俳句ガチ勢、恐るるに足らず!〜BL俳句誌『庫内灯』リリースに寄せて〜

 

BLを好むひとが、BLを読むように俳句を読むこと。
BLを好むひとが、BLを書く(描く)ように俳句を書くこと。
BLと俳句の間でどんな楽しいことができるか探っていくこと。
それがBL俳句だとわたしは考えています。
(ここでの『BL』は、商業BLから二次創作、耽美の時代からいままでを全部含んだすごーく広い意味での『BL』と考えてください。)

BL俳句が生まれたのは、BL短歌がきっかけです。
BL短歌の先達が道を作ってくれていたおかげで(そして参加人数が少なくBL短歌ほど目立たなかったおかげで)、BL俳句は強烈な批判にさらされることはありませんでした。
しかし、『庫内灯』が出ることで、いままで届かなかったひとの目に触れて
「あんなの俳句じゃねーよ」
なんていう批判が舞い込んで来るのかもしれません。あるいはもっと率直に
「下手」
とか。
なんでこんなことを先回りして言ってしまうのかというと、BL短歌に関しては「あんなの短歌じゃない」「下手くそ」「痛い」「俺の短歌をBL読みするな」等々、悪口めいた非建設的な意見がさんざん飛んで来ていたからです。

ちょっと妄想してみます。
『庫内灯』を買ってくれたひとが自分もBL俳句を作ってみようと考え始める。
そのころTwitterで上記のような批判が出てくる。
『庫内灯』読者は萎縮してBL俳句の発表を思いとどまってしまう……。

いかーん!
それはいかんよ君!
どうか怖がらないでくれたまえ!

「下手」と言われたって大丈夫。下手な俳句は世界にごろごろしているんだ! 新聞俳壇、テレビの俳句番組、公民館の壁面。みんな下手くそながら俳句を楽しんでいるではないか。萌え転がりながら好きCPを描いているうちに超高レベルの画力を手に入れてしまう、などというのは同人誌界隈ではよくあることじゃないか。本人が上手くなりたいと思えば、いつかは上手くなるものだ。
「あんなの俳句じゃねーよ」に関しては一見とてもひどいことを言っているようにも見えるが、「BL俳句が俳句ではない理由を示すことで俳句というものの輪郭を明らかにすることができました。ありがとうございます!」の意味だ! 批判ではなくツンデレなのだ! 恐るるに足らず!

……ふぅ。ちょっと興奮してしまいました。

BL俳句誌『庫内灯』は2015年9月20日(日)に開催される「第三回文学フリマ大阪」でリリースされます(E-11っていうスペースを探してね)。わたしも俳句や鑑賞文を寄稿しました。
同じ会場内某所で13時半からBL句会を予定しております。当日投句もできますし、好きな俳句に投票して見学、という気軽な参加の仕方も。詳細は庫内灯ツイッターアカウントからのお知らせ (1) (2) (3) をご覧ください。
というわけで、9月20日、堺市産業振興センターでお会いしましょう。

 

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※2012年、Twitter上で「#BL短歌」タグの流行が始まる。創始者は佐木綺加氏。2012年11月BL短歌合同誌『共有結晶』vol.1発行。2013年にvol.2、2014年にvol.3が発行されている。