MANO第十三号より

空席にくうせきさんがうづくまる  佐藤みさ子
 
くうせきさん。なんて存在感のあるくうせきさん。
私、くうせきさんの顔描けると思う。
くうせきさんはちょっと困り顔です。空色です。
そう言えば「Nobodyがいるよ」っていうフレーズが出てくる詩があったなぁ、と思うのですが、どこで読んだのか思い出せません。
 
 
梱包のまず手足からほどかれる  石部明
 
運ばれてきた球体間接人形だと思った。それから、仏像をイメージした。
にんげんかもしれない。
にんげんが梱包されていたのかもしれない。
いや、手で足を、あるいは足で手を、手と足を、縛った状態を梱包と呼んでいるのかもしれない。
固い手足が柔らかいもので梱包されていたのか、柔らかすぎる手足が紐のかわりに何かを縛っていたのか。どっちにしても不気味でゴスっぽくてかわいい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です