注文していたキムチが届く。バイト先の冷蔵庫を開けると「石原様 白菜キムチ(大)1」と書かれた封筒が入っている。封筒の中にはキムチが入っているから(もちろんビニール袋二重で)封筒はもったりと膨らんでいる。荷物やじぶんの大きさが上手に把握できない。気がついたらキムチの封筒が濡れていて、キムチを濡らすまいとしてフードに水たまりができる。水を背負って歩く。中学生の丸い頭が上空をいくつも通り過ぎるはずの道を今日は傘の下に集まった丸くない頭が「こっかく」「こっかく」と囁きかわして、それは「告白」が正しいなんて、そんなかわりばえしないシナリオを彼女らが受け継いだなんて、靴の半分から下で、いま魚が跳ねた。
骨格時雨
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