予期しない理由で終了しました

 
幅の広いリボンで縛られていた手首は球体関節人形のそれと似ている。
中は空洞ではない、やわらかい、冷たくない、ざんねんなことに、回復してしまう、にんげんふうのものに戻ってしまう。
道具は重要ではない。
前の痛みが消えるより早くつぎの痛みがくること。
それを続けることで、ある瞬間から、痛覚の外側に存在し、床で呻く物体を冷静に観察することができる。
首を絞められて咳き込む。
粘膜にベルトが当たって叫ぶ。
のどの奥に肉を詰められて涙ぐむ。
与えられた刺激に一定の反応を返す、
「インタラクティブなガジェットなんです」
意識の上ではにっこりと微笑んでわたしの管理下に置かれていないオブジェを紹介することができる。
声帯は犬のようにクゥという音を出しているので、発話することはできないけれど。

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