Cube

 
仰向けになって、天井を見ている。天井には白い結晶のような繊維のようなものが規則正しく並んでいて、わたしの顔の上にもそれと同じ性質のものが降ってくる。たとえるならば作りかけの綿飴のごくごく細い糸のような、たんぽぽの綿毛が粘性を帯びて大きくひきのばされたような、そういったものだ。ふわふわのぱりぱりである。ふわふわのぱりぱりにおおわれていくのは心地よい。寝かされているこの床もふわふわのぱりぱりの積み重なったものである。Paris…Paris…と耳元で声が。麹なのだと教えてくれる。麹がこんなにきもちよいものだとは知りませんでした。なるほど塩麹が流行るはずです。ぱりす、ぱりす。

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