投稿者「yukioi」のアーカイブ

骨格時雨

注文していたキムチが届く。バイト先の冷蔵庫を開けると「石原様 白菜キムチ(大)1」と書かれた封筒が入っている。封筒の中にはキムチが入っているから(もちろんビニール袋二重で)封筒はもったりと膨らんでいる。荷物やじぶんの大きさが上手に把握できない。気がついたらキムチの封筒が濡れていて、キムチを濡らすまいとしてフードに水たまりができる。水を背負って歩く。中学生の丸い頭が上空をいくつも通り過ぎるはずの道を今日は傘の下に集まった丸くない頭が「こっかく」「こっかく」と囁きかわして、それは「告白」が正しいなんて、そんなかわりばえしないシナリオを彼女らが受け継いだなんて、靴の半分から下で、いま魚が跳ねた。

アイプチ

香港が不足している青蛙
 
黒南風や揺るるは母の縦ロール
 
ゆるゆるのくつした虎が涙雨
 
白靴やタンゴは踊れなくていい
 
純情な神様からすうりの花
 
アイプチで押し上げている朝曇
 
敗戦日men’s eggが売れてゆく
 
 
 
黒鳥 秋季号 19(平成20年10月1日発行)掲載

暗殺

春めくや全身豹柄のママン
 
朧夜のへりからそっと灰汁をとる
 
亀鳴いて土屋アンナを威嚇する
 
ほたるいかいつか暗殺されますよ
 
そのひとの妻からもらう春ショール
 
妹に顔を揉まれる修司の忌
 
東京の春をコマ落としで歩く
 
 
 
黒鳥 夏季号 18(平成20年7月1日発行)掲載

ほむだったのか!!

誰かが誰かを命がけでほめると、そのほめられたほうは結構遠くまで歩いていくんですよ。――穂村弘
 

短歌ヴァーサス第三号における、「ぼくたちのいる場所」と題された穂村弘氏と枡野浩一氏の対談。司会は荻原裕幸氏。
この言葉、ずっと枡野さんのだと記憶違いしてた。
そっか。穂村さんだよね、そうだよね、たしかに枡野さん的じゃないもんな。
いいこと言うよなあ穂村弘!!

私はといえば誉められたところでそんなに真に受けないし、好きだって言われてもどうせお世辞か冗談じゃろと思うタイプなんだけど、それでもこの人にあのとき誉められてなかったらこれ続けてなかったろうなっていうのはいろいろあるわけで。続けてなかったほうがよっぽどよかったんかもしれんけど。

あ、なんか最近また自分語りが多いですね。わかってるよ。現実逃避だよ。ちゃんと書くよ。書けるよ。この知能の低さ、言葉にならなさで書くよ。できるよ。偉い。自分で自分を誉めるのは得意だ。自分で自分をこき下ろすのも得意だ。消えたくなった頃にちょうど仕事始めがやってくる。リセットできない厳重な仕組み。ありがたいね、世界はめでたい。

結局何が言いたいかっていうと、健ちゃん、あんたの最愛の娘をちゃんと誉めなさい。誉めたってあの子のやる気は減らねえよ。

明日はCOMMAND BABD PARTY vol.29です

ウロボロス高校第三演劇部として
部長の保田悠詩、
幽霊部員の糸宇田iSU-K(a.k.a DAiSU-K)、
そして副部長の石原ユキオの三人で、
リーディングパフォーマンス的なことをするという噂です。

 
<持って行くもの>
・画用紙(買う)
・グリースペイント(白/黒)
・スポンジ(買う)
・ソックス(買う)
・メイク落とし(買う)
・タオル
 
 
(2009年1月5日追記)
 
ご来場くださった皆様、ありがとうございました。
ウロボロス高校第三演劇部は、この年末ライブを持ちまして、解散いたしました。
 
(えーっっっ!?)
 

第20回大朗読じぶんのネタに関して

朗読の冒頭に近い部分で下ネタを持ってくるのは耳をこっちに向けていただくための修辞法で「頭猥」といいます。嘘です。今作りました。
 
今回は、性行為はいっさい描いておりません。
清純なんです、あたくし。
性器の名を連呼しただけです。
 
いずれこのブログで公開します。

本日倉敷あきさ亭で忘年句会です

ばかですとか素人ですとかじゃんじゃん言ってそこらへんでストレスを回避しつつ前進、スーサイドアタック、スーサイドアタックの目的は自己満足なので実際の効果は不問、みたいな。

忘年句会でアルコールが入ったらドラえもんよりオスカルの瞳よりナディアの海より青いことを言ってしまいそうな気がするのでブログに書いとく。

野望と性欲は小出しにするのがいい。

三谷と花粉症の後遺症

三谷。お元気ですか、三谷。リプレイス屋さんの三谷。三谷が入れ替えたPCは特に目立った問題もなく月曜日から金曜日までさくさく働いています。私はもうあなたをMOBにたとえたりはしないのです。いまやオンラインゲームへの情熱も冷めてしまった。まるで日向に置かれた蛍光ペンのメモ書きみたいに、薄れて、消えかけて、ねえ三谷、私なら蛍光ペンで遺書を書く。そしてあなたへの愛も。愛だって。うける。まじうけるし、って言ってみようか中学生の女の子みたいに。隣にあったビルがなくなって更地。雨が降ったら大きな水たまりができました。そこへ桜紅葉がどんどん溜まって、溜まりながら朽ちていく。かさぶたに似ています。赤茶色の薄片でふさがれた窪み。私にはそんな傷があったはずだ。右膝の内側に、メスで正確に抉られた一区画。もうかさぶたはありません。でも凹んでるし色が違うからすぐわかるはずだ。そこを分譲するよ、三谷。所有してみればいい。日あたりは悪い。そんなところがまた愛おしいと、あなたはきっと、思うはずです。

逸 第25号

 
押忍!
花森こまさんの個人誌「逸」に参加させていただいてます!
 
購読料 一部千円。
 
「読ませろゴルア!」「書かせろゴルア!」等のご連絡は石原ユキオ(ishiharayukioあっとまーくgmail.com)もしくは花森さん(hanamorikomaあっとまーくhotmail.com)まで。
  
↓ ↓ こんな内容。 ↓ ↓

招待作品
不連続面  松木秀(『のび太って日本みたい』その理由は?!)
鳥  近藤弘文(過去だけが「いま」を濃くするってフレーズにやられた。)
 
小説*数理歌学  石原文朗(アシッドな感じ?)
 
句会報  石原明(H20.9.14@たかつガーデン)
 
酒菜亭日録抄  風の族(風の族さんの胃袋の記録。「なにぬねの?」に連載中)
 
作品鑑賞  三木基史(現代俳句業界のホープがさりげなく駄洒落を……!!)
 
五行彩花  仲本有花(五行歌についてのエッセイ。)
外側から殴られる  近藤弘文(midnight pressのフリーペーパーとあわせて、是非。)
 
参加作品
福島敦子・野口裕・石原ユキオ・武邑くしひ・米月まり・田中浩一・金子弓湖・岡村知昭・渡辺隆夫・藤田踏青・仲青・花森こま
 
編集後記

戦友と書いてせふれと読んでくれ

こんばんは。
やっぱり不具合は修正できてなかったかもしれない石原です。
この季節不調をきたすのは仕様らしい。
 
資生堂TSUBAKIはねるねるねるねのにおいがするので、ねればねるほど色が変わって髪の毛がちゃーらっちゃらーです。
電飾光背が回るよ。
 
いままでだってここからさきだって、なんでもないし、なにもない。
 
どの扉が昭和につながっていて、
どの引出しが22世紀につながっていて、
どの押入れが麻畑につながっているんだろう。
 
サンタさん、ポケットなんて要りません。