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台北の隠れ家にひきこもる旅(3)台北12月上旬なに着ようか問題

台北の冬は日本と同じくらいの防寒が必要らしい。
気温は台北の方が高いけれど、小雨が多くて寒さが身に染みるから。
そのうえ冬が短いために暖房設備を用意していない場所も多い。
むしろ日本よりも寒い。

以上のような内容を、格安航空券を購入した後に(ぐぐって)知りました。

ハッハー。面白くなってきたぞ。

前回の台北旅行は11月だったのだが、飛行機の中は冷房がガンガンにきいて上着を羽織っても膝の寒さが耐えがたく、現地についたら真夏の暑さで上着が邪魔になり、とはいえ飲食店は景気よくエアコンをフル稼働させるので上着が必要、帰りのフライトのためにカイロがほしいが台湾はほぼ夏だからドラッグストアで貼るカイロが見つけられず、かろうじて貼れないカイロを見つけハンカチに巻いてベルトのように腹に装備したら岡山空港の金属探知機にひっかかって貴金属の密輸を疑われスーツケースを開けてファンシーな色柄物だらけの荷物を丁寧に調べられる、というなかなか貴重な体験をした。恥ずかしかった。

それはさておき服の話です。

前回の反省から飛行機の中で凍えない服装を考えました。
日本と同じくらいの装備で行った方がいいという説を信じて、基本的には日本の(岡山の)12月の服装。
ネルシャツの上にセーター。
タイツと靴下を重ねて、だぼっとしたジーンズ。
上着は片面ボア片面キルティングのリバーシブル(ユニクロ)。
小さめのカイロを腰にひとつ。

これはタイガーエア搭乗装備として正解でした。
機内では上着は膝にかけ、暑くも寒くもない快適な温度。
むしろ岡山空港で搭乗を待っている間が寒かった。山陰から来るひと、岡山は南にあるから油断すると思うけど気をつけてほしい。(※ 東京付近の方には伝わりにくいかと思いますが、山陰から関空ではなく岡山に来て岡山空港から台湾に行くケースがある)
機内食を(LCCなので追加料金払って購入して)お腹に入れたのもよかったのかもしれない。お腹がすくと寒くなる。「蒸し鶏のネギ油ソースがけご飯」は多少脂っこいけど見た目よりだいぶおいしかったので食べた後では文句ないです! 機内でスパイスの香りがふわっと香り立った瞬間「あっ。すごい、もう台湾にいる!」って感じる。宇宙人のキャラクターがとてもかわいかったのでフォークとスプーンを持ち帰ってしまった。

タイガーエア機内食

事前予約した機内食。香りがすごい。ジュースとお菓子もセット。

さて、滞在2日目の朝から何を着たか。

台北12月上旬に適した服装の例

裏ボアと書いたけど表をボアにしても着られるぞ。

小雨が一瞬ぱらついた程度で天気がよく、温かったのでちょっとだけ軽装備になりました。
長袖Tシャツの上にネルのワンピース。下は前日と同じジーンズ。
リバーシブルの上着は歩いてると暑くなって脱いだりした。

雨はほんとうに少しだけだったけど、飲食店のひとが水を流して通路を洗っていることもあるので防水シューズは安心できてよかった。

ほかの観光客のみなさんが何を着ていたか、参考までに龍山寺の写真をご覧ください。

龍山寺

ツアーの団体さんも多くて超混んでた龍山寺。

ダウンジャケット率が高く、チェスターコート的なやつはめったに見かけない。
寒暖差があるから脱ぎ着しやすさ優先で。

わたしの行った12月上旬は小春日和だったけど、12月下旬や1月、2月は寒波が来て冷え込むこともあるらしいです。
台湾は軽食がとにかく安いけど、着るものは日本と同じようなものが欲しいと思ったら日本より高くつくので、重ね着できるように一枚多めに持っておくのが無難かもしれない。

ちなみに、わたくし、日本国内移動は家から駅まで自転車、そのあと電車とバスで空港に向かったわけですが、自転車区間のために手袋とマフラーと帽子を持っておりました。え? スーツケース? LCCサイズのスーツケースって100均の自転車ロープ1本(約2メートル)あれば自転車の小さい荷台に積めるんだよ! すごいでしょ!
手袋・マフラー・帽子は台北では必要なかったです。手袋はリバーシブルの内側になるポケットにぎゅっと詰め、マフラーと帽子はスーツケースにしまって宿に置いたままでした。

活動記録(2019年)

「タイマン句会ワールドカップ2019」優勝

●ウェブサイト「うたとポルスカ」にコラム「異郷幻灯/トルコ」を寄稿

●『野性時代』の野性俳壇で特選2回(うち1句は佳作とのダブル選)、佳作3回、選外佳作1回

〈特選〉
軽自動車も猪も無事ですか(野性俳壇11月号)
緋目高や寺に地獄を模した箇所(野性俳壇6月号)
〈佳作〉
ブルーシートもレジャーシートも花の冷(野性俳壇3月号)
アリバイのような訪問ところてん(野性俳壇7月号)

常夏ハワイ句会開催(1月27日)

台北の隠れ家にひきこもる旅(2)タクシーに乗ってみた

順番は前後しますが建山ホテルにたどり着くまでのお話です。

今回の旅のメインイベントは到着したその日にタイペイ・アイで夜8時開演の伝統芸能ショーを見ること。
わりとぎりぎりのスケジュールを組んでしまった。
桃園空港に到着するのが17:30なのだ。
もしも入国審査の行列が長かったり万が一係員さんに囲まれて別室にご案内されてしまったら空港を出るまでに二、三時間かかるのではないか。
台北駅に行くには桃園機場捷運(桃園空港線)の直達(急行)に乗って36分。
台北駅から劇場は遠くないが、わたしのことだから道に迷う可能性もある。
とはいえ、ホテルに荷物を置いて身軽になりたいし、気温に合わせて着替えたい。
あれこれやっているとショーの最初からは見られないかも、まあいいや、ショーは2部構成だから途中から楽しめばいいじゃん、と覚悟を決めて臨んだ。

入国審査はあっけないほど短く、ほぼ待たずに通過できた。
両替の列も自分の前に2人ほどですぐ終わった。
手荷物は機内持ち込みだったので荷物を待つ必要もない。
人の流れに沿って桃園空港駅に向かい、妙に暑いプラットフォームで汗ばみながら10分ほど待って直達車に乗った。

ほぼ定刻に台北に着いた。開演には間に合いそうだが、体力温存と迷子防止のためホテルにはタクシーで行くことにした。台湾のタクシーは安全だし安いと前回の旅の現地ガイドさんが教えてくれたので。
タクシー乗り場には案内係の女性がいて、いきなり中国語で何か聞かれた。おっと。これは前回なかったパターン。大学の時に中国語の授業あったけど、にいはお、しえしえ、うぉうーら(おなかがすきました)以外ほぼほぼ忘れちゃったんだよね! 申し訳ない! 中国語がわからないのが伝わると “Which hotel ?” とかなんとかホテル名を聞かれた。いや、わたしの泊まるとこ高いホテルじゃないからホテル名だと伝わらないと思う。どうしよう。

“I want to go to the hotel in 迪化街(di hua jie).” と言ってみた。
でぃーふぁーじぇーのところ、ちゃんと抑揚をつけて。

女性の係員さんはタクシーの運転手さんに「迪化街行ってくれる?」というようなことを聞いているようだ。

通じとるじゃないかー!!
YouTubeで予習した甲斐があったぜ。

ふたりにガイドブックの地図を見てもらって、無事乗車できました。

【反省】
・行き先の名前(中国語のホテル名)
・中国語の住所
・地図

以上の三点はすぐ見せられるように紙を準備しておきましょう。
老眼のひともいらっしゃるので字も地図も大きめにわかりやすく!
(スマートフォンだとどうしても字が小さいので紙がいいです)

さてさて。
タクシーにはナビがついているので安心です。
運転手さんは英語の接客に慣れている人でした。
食べ物がなんでもおいしいから来たんだよって言いたくて、台湾料理の名前をいろいろ挙げてみたけどそっちはわたしの発音が悪くて通じなくて「ごめんね、おっちゃん英語あんま得意じゃなくてわかんなかった!」って言われた。いいんだよ、中国語で言ったつもりだったよ。あたい次に来るまでに料理の名前ちゃんと言えるように練習しとくね……。

降りる前に運転手さんに「帰りは空港まで電車ですか?」って聞かれて。
こう来ると「電車なんてやめときなよ。混むよ。帰りは疲れてるから絶対座りたいでしょ。ちょっと安くするから空港までタクシー乗ってよ!」って名刺渡されると思うじゃん。違うんだよ! 「あなたのホテルから駅までって実はそんなに遠くないから歩いて行くこともできますよ〜」って教えてくれた。ありがとうありがとう。ってか近場でごめーん! 超親切!
(おつりいりませんって言おうかと思っているうちになめらかにおつりを渡されてしまいました)

台北の隠れ家にひきこもる旅(1)隠れ家にチェックイン

わたしの人生初海外旅行だった前回の台北滞在で花布を買いに訪れた「迪化街(てきかがい / でぃーふぁーじぇ)」という町がちょっとよかった。
リノベーション建築におしゃれなカフェ。漢方薬局。ドライフルーツ。
迪化街付近にお手頃価格のおもしろそうなホテルがあったのでExpediaから予約してみた。

建山大旅社(じえんしゃんだーりうしゅー、みたいな発音のはず)

おわかりいただけただろうか。
ここは昔懐かしい「これぞ台湾!」を再現した宿なのだ。

タクシーから降りてちょっと迷いながら上を見上げると建山大旅社の看板が出ていた。
道で煙草を吸っている30歳前後の男性(無精髭を生やして煙草を吸っている30歳の大森南朋をイメージしてください)に「ジェンシャンホテル?」と声をかけられる。

え。なに怖い。逃げよ。

と思ってダッシュしかけたが、冷静に考えればホテルの人だ。忘れていた。そう。建山大旅社はホテルというよりもゲストハウスに近い価格帯の宿だからフロントのお兄さんが極端にカジュアルでもおかしくない。
フロントの大森さん(仮)にパスポートのコピーを見せて、部屋のキーをもらう。Wi-Fiのパスワードがカードに書いてあってなかなか気が利いてる(去年泊まった宿はフロントの横に書いてあるだけだったので、部屋に入ってからしまったー! と思って電話で聞いた。複雑なパスワードでなくてよかった)。夜9時以降はフロントが無人になるそうで、エントランスのドアの開け方について簡単な英語で説明を受けた。

建山大旅社ロビー

ホテルのロビー。複数人で泊まったら記念撮影不可避じゃろ!

さて。
部屋は5階だけど、エレベータはない。
まじかよ、と思ったが大森さんが部屋の前までスーツケースを運んでくれた。

部屋は期待以上におもしろい感じだった。すっごく狭いけど一人部屋なのに二段ベッド。というかロフトベッドの下が書斎みたいになってる。わかりやすい写真が撮れなかったのでExpediaからシングルルームの写真をご参照ください

注意:次の次の写真にわたしの美しい足が写っているので目が潰れそうなひとはそっ閉じプリーズ。

ロフトベッドの下

ベッドの下が書斎っぽくなってる。

ベッドにいるところ

おひとりで心ゆくまで足をぱたぱたしていただけます!

「台湾の冬は短すぎるためにエアコンには冷房の機能しかない」

という話を聞いて身構えていたのだが、ちゃんと暖房もついていた。
当然湯船はないけど安定して温水の出るシャワーがあるし、トイレも清潔だ。
拭いた紙はちゃんと便器に流せる。
タオルも用意されてるし歯ブラシも石鹸もシャンプーもあるし。
(パジャマはないけど外国のホテルってないのがわりと普通みたい。わたしはもこもこの冬パジャマを圧縮袋で薄くして持参しました)

駅から頑張れば歩ける距離(20〜30分くらい)で、こんなにフォトジェニックな内装を揃えてこのお値段なのだから良心的だ。多少粗いところがあっても「おもしろいんだから許す!」という気になる。

ただ、冷蔵庫は冷たい飲料を冷たく保つみたいな小型のものだった。あまりガンガン冷やせるタイプではないと思う。買ってきた米乳(書斎っぽい写真に置いてある飲み物。ピーナッツ味)を入れておく分には不足はなかったけど、夏にアイスを買ってきてシャワーの後に食べたいときにはちょっと困るかな? ま、いいじゃん。アイスは外で食べれば。コンビニも甘味屋も徒歩圏内なのだから。
ちなみに米乳は宿の斜め前の店で買ったものだが、わたしは中国語が話せないので「米乳、外帯(持ち帰り)」とメモに書いて注文した。「内用(ねいよん)=お召し上がり」「外帯(わいだい)=お持ち帰り」は頻繁に使います。テストに出ます。

出かけるときに大森さんにサクマドロップスを渡したら “Wow! Thank you!” とにっこり笑ってくれた。ぶっきらぼうに見えるかもしれないけど親切だし案外気さくなのでこれから建山大旅社に泊まるひとは髭面の大森南朋に睨まれても逃げなくて大丈夫です。

ところで2019年初夏に訪れたトルコのことを「うたとポルスカ」に寄稿しました。読んでね。