スケベ心とどまるところを知らず、明日に向かう。

小峰慎也氏の『スケベ心とどまるところを知らず、明日に向かう。』を読む。

美沙子さんを必要な部分だけとりだし
のこりは
もてあました
—「いい運転だ」

五十音順に白状するんだな
んはむずかしいぞ
—「あなたってなまやさしいのね」

ぼくが見たくないのはそれではない
—「つかれたとき」

いつもどこを有名になさりたいとおっしゃってましたっけ?
—「ひしょ」

すごくいい。
いやらしい状況をにおわせるように書いておきながら、結果として少しもいやらしくないとこがいい。
たぶん一番適切な感想は、「おもしろい」。
男の子であることを笑ってるのかな。いや、そう単純でもなかろうし。
とにかく今っぽい。
不思議ボーイ、大好き。

BoB vol.2

文学系ギャルサークル・ブラック乙女部の部誌「BoB」、二号がいつの間にかできております。
そして、リアルに残部僅少。

■収録作品
・チブ開放1 白沢カヨコ
・かえりみち 桜子
・日記 石原ユキオ
・供物 護王芳
・Dear 愛人様 さほこ
・なきにしもあらず 石原野笛
・真夜中の悪夢★ バーバラ
・黒乙女的俳句講座 第二回 石原ユキオ
・志村リスペクツ 白沢カヨコ

■価格
100円

■販売方法
朗読会・句会で手渡し販売

■お問合せ
ishiharayukio@gmail.com

二回目はないのか…

第一回週刊俳句賞、応募しそこねました。
っていうか全然気づいてませんでした。
あと少し、あと少し注意深くスクロールしていれば……!!

さて。今日は九月の大朗読の原稿、たたき台を仕上げますよ。
九月は共作です。
今からちゃんと準備して、打ち上げこと裏大朗読用のネタも作っておこう、という魂胆。
なんでこんなやる気なの? これが躁病ってやつ?
大阪から中島らも菌を持ち帰ってしまったのかも。

鍵の穴/鳩を蹴る。

ほろ酔い朗読会でお会いした大阪の某M社 [1]のO氏が、きむらけんじ [2]氏の句集を送ってくださいました。

きむらけんじさんは自由律俳人。
自由律の句集って語り手(≒作者)のキャラが立ってないと面白くないと思うんですが、きむらさんの句集は割と立ってます。京ぽんなら4本ぐらいの勢いで。
現代の、働くおじさんが書いてます! って感じ。

自由律、とは言っても、韻律が全く自由というわけではなさそうだ。「自由律俳句」が単なる短い文ではなく「自由律俳句」に見えるということは、韻律(さらには詠まれる内容)に、ある特徴、共通点、いわば定型があるってことなんだろう。
「自由律という定型」。
これってなんだかまるで、クリエイティブのサラリーマンみたいじゃない?(暴言?)

[1] http://www.monolith-net.co.jp/
[2] http://www.amazon.co.jp/gp/search?ie=UTF8&keywords=%E3%81%8D%E3%82%80%E3%82%89%E3%81%91%E3%82%93%E3%81%98%E3%80%80%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%BE%8B&tag=ishiharayukio-22&index=books-jp&linkCode=ur2&camp=247&creative=1211

春昼

父さんが履歴書を書く春炬燵
 
ホテルXOの看板黄砂降る
 
ままごとの包丁洗う万愚節
 
春昼やゴム手袋が落ちている
 
歯ブラシを真っ赤に染める受難節
 
小橋中橋京橋渡る花疲れ
 
姉さんは綺麗ぶらんこ蹴っ飛ばす 

黒鳥 夏季号(平成19年7月1日発行)掲載

大阪から帰ってきた酔っぱらい

「ほろ酔い朗読会」 [1]に出演しました。

素面で望んだ割には派手にとちったわけですが、まあそれは置いといて。
お客さんが本当に良いお客さんばかりで、しっかりと目と耳を向けてくださるので心地よかったです。
BoB vol.2もしっかり売ってきました!!

詩人の方というのは、叫んだり見栄を切ったりするわけでもないのに、聴かせてしまう。
あの魔法はなんなんだろう。
真摯だから届くのかなぁ。

詩人ってかっこいいな〜(;△;)

さて、これから何処に行きましょうかね。

[1] http://omattiwan.exblog.jp/6983065/

ほろ酔い朗読会

「ほろ酔い朗読会」 [1]に出演します。
7月7日。詳細は→こっち→にある店主出没情報でチェックなり。

当日のプログラムに、出演者のプロフィールが並んでいるのを見て、自分のは随分クラブカルチャーの悪影響(と言えば聞こえがいい)を受けているなぁと思う。
経歴と所属をずらずらっと書くってやつだ。

今日も、陸海空軍の勧誘コマーシャルが流れるバスに乗って仕事に行きます。
スラムの家から、街へ。
ポケットからしわくちゃの紙を取り出してメモを取る。
犯罪の名前あつめて、韻を踏む。
お金がほしい。
イラクから帰ってきたパパは、
空っぽの酒瓶みたいに転がったっきり。
いい暮らしがしたい。
思想だろうが微笑だろうが、何だって売るさ。
いまに見てろ。
白鰐そっくりの長い車でスタジオに乗り付けるんだ。
オフはママとファーストクラスでアジアに。
出所した弟は、大学に行かせてやる。
姉ちゃん、クソお坊ちゃんだらけのクソ学校になんて行けねえよ!
って泣くのをボコボコに殴りつけて。

というのは全部妄想ですが、
自衛隊のコマーシャルが流れるのはほんとです。
貧民窟に住んでんなぁ、と実感。

あ、なんだっけ。

そうそう。
ほろ酔い朗読会、大阪の方は是非いらしてね。
ってことで。

[1] http://omattiwan.exblog.jp/6983065/

あっけない

すかっとしているか、すかすかなのか。
そこが問題だ。

俳句を作ろうと思って海を見に行った。
言うたら、あたりまえのことじゃけど、
私は海を作ろうとして俳句へ行くべきだった。

いまさらを集めてひとがたにかためてください。
それがわたしですから、あいしてください。

ごっくんって言われて

じじょうがすこしのみこめてくるというのも、不便なものですね。

こんばんは、ユキオです。

文月悠光 [1]さんは、すごいなぁ。
若さを言うのは失礼だけど、
(私は若さのせいにされるのをいちいち怒っていた子どもらしい子どもだったから)
そんな若くてどうすんだろ。
こんな才能あふれててどうすんだろ。
生きてくの大変だろうな。
敢えて言うなら、
もう少し地味な名前でいけばプロっぽさが倍増するのではないだろうか。

石原ユキオはいいのかって?
なんかねぇ、変えるタイミング失っちゃった感じで。
この際、体裁悪くてもかまわんです。

光明が見えないあたり、
逆に? 落ち着くってゆうかー。
ってゆうかー
ってゆうかー
ってゆうかー

そんなふうなはなしかたをする世代、です、ので。

[1] http://hudukiyumi.exblog.jp/

2007/07/01

牛窓に来ています。

無風のため、ヨットの大会が中止になってしまいました。

古い船にくくりつけられたスピーカーから、

そのことを聞きました。

夾竹桃の花が、海に投げ出された巨大な花束みたいです。

足元に、舟虫のうじゃ うじゃら。

うじゃらうじゃらは小声で早く発音してください。

舟虫はほんとうに早い です。

げたの先で、死んだひと 死んだひとでを、

ひっくり返したり。

だめ、という名前の貝を、踏み潰したりして。

意外としぶとく動 ものです。

塩水に濡れて るうちは、岩もまだ生きていますから、

さかんにのびちちみします。

無数の白い  引き込まれない うに、

遠くを見て

波打ち際を歩きます。

踏み違えないように。

あるいは踏み違えるよ  。
 
雨が降る て 上手に  ません。
 
波 もう、腰   ているので、

  から先は  て、書け  ん
 
書け  んよ 
 
もう
 
                ね   。