出演・掲載」カテゴリーアーカイブ

活動記録(2015年)

 

●文芸すきま誌『別腹』vol.8(2015年5月4日発行)に評論「妖怪俳句アンテナ」を寄稿。付録「ねがてぃぶ絵はがき」を1点制作。

●わたなべじゅんこ俳句評論集『歩けば俳人』(2015年5月発行)の装画を担当。

●第3回BL句会「仁義なきBL句会-広島詩闘篇-」を広島市青少年センターにて開催。(2015年7月12日)

●ツイッターで「#マッドマックス怒りのデス吟行」を企画(2015年7月)。『都市』2015年10月号「新・俳句月評」で取り上げられる。

●BL俳句誌『庫内灯』創刊号(2015年9月20日発行)に巻頭言「BL俳句の醸し方」、俳句連作「茎-nakago-」、評論「魅惑の小学生男子-長嶋有第一句集『春のお辞儀』を読む-」を寄稿。

●BL俳句誌『庫内灯』創刊号リリースに合わせて「第三回文学フリマ大阪」会場内で開催されたBL句会に参加。(2015年9月20日)

 

BL俳句誌『庫内灯』予約受付中です

BL俳句誌『庫内灯』、amazonでは2015年11月30日に販売開始されます。
すでに予約受付は始まっておりますので、雪のように白くて愛らしいこの本を、ご自身へのちょっぴり早いクリスマスプレゼントとしてご予約くださいね。

ほれ!
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べっぴんさんじゃろ!
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イベントや実店舗での販売価格と比べると通販の1,512円はちょっとお高いのですが、手数料の関係でやむを得ずこの価格になってます。ごめんなさい!
11月23日(月祝)開催の第二十一回文学フリマ東京では1,000円でお買い求めいただけますよ!

その他、大阪・葉ね文庫さん、東京・ふげん社さん(11月中旬〜)で取り扱いがございます。

以下、わたくし石原の執筆した部分、お試し読みをどうぞ。

巻頭言「BL俳句の醸し方」

巻頭言「BL俳句の醸し方」

俳句連作「茎-nakago-」

俳句連作「茎-nakago-」

魅惑の小学生男子-長嶋有第一句集『春のお辞儀』を読む-

魅惑の小学生男子-長嶋有第一句集『春のお辞儀』を読む-

デス吟行が俳句の本で紹介されたぞ!

 

「マッドマックス怒りのデス吟行」が『都市』2015年10月号の「新・俳句月評」というコーナーで取り上げられました!

結社誌『都市』/撮影地:農村

書いてくれたのは栗山心さん。
栗山さんは、映画や舞台を観てその感想代わりに俳句を作ってみる、ということを以前からなさっていたそうです。

すごく共感したのは次のところ。

不思議なことに、歳時記を読んでいて、この映画のことを詠んだに違いない、と思えるほどピッタリとはまる句に出会うのも楽しく、勉強になる経験であった。

わーかーるー!
ありますよね。「この俳句はこのシーンのためにあるに違いない!!」っていうの。(わたしの場合はこれ

そして三句を挙げていらっしゃるのですが、そのうち一句が……

熱砂駆け行くは恋する者ならん  三好 曲

ニュクサブル……!! うおおお!!!!(号泣)
あと2句はぜひ、『都市』10月号(600円)をお取り寄せして読んでみてください!

また、デス吟行参加者の作品から、
固有名詞ありの句の例としてるいべえさんの、

固有名詞はないが映画を観た人には誰のことを詠んだかわかるタイプの例として松本てふこさんの、


が引用されています。

縦書きで活字になった句を読むと、ブラウザで読むのとはまたちょっと雰囲気が違いますね。
るいべえさんの句は、長音の縦棒が茎のように屹立していて、苗を一本ずつ指差していっている印象が強くなる。
てふこさんの句は、句のエレガントさが際立つように感じました。

栗山さんはこの夏、デス・ロードを一ヶ月に三往復したそうです。

↓↓お取り寄せはこちらから↓↓
都市俳句会 入会・購読のご案内

俳句ガチ勢、恐るるに足らず!〜BL俳句誌『庫内灯』リリースに寄せて〜

 

BLを好むひとが、BLを読むように俳句を読むこと。
BLを好むひとが、BLを書く(描く)ように俳句を書くこと。
BLと俳句の間でどんな楽しいことができるか探っていくこと。
それがBL俳句だとわたしは考えています。
(ここでの『BL』は、商業BLから二次創作、耽美の時代からいままでを全部含んだすごーく広い意味での『BL』と考えてください。)

BL俳句が生まれたのは、BL短歌がきっかけです。
BL短歌の先達が道を作ってくれていたおかげで(そして参加人数が少なくBL短歌ほど目立たなかったおかげで)、BL俳句は強烈な批判にさらされることはありませんでした。
しかし、『庫内灯』が出ることで、いままで届かなかったひとの目に触れて
「あんなの俳句じゃねーよ」
なんていう批判が舞い込んで来るのかもしれません。あるいはもっと率直に
「下手」
とか。
なんでこんなことを先回りして言ってしまうのかというと、BL短歌に関しては「あんなの短歌じゃない」「下手くそ」「痛い」「俺の短歌をBL読みするな」等々、悪口めいた非建設的な意見がさんざん飛んで来ていたからです。

ちょっと妄想してみます。
『庫内灯』を買ってくれたひとが自分もBL俳句を作ってみようと考え始める。
そのころTwitterで上記のような批判が出てくる。
『庫内灯』読者は萎縮してBL俳句の発表を思いとどまってしまう……。

いかーん!
それはいかんよ君!
どうか怖がらないでくれたまえ!

「下手」と言われたって大丈夫。下手な俳句は世界にごろごろしているんだ! 新聞俳壇、テレビの俳句番組、公民館の壁面。みんな下手くそながら俳句を楽しんでいるではないか。萌え転がりながら好きCPを描いているうちに超高レベルの画力を手に入れてしまう、などというのは同人誌界隈ではよくあることじゃないか。本人が上手くなりたいと思えば、いつかは上手くなるものだ。
「あんなの俳句じゃねーよ」に関しては一見とてもひどいことを言っているようにも見えるが、「BL俳句が俳句ではない理由を示すことで俳句というものの輪郭を明らかにすることができました。ありがとうございます!」の意味だ! 批判ではなくツンデレなのだ! 恐るるに足らず!

……ふぅ。ちょっと興奮してしまいました。

BL俳句誌『庫内灯』は2015年9月20日(日)に開催される「第三回文学フリマ大阪」でリリースされます(E-11っていうスペースを探してね)。わたしも俳句や鑑賞文を寄稿しました。
同じ会場内某所で13時半からBL句会を予定しております。当日投句もできますし、好きな俳句に投票して見学、という気軽な参加の仕方も。詳細は庫内灯ツイッターアカウントからのお知らせ (1) (2) (3) をご覧ください。
というわけで、9月20日、堺市産業振興センターでお会いしましょう。

 

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※2012年、Twitter上で「#BL短歌」タグの流行が始まる。創始者は佐木綺加氏。2012年11月BL短歌合同誌『共有結晶』vol.1発行。2013年にvol.2、2014年にvol.3が発行されている。

SWEET HAIKU REPLAY(試し読み版)

 

お菓子が好きです。
洋菓子店に併設された喫茶でいただく見目麗しいケーキから、手軽なコンビニスイーツ、お茶席の練り切り、温泉饅頭、ドライフルーツや砂糖漬、ホットケーキミックスで作る簡単なおやつまで、甘いものは一通り好きです。
脳がお菓子化しているため、なにを見てもお菓子のことを考えてしまう。たとえば絵画を鑑賞しているときも、ふと気づくとその絵がどんなお菓子でできているかを想像しています。大岩オスカールは果肉入りゼリーとムースの層。ブリューゲルが描く帽子はマカロン。平山郁夫は落雁(らくがん)。大きいし食べがいがあると思う。

さて。わたしは憑依系俳人という職業柄ひとの俳句をよく読むのですが、句集にはお菓子の俳句が結構な頻度で登場します。今回はその中から、おいしそうなものを中心に(多少の珍味も含む)好きな俳句を選んでみました。さっそく見ていきましょう。まずは和菓子系から。

鯛焼のやきたてといふ面がまへ  津川絵理子
『俳コレ』「週刊俳句」編集部 編/二〇一一年/邑書林

焼きたての鯛焼きは皮が乾燥していますが、時間が経つと湿気でやわらかくなってしまいます。この句ではその焼きたてのかりかり感を「面がまへ」と表現しています。キリッとした鯛が好きか、ほにゃっとした鯛が好きかは好みがわかれるところでしょう。わたしは持ち帰った鯛焼きを紙袋から出した際の切ないようなやわらかさを愛する派です。

カステラで腹いつぱいに子供の日  松本てふこ
『俳コレ』「週刊俳句」編集部 編/二〇一一年/邑書林

大人にとっては単なる休日である五月五日、カステラを食べながら子供時代を思い出している、と解釈しました。
幼い頃、子供の日には、お寿司屋さんのお子様セット、デザートのゼリー、ちまき、柏餅とテーブルの上の食べ物を食べ尽くしていたけれど、いまはたった一切れのカステラとお茶だけでお腹がいっぱいになってしまう。年取ったなあ、という感慨。
もしかしたらカステラが美味しすぎて一切れではなく一本まるまる食べてしまったのかもしれませんが。

草餅の濃きも淡きも母つくる  山口青邨
『改訂版 新歳時記(春)』平井照敏 編/二〇〇三年/河出書房新社

意図的にそうしたのではなく、混ぜる際にむらが生じて深緑色の草餅と薄緑色の草餅ができてしまったのではないでしょうか。大好きなお母さんが目の前で作ってくれているのが嬉しくて、大きさの違いや色むらさえもなんだか楽しい。子供時代の幸せな情景を描いたノスタルジックな句です。……

*  *  *  *  *  * 

この他、山口優夢・高山れおな・上田信治など、現在活躍中の俳人の作品を中心にお菓子俳句を紹介しています。

続きは『線と情事』第二号で。
創作・オリジナル同人誌専門店サッシからお買い求めいただけます。

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【お取り寄せできます】文芸すきま誌『別腹』vol.8と「ねがてぃぶ絵はがき」

◆文芸すきま誌『別腹』 vol.8

『別腹』vol.8表紙

松本てふこ/雪女俳句
高原英理/乱歩賞候補作抄録「人外領域抄」
佐藤弓生/「生きもの図鑑」(カット:関根朝子)
人外考察エッセイ/藤井浩(映画)、川田宇一郎(文学&サブカル)、柳谷あゆみ、柳本々々
人外短歌アンソロ/佐藤りえ選・解説
妖怪俳句アンソロ/石原ユキオ選・解説
人外短歌/イイダアリコ
漫画/松井たまき
イラスト/Q猫
人外ブックスガイド/編集部

妖怪俳句アンテナ

*価格:送料込み600円

◆ねがてぃぶ絵はがき
ねがてぃぶ絵はがき
しおたまこ(3点)、石原ユキオ、佐藤りえ、柳谷あゆみ画
*価格:各150円(6枚フルセット800円)

◆その他
・短歌いりイラストミニブック @短歌・飯田有子、イラスト・なかはら 300円
・読書励行しおり @佐藤りえ制作・活版文字いり栞 2枚100円

お申し込みは別腹通販より。
お代は冊子到着後、銀行振込にて。

【関連リンク】
勇気のための川柳処方箋71 109を駆け上っていった雪女の夏
俳句的日常 人外の歌

【装画を描きました】『歩けば俳人』

わたなべじゅんこさんの『歩けば俳人』の装画を担当させていただきました。

表紙にでっかい猫さんがいて…
表紙
 
裏表紙にも猫さん。
裏表紙
 
カバーを取ると下駄の柄。
カバーを取ると…
 
『歩けば俳人』は俳句以外で有名な作家の俳句作品を鑑賞する評論集です。
たとえば、竹久夢二についてこんなふうに書かれています。

……あくまでも印象、の話である。なのであるが、夢二ってマザコンじゃない? そうでないとあんな絵かけないよねえ?

ええ、わかります。わたくしもそのように思います。
じゅんこさんは夢二disを共有できるひとだ……。安心して「黒船屋」パロディを描きました。
 

 
『歩けば俳人』、お買い求めは邑書林のオンラインショップからどうぞ。
 
わたなべじゅんこ『歩けば俳人』
 
 
 

第20回文学フリマ★『別腹』買ってね!

飯田有子さんの西荻パラソル日和(E-51)「別腹」vol.8に寄稿しております。

★文芸スキマ誌「別腹」
特集「人外」:
松本てふこ「雪女俳句」
高原英理乱歩賞候補作抄
佐藤弓生「生物図鑑」
エッセイ:川田宇一郎・柳谷あゆみ・柳本々々・藤井浩
人外俳句&短歌選:石原ユキオ、佐藤りえ →「妖怪俳句アンテナ」と題して、妖怪の登場する俳句を紹介しました。
漫画:松井たまき

★「ネガティブ絵はがき」=しおたまこ、石原ユキオ、佐藤りえ、柳谷あゆみ画

→「できません」が拙作です。レトロ印刷の魔力によってネガティブ感増量。お得意先への季節のご挨拶などにお使いください。

できません

第二十回文学フリマ東京 2015/05/04(月) 11:00〜17:00
東京流通センター(東京都)第二展示場
入場無料

卒業論文

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ルッカリー

ルッカリー
 
ルッカリー
 
極東の冬あたたかく休園日
ガラパゴスゾウガメ鳴くや午後は雨
いかなごをひとすじ銜え愛妻家
だれそれのとつぜん不在竹の秋
ぺんぎんに歩く自由や斑雪
春の昼ひよこまみれになりやすい
万愚節擬卵のようにわが子かな
柵を舐め桜吹雪を食み麒麟
鉄柵に園児はさまる日永かな
行く春のゴム長靴をつつこうか