落ちている
 
歯ブラシを真っ赤に染める受難節
 
小橋中橋京橋渡る花疲れ
 
姉さんは綺麗ぶらんこ蹴っ飛ばす 

黒鳥 夏季号(平成19年7月1日発行)掲載

大阪から帰ってきた酔っぱらい

「ほろ酔い朗読会」 [1]に出演しました。

素面で望んだ割には派手にとちったわけですが、まあそれは置いといて。
お客さんが本当に良いお客さんばかりで、しっかりと目と耳を向けてくださるので心地よかったです。
BoB vol.2もしっかり売ってきました!!

詩人の方というのは、叫んだり見栄を切ったりするわけでもないのに、聴かせてしまう。
あの魔法はなんなんだろう。
真摯だから届くのかなぁ。

詩人ってかっこいいな〜(;△;)

さて、これから何処に行きましょうかね。

[1] http://omattiwan.exblog.jp/6983065/

ほろ酔い朗読会

「ほろ酔い朗読会」 [1]に出演します。
7月7日。詳細は→こっち→にある店主出没情報でチェックなり。

当日のプログラムに、出演者のプロフィールが並んでいるのを見て、自分のは随分クラブカルチャーの悪影響(と言えば聞こえがいい)を受けているなぁと思う。
経歴と所属をずらずらっと書くってやつだ。

今日も、陸海空軍の勧誘コマーシャルが流れるバスに乗って仕事に行きます。
スラムの家から、街へ。
ポケットからしわくちゃの紙を取り出してメモを取る。
犯罪の名前あつめて、韻を踏む。
お金がほしい。
イラクから帰ってきたパパは、
空っぽの酒瓶みたいに転がったっきり。
いい暮らしがしたい。
思想だろうが微笑だろうが、何だって売るさ。
いまに見てろ。
白鰐そっくりの長い車でスタジオに乗り付けるんだ。
オフはママとファーストクラスでアジアに。
出所した弟は、大学に行かせてやる。
姉ちゃん、クソお坊ちゃんだらけのクソ学校になんて行けねえよ!
って泣くのをボコボコに殴りつけて。

というのは全部妄想ですが、
自衛隊のコマーシャルが流れるのはほんとです。
貧民窟に住んでんなぁ、と実感。

あ、なんだっけ。

そうそう。
ほろ酔い朗読会、大阪の方は是非いらしてね。
ってことで。

[1] http://omattiwan.exblog.jp/6983065/

あっけない

すかっとしているか、すかすかなのか。
そこが問題だ。

俳句を作ろうと思って海を見に行った。
言うたら、あたりまえのことじゃけど、
私は海を作ろうとして俳句へ行くべきだった。

いまさらを集めてひとがたにかためてください。
それがわたしですから、あいしてください。

ごっくんって言われて

じじょうがすこしのみこめてくるというのも、不便なものですね。

こんばんは、ユキオです。

文月悠光 [1]さんは、すごいなぁ。
若さを言うのは失礼だけど、
(私は若さのせいにされるのをいちいち怒っていた子どもらしい子どもだったから)
そんな若くてどうすんだろ。
こんな才能あふれててどうすんだろ。
生きてくの大変だろうな。
敢えて言うなら、
もう少し地味な名前でいけばプロっぽさが倍増するのではないだろうか。

石原ユキオはいいのかって?
なんかねぇ、変えるタイミング失っちゃった感じで。
この際、体裁悪くてもかまわんです。

光明が見えないあたり、
逆に? 落ち着くってゆうかー。
ってゆうかー
ってゆうかー
ってゆうかー

そんなふうなはなしかたをする世代、です、ので。

[1] http://hudukiyumi.exblog.jp/

2007/07/01

牛窓に来ています。

無風のため、ヨットの大会が中止になってしまいました。

古い船にくくりつけられたスピーカーから、

そのことを聞きました。

夾竹桃の花が、海に投げ出された巨大な花束みたいです。

足元に、舟虫のうじゃ うじゃら。

うじゃらうじゃらは小声で早く発音してください。

舟虫はほんとうに早い です。

げたの先で、死んだひと 死んだひとでを、

ひっくり返したり。

だめ、という名前の貝を、踏み潰したりして。

意外としぶとく動 ものです。

塩水に濡れて るうちは、岩もまだ生きていますから、

さかんにのびちちみします。

無数の白い  引き込まれない うに、

遠くを見て

波打ち際を歩きます。

踏み違えないように。

あるいは踏み違えるよ  。
 
雨が降る て 上手に  ません。
 
波 もう、腰   ているので、

  から先は  て、書け  ん
 
書け  んよ 
 
もう
 
                ね   。

対症療法

息苦しい。自分の動悸がうるさくて寝れない。
PCでも日記帳でもいいから、
記述していないと落ち着かない。
これはなんという病気なんだったか。
昔よく懸かった筈だが、思い出せない。

食欲が落ちる。集中力が落ちる。
体重は落ちない。
ためいきはそこらじゅうに落ちている。

TSUWARI
like TSUNAMI

想像妊娠は健康な妊娠の一種ですから
健康保険の適用外となります。

性的な拘束具としての、
孫悟空の輪っかがほしい。
ぞんぶんに痛めつけてくれる、
頑丈な安全装置が、ほしい。

「ペーパー」創刊号

白髪オールバックの老人が枕元に立って、新聞のようなものを広げる。

ほら、これ、あげますよ。
なかなかいいでしょう。

その、新聞のようなもの。
表紙というか一面というか、大きく書いてある。
「ペーパー」と。
ああ、そりゃ。「紙」だわな。
紙に紙と書いてあるなんて、さすが私の夢だ。
シュルレアリスティックでアーティスティックだ。

internetでないことを、blogでないことを、強く主張してるんだ。
かさばるんだ。
紙、なんだ。

なるほどね、と、私は妙に納得する。
老人は、私の胸の上に広げた「ペーパー」を置いた。
4ページが開いてあるんだと、すぐにわかる。

君ね、いまさら慌てふためいて現代詩を読むようになっちゃって。
それで安心してるようじゃ駄目ですよ。
ぼやぼやしてるとすぐにおばさんになるんだからね。
無駄だ無駄だ。焦ったって。
前歩いてる人と同じ道が歩けるなんて思いなさんなよ。

ここが何かわかりますか。
ここだよ、ここ。

老人は自分の胸の辺りを指差す。

心、ですか?

違う。
お乳、だ。

老人が「お乳」と言うやいなや、指差した先から赤い物がこぼれ落ちた。
私の真っ平らなお乳を覆った、「ペーパー」の上に、落ちた。

そんなわけで私の「ペーパー」創刊号には赤いしみが付いている。
携帯するにはかさばるばかりか、少し物騒な代物なのである。

6.23大朗読に関するメモ

1. 陰フェロモン
2. もんじゃ焼きで受ける
3. 温冷で血行促進
4. 名人芸としての長い枕
5.
 斬首あるいは自覚的な主婦
 土器が胸胸
 なりそこねたのが幸い
 上品な酔客として
 閉じ込めてくれ
 ゆるくふるえるために
 海辺の石段

 岡山に娘を持てなかった父親と
 外付けの娘二名によるドライヴ

6. 嫌悪 食べてよ
7. ちむちむ音/ひよひよ音
8. 中島遊郭の輪郭を
9. 若い人にまなぶのは弱い心
10. 余裕のシルヴィ

11.
御機嫌ハンニバル
まだ終ってないのに
無難に男前になる

はじめから短い小指

にんげんはこのようにして、
足を洗うタイミングを失っていくのですね。

こんばんは、ユキオです。

7月7日(土)、大阪のjuenというカフェに行きます。
朗読会に出るみたいです。

先日の「大朗読」では、何人かの人に「仕事してる?」と聞かれた。

ほとんどしてません。
すいません。

枝振りの良い松の木にハンガーを掛けて
この身を吊っておきたい

なんだかなぁ。
ユキオ商店はポップな感じで行こうと思ってたのに、
昔の激アングラ志向のブログに戻りつつあります。
いろいろ溜まってるみたいです。

雨にも負けず、風にも負けず、
的外れな応援にも怒らず、
静かに俳句をひねり潰そう。

さあ。
数日間ブログの更新をお休みして。
万年筆のインクをブルーブラックから血反吐に詰め替えて。