インターネットとフェミニズムに関するウェブマガジンSisterleeに俳句生活安全缶バッジに関する記事を寄稿しました。どういった経緯で缶バッジを作ったのかわかりやすくまとめていますのでまだの方はぜひご一読くださいね。
俳句コミュニティにフェミニズムの視点を。私が「俳句生活安全缶バッジ」を作った訳
ツイッターではいろんな反響がありました。
好意的な意見もありますし、ハラスメント防止は大事だけど缶バッジの文言自体には抵抗を感じる、という立場の人もいる(うん、めっちゃわかるよ)。わたしの記事から考え始めたのにいつの間にか藁人形を叩いているひともいる。
ただ、わたしがどこか期待していた反応が返ってきていないなと思いまして。
「うちの句会(歌会)だってハラスメント防止の取り組みをしています! なんで子連れ句会だけ取り上げるんだ! そうやっておともだち同士で誉め合ってろこのあんぽんたんがーーーーーッ!」
という怒られが発生してほしいと思っていたのです。
そしたらさ、
「もっと! そこを!! アッピール!!! してください!!!! 大事なことなんだから!!!!!」
って言えるじゃないですか。
ハラスメント防止の取り組みって「ハラスメント防止の取り組みをしています」と大々的に言うことが大事だと思います。それだけでハラスメント予防になる(なんでもかんでもハラスメント扱いしやがってけしからん! なんていう歪んだ考え方のひとが向こうから避けてくれる)し、参加を検討しているひとの安心感につながる。わたしからも安心しておすすめすることができる。
ところがどっこい!
いまだに「うちだってやってます! ぷんぷん!」系のリプライが来ないんですよね!
敢えて言うならsororiさんが「現代俳句協会インターネット句会 利用規約」でハラスメント防止を掲げていることを教えてくれましたが、その一件のみなんです……。
一応、現俳は「インターネット句会の規約」としてハラスメント防止を掲げていますが、専門窓口を設けるにはまだ至ってませんね…https://t.co/vy9ctNofbh
— sorori (@sorori6) August 13, 2021
うそだろ……ほんとはみんな宣言とか規約とか書いて持ってるけどあんまり周りに知られてないだけなんだろ。だって句会歌会結社協会連盟…って日本中にいっぱいあるもん。もっとあるでしょ。ガンガン来てくれ。外に向けて大声で言ってくれ。
ということで、
「句会のサイトにこんな規約を掲げています」「結社誌にハラスメント撲滅宣言が載ってます」「実は相談窓口があります」といった情報をお待ちしています。可能ならURLや画像など、具体的に確認できるものを添えてほしいです。口頭での案内をしている場合にはメモとかでも。自分の参加している会以外の情報もぜひお寄せください。
連絡先:Twitter @yukioi
Sisterleeをきっかけにプチバズった勢いに乗じてよい取り組みを紹介したいです。
誉めるぞ。誉めたい。誉めさせてくれ。
現俳協のインターネット句会の利用規約にしても、作るの、すごく大変だったと思うよ。飽くまでハラスメントや法的な問題についての素人のわたしが見てだけど、よく考えてくれてると感じる。
「性的な関心を引く行為(作品及び選評を含む。但し、文学上のエロスはその限りでない)をしてはならない」
これは「性的な関心」「文学上のエロス」の定義で揺れるかもしれないけど、必要な曖昧さだと思う。性的な句をすべて禁止するなら姫始めの句も消えるものなあ……。
「ジェンダーを強く意識させるコンテキストで、個人や作品を誉めたたえたり貶したりする行為をしてはならない」
ここはつまり女性的なハンドルネームを持つひとが「そんな男性的な句ではなく、女性にしか作れないような句を作ったらどうですか」「女性らしい柔らかな作風ですてきですね」などと言われなくて済むということだ。すばらしい。これ、いい視点だからいろんな句会で導入してほしい。
ということで、まだわたしの目に入っていないすばらしい取り組みをどんどん教えてください。造った仏に魂を注入しようじゃないか!
【関連動画】(2021.11.30追記)